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2 帰省
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新幹線に揺られ窓車から都会の雰囲気が疎らにかになっていくのを眺めながらこれまでの事を思い返していた。
大塚の訃報を見た後、部屋に戻り次の日には有給を申請していた。
繁忙期を過ぎていた事と最近の元気のなさを鑑みてなのかあっさりと有給は通った。
友人の訃報、と伝えれば別の方法で休みが取れたのかもしれないが、親友とはいえ10年も関わりのない相手ではどうなるのかわからなかったので素直に有給を使うことにした。
「10年か……」
通りすぎていく景色を眺めながら心は先に故郷へと向かっていた。