幕間『0/IF』
スピンオフ作品であるこっちではなく本編のネタバレが一応関わっています。本編を『Accomplish - 02/05/2047 -』まで読むことを強く推奨いたします。
気がつくとそこにいた。今まで見ていたおかしな配信は何だったのか? それよりも、ここは…………
「おかえり」
「え~っと………?」
「忘れたのか? バーカウンター・語り部・女男これでわかるだろ?」
「自分で言うんですね」
私は目の前の人物に質問を投げかける。確か、彼はこう言っていたはずだ。自分はIFの能力者の成れ果てだと。でも……
「貴方って0なの?」
「は!?」
彼は飲んでいた飲み物を勢いよく噴き出す。余程変な質問だったのかもしれない。
「オレがあんなヤツと一緒だと!? 正気か? 見た目だって違うだろ? 性格も違う……よな?」
「…………嫌いなんですか?」
「当たり前だろ! アイツは肝心なところにしか干渉しないから手を付けられないって散々な状況まで見捨てるヤツだぜ?」
「………………白い髪に男性、そしてその杖…………」
「バッ…………まぁいいさ。見ていればオレとアイツの違いがわかるだろうよ」
そうなのだろうか? 未来の0が彼ってような気もする。
「まぁ、観測し続けてくれ。それがオレ、そして彼女の救いになる」
そういう彼の発言があまりにも切なく、切実に感じた私は続きを見始めた。