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30.鑑定と秘書スキルさんにツッコミを!Lv3

例の謎だったステータス「知性100」にメスが入ります。

そして、鑑定スキルの中の人に、遂に社長がクレームを斬り込む!

中の人、どうする!?

そして「鑑定Lv7」にて、アリサを鑑定した事で判明した事実を発表しよう。

 

私の特殊性は、当初からの予想通り「知力100」

これの影響大だと分かった。

 

最初から怪しいと思っていたが、前世の記憶があるので、その知識が反映されているのではないか、と思っていた。

しかし、この世界の生物のステータス上の「知力」は、軒並みあまり高くはなかった。

 

 

アリサの知力は、15だった。

 

「ぷっ、15。」

「なによー!」

 

っぽいな。実に15っぽい。

 

しかし、これは実は悪くない数値だった。

教会に通う亜人族の一般人を鑑定すると、平均的な知力は10未満だった。

アホの子と思っていたが、伊達に114年も生きてはいない。

 

ちなみに頭の回転が良いザイン君は知力25。

アイン領主も知力20。

 

それから考えると、知力100は異常なレベルである。

私が前世の記憶を継承しているから・・だけでは、説明がつかない。

 

私はどうも犯人臭いリティア君に詰め寄った。

そして、リティア君からの証言で、その原因と効果が判明した。

 

 

「リティア君、ステータスの知力の最大値は100なのかね?」

「はい。」

 

「数字上は最大値で固定されているが、実際は101以上の数値と言う事は?」

「それは、現在のレベルではお答えできません。」

 

なるほど、隠し要素があるようだ。

 

「私は何故知力100なのか分かるかな?」

「わ、分りません。何故でしょう。ただの秘書にはサッパリです。」

 

知ってるな、この娘・・。

 

「知力100って凄いのではないかね?」

「はい!流石シャチョー様です。そこにシビれる、憧れます!」

 

この娘は、たまにユニークな言葉を使うね。

 

「この世界に知力50以上の生命体は居るのかね?」

「はい。」

 

おお、居るのか。

そうか、妖精のような長寿の生命体がいるのだ。

知識量豊富な種族がいてもおかしくはないか。

 

と言うか、そんな世界を見通すような質問にサラッと答えてる時点で、ただの秘書じゃない事がバレバレなのだが、本人は事の重大さに全く気付いていない。

 

「知力70以上は?」

「居ません。」

 

居らんのかーい!

 

世界最高の頭脳を持つ存在になっていた!

 

全く実感が湧かないが!

 

三流大学出身の零細企業の社長の頭なんて、前世の世界じゃ平均より少し上程度だろう。

その程度の実力で、世界一と称されても素直に誇れない!

私は私より優秀で有能で頭脳明晰な人物を多く知っている。

 

それで世界一って言われても。

 

前世の一流大学出身の頭が良い人物なら、知力200でも足りないのではないか?

 

 

「知力が高いと受けられる恩恵は?」

 

「消費魔力の低減と、魔力操作の円滑化、スキル取得条件の軽減です。特別なところでは50以上で、魔法の自動補正機能解放、60以上で、魔法の同時展開が可能に、70以上で機能閲覧スキルの解放と同時にスキルポイントシステムの適用権限取得、更に80以上にて消費スキルポイント低減開始、各種機能閲覧能力を順次自動取得、それ以上の情報は現在開示できません。」

 

知力100って、チートじゃないか!

 

生まれ変わった時点で、100だったぞ?

 

 

「・・私は何だ?」

 

そんな哲学的な質問が漏れ出た。

脳が無いのに、頭が痛くなった。

こんな特別な能力が、どうして私なんかに与えられている?

 

「シャチョー様はだって知・・前世の記憶を引き継いでおりますし、わたしがガッツリ特別あ・・女神の祝福・・あ、これもマズ・・とにかく、凄いのです!」

 

 

・・・もう色々バレていた。

 

この娘、外に出しちゃいけない娘なんじゃないのか!?

秘密情報だだ漏れになってますよ、リティア君の上司さん!

もう少し、業務教育してから担当にすべきと、私は強くお勧めする。

 

 

とにかく、転生時に女神に特別扱いされていたようだ。

 

では何故特別扱いされたのだろうか?

