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月夜譚 【No.1~No.100】

犬猿の仲 【月夜譚No.61】

作者: 夏月七葉

 彼等の喧嘩が始まってしまったら、もう誰の手にも負えない。周囲が宥めすかそうが囃し立てようが、自分達には関係のないことだとばかりに意に介さない。

 よくやるよと半ば呆れ気味に遠くから見ていたら、到頭取っ組み合いにまで発展してしまった。青年は溜息を零し、不安そうに近くのテーブルで呑んでいた男性を避難させた。止めなくて良いのかと訊かれたが、いつものことだからと肩を竦めるだけに留めた。

 定期的におっぱじめられるこちらの身にもなってもらいたい。最近では噂も広まって、新しい客が減ってしまった。常連の奴等は彼等がいない時を見計らって来るか、逆に喧嘩を肴に呑んでいる者に大きく分かれる。

 本当は平穏な酒場をやっていくつもりだったのに。すっかり物騒さが定番になりつつある。

 いつか慰謝料でもせびってやろうかと思考を掠めた時、二人が勢いよくこちらに注文を寄越した。どうやら今日は呑み比べで決着をつけるつもりらしい。

 あれでも立派な客なんだよな、と青年は苦笑を噛み潰して了承の返事を投げた。

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