ただの零細企業の社長如きが、何故そんな扱いになるのだ?

 

この天然女神様は、妙に私に懐いているが、何故なのだろうか?

私には身に覚えが全くないのだが・・。

 

 

前世で捨てられた女神を拾って育てた事など無いと思うが?

 

 

「リティア君、君は何故私にそんなに構ってくれるのだね?」

「べ、べべべ別にそんな事はありません。わたしは平等です。」

 

言ってる事とやってる事が全然違うのだが・・。

どうも裏事情がありそうだ。

 

「何か事情があるとか?」

 

後ろめたい事でもあったのか?

 

「あ、ありません。ひーん、これ以上訊かないでー!」

 

泣き出した・・。

 

どうやらキャパシティオーバーしたようである。

これ以上喋ると、ボロが出過ぎると自覚したのだろう。

 

言えない事があるようなので、これ以上は可哀想である。

彼女から情報を吸い出すのは容易であるが、そうすると機密情報の漏洩で、彼女が責任を取らされるだろう。

どんな処罰を受ける事になるのか、想像できないが、私を助けてくれた女神様が窮地に立たされるのは忍びない。

彼女を守る意味でも、あまり追い詰めるのはやめておこう。無粋だ。

 

まあ、ただの木に知力100があったところで、普通は宝の持ち腐れになるものだ。

光合成さえしていれば幸せ絶頂の私には、過ぎた能力である。

今後も普通に木の生を全うするだけなら、意味のない能力。

神様サイドとしても、そう判断して放置してくれているに違いない。

この程度の優遇措置は、大局的に見れば些末な事で、特に問題の無い采配なのだろう。

 

とにかく、お陰で普通の木よりも、私はイージーモードで新たな生を送れているようだ。

その点に関しては、リティア君に感謝しないといけないのだろう。

 

 

「リティア君、君のお蔭で命が助かったよ。ありがとう。」

 

私は素直に感謝の気持ちを伝えた。

彼女の特別扱いが無ければ、私は「倒木日向」には辿り着けず、発芽しても日光を浴びれず、その場で朽ちていた事だろう。

 

「シャ、シャチョー様!?そんな突然・・もうメチャクチャにしてください!」

「え?いや、私はこの世界で平和に暮らしたいのだがね。いくらチート能力があろうと、魔王じゃないのだ、世界をメチャクチャになんてしないよ?」

 

妙な期待をされても困る。

 

そう答えると、絶望したような顔をしていた。

この娘は一体、私に何をさせたいのか、全く分からない。

 

 

「そうだ、リティア君、「秘書」のレベルを上げるとどうなるのかね?」

 

レベルを上げる事で、この秘書の駄目さ加減が改善されるのであれば、投資する価値がある。

そうあって欲しいとの切なる願いから、確かめざるを得なかった。

それが知りたい。

 

「上げてくれるんですか!?上げましょう!今スグ上げて下さい!」

 

絶望の淵から即座に復帰した。忙しい娘だ。

蜂蜜あげると上機嫌になるアリサといいコンビである。

 

そして、彼女のその期待に満ちた、輝かしい瞳から察するに、レベルを上げると”彼女的にハッピー”なのだろう。

しかし、それが私的にハッピーなのかは、全く保証が無い。

そして恐らく、私的にはハッピーじゃないと思う。

 

彼女の笑顔を見ていると、嫌な予感しかしなかった。

 

彼女の利得と、私の利得には大きな隔たりがあるからだ。

 

 

「いや、どうなるか訊きたいだけなんだが。」

「そうですか・・。」

 

そう答えると、絶望したような顔をしていた。

頻繁に絶望するね君は!

 

  

 

その後聞いたリティア君の説明を掻い摘んで羅列する。

余計な情報まで織り込んでくるので、要らない所はバッサリカット編集した。

重要な所だけ抜き出さないと、何が言いたいのか分からなくなる。

 

秘書について訊いたのに、食べ物の話がどうして出てくるのか不思議でならなかった。

 

鑑定と全く変わらないポンコツ性能の秘書。

 

中の人が同じだから仕方ないか・・。

 

 

「秘書」レベルアップ特典

Lv1で、秘書の声を聞くことが出来る

Lv2で、秘書の姿を脳内に投影することが出来る

Lv3で、秘書を現実世界に呼び出す事が出来る

Lv4で、秘書に壁ドン顎クイッ出来る権限獲得

Lv5で、秘書を彼女に出来る権限獲得

Lv6で、秘書と同棲出来る権限獲得

Lv7で、秘書を嫁に出来る権限獲得

Lv8で、秘書と子作り出来る権限獲得

Lv9で、秘書自身になれる権限獲得

Lv10で、秘書以外に愛人を作れる権限獲得、但し取得すると家庭崩壊リスク増

 

 

「このスキル創ったヤツ、バカじゃないのか!?」

 

「何故ですか!?素晴らしいではないですか!」

 

レベルを上げても、余計な機能ばかり増えて、肝心要の「秘書の能力を優秀にする」機能が一つも無い!

 

い つ ま で 経 っ て も 使 え な い !

 

残念クオリティはそのままで、無駄機能ばかり増える駄目スキル。

そしてLv4以上の特典が特にヒドい!

 

 

秘書に壁ドン顎クイッ出来る権限獲得

 

要 ら ん !

 

秘書と同棲出来る権限獲得

 

既 に 同 棲 さ れ て い る !

 

秘書を嫁に出来る権限獲得

 

ノ イ ロ ー ゼ に な る わ !

 

秘書自身になれる権限獲得

 

こ ん な 残 念 な 娘 に は な り た く な い !

 

 

凄い・・・ここまでレベルアップの必要性を感じないスキルがあるのか。

前代未聞。

全く要らなかった。

事前に訊いておいて正解だ。

ポイントを無駄にするところだった。

 

そして、大事な事なのでもう一度言う。

 

「このスキル創ったヤツ、バカじゃないのか!?」 

「2回言った!?」

 

 

確信を持って言える。

このスキルを仕込んだのはリティア君だろう。

犯人はリティア君。

 

「リティア君・・君は本当にバカだね。」

「何故か唐突につくづく呆れ返られた!?」

 

 

その後リティア君は、レベルアップ特典の何がダメだったのか、本気で判らずにアリサに相談していた。

それが判らない時点で、既に駄目なのだが、それが駄目な事すらも分からないから駄目駄目なのだ。

 

スゴイなリティア君、キミはどれだけ駄目を積み上げられるのだ?

 

「あーそれアレよ!照れってヤツ?オジサン奥手じゃん?」

「なるほど!」

 

相談する相手が間違っている。

 

 

 

 

もう一つ、「鑑定」に関して中の人にクレームを入れた。

 

「リティア君、ちょっといいかね?」

「はい、仕事ですか?セクハラですか?あ、セクハラがわたしの仕事ですね?」

 

「・・・伝えたい事がある。」

「 無 視 !? 」

 

もうツッコむ事すら面倒だ。

 

「鑑定スキルなのだが、結果報告をもう少し客観的にして欲しいのだが?」

「ななな、何の事でしょう?私にはよく分かりません。」

 

まあ、そうやって恍けて誤魔化す事は分かっているので、私も恍けて淡々とクレームだけ伝えようと思う。

 

「そうか、では私の要望を聞いておくだけで良いから、よく聞きなさい。」

「は、はい。」

 

正座した。

正座しろと言ってもないのに正座した。

見事な正座だ。

正座が板についていて、なんだか怒られ慣れている感じがある。

 

この娘、普段から、いつも怒られてるんだろうなぁ。

 

しかし、君は紛いなりにも女神だろう?

私なんかに、そんな低姿勢で良いのかね・・。

 

 

「鑑定をすると、何故か個人的な意見や感想だったり、食べ物じゃないのに食べてみた!的なネタ的情報が織り込まれてくるんだよ。」

「そうですか。楽しそうですね♪」

 

ブログの読者から感想を貰ったみたいな感じで、嬉しそうにしていた。

褒めてるのではないだが・・。

 

やはり鑑定は、この残念女神のブログと化していたか。

だが、根本から勘違いしているようなので、この際にズバッと言っておこう。

 

「それ要らない。」

「ぐふっ!」

 

心に深刻なダメージを受けているようだが、構わず私は続けた。

 

「これは何ですか?って訊いたら、自分の思い出話を始められた・・とか、イラッて来ないかな?訊いてもない事を、延々と語られると、そうじゃない!って思わないかね?」

 

「そ、そんな事ないんじゃないでしょうか?ひと時の和み?こう、ほっこりするじゃないですか。そんなのを届けたいんですよ、多分。」

 

オドオド、アセアセしながら反論を投じて来た。

 

認めないか・・。

そして、そんな余計な気を回していたのか。

本当に余計だった。

 

「それ要らない。」

「ぶほぉっ!?」

 

一度や二度は、愛嬌や冗談で済まされるが、毎回毎度延々と続けられると「いい加減にして欲しい」と腹が立つ。

本人は良かれと思ってやっているのだろうが、完全に空回りしていた。

これ以上は我慢の限界である。

人の感情を逆撫でしている事実を、遠回しに伝えて、是正を促す。

 

「鑑定はブログじゃなくて、第三者機関への調査依頼なんだけど、鑑定さんは分かってくれないんだ。困るよね?」

「そんな事は・・。」

 

徐々に小さくなっていくリティア君の声。

私は畳みかける。ここで情けをかけると、改善に至らない。

 

「根本的に勘違いしているから、苦言を呈するけど、鑑定はブログじゃない。楽しさは鑑定には求めていない。表現するべきコンテンツが違うのだよ。責任のある発言を心掛けて貰いたい。」

「あうぅ・・。」

 

リティア君、半泣き顔である。

 

和みとかネタが、全てにおいて要らないとは言ってない。その需要はある。

 

ただ別のコンテンツでやって貰いたい!

 

鑑定でやるな、別途ブログでやれ!読んであげるから。

私はこう言いたかったのだ。

 

「個人的な意見や感想、予測、推論、ネタ、ボケ等の無責任で確実性のない余計な情報は加えずに、客観性のある情報に絞って、淡々と正確な事だけを簡潔明瞭に答えるだけで良いのだよ。多少のトリビアくらいはあっても邪魔にはならないが、概要欄の無駄情報が本当に酷い。」

 

「シクシクシクシク・・。」

 

泣き出した。

 

ブログ読者に直接批判されたブロガーのようだ。

 

 

このまま泣かれていては心苦しいし、肝心な私が伝えたい主旨と結論が伝わらないかもしれないのでフォローを入れる。

 

「でも、ひと時の和みとか、ネタが無いのは、一縷の寂しさはあるね。」

「で、ですよね!」

 

すると、すぐに復活する。

 

「だが、それは()()()()()()()()()()()()。」

「ズキューン!」

 

秘書だけでお腹一杯の天然ボケを食べさせられるのに、鑑定まで入って来ても食傷が過ぎる。

もうお腹一杯なのだ!

両サイドからボケのクロスボールを上げられても、片方のボールにしか合せられないだろう!

全部シュート(ツッコミ)出来ないのだよ!

 

と、暗に伝えたはずなのだが、当のリティア君は目がハートになっていた。

 

何 故 だ !?

 

 

「鑑定スキルの方は、客観性を持たせる事に注力してくれたまえ。」

「はひ!頑張りまふ♡」

 

 

こうして鑑定スキルへの改善要望が通った。

 

通ったのだが、その翌月。

 

 

鑑定スキルの中の人、担当交代していた・・。

 

 

どうもリティア君、クビになったらしい。


ちなみに第26話で、シャチョーの実を鑑定したのは、担当交代後の中の人です。

「色々な意味で心外です。」

とリティアが言ったのは、本当に色々な意味があります。

 

実は社長の意見は、リティアさんを通して神様サイドに報告され、「これ以上の恥の上塗りはマズい」との判断で担当者を交代するようになったようです。

尚、リティアさん、ド天然ですが、有能な部分もちゃんとあるので、神様の世界では結構な有名人なのです。

 

【作者コメ】

またまた評価ポイント頂きました。ありがとうございます!

それと、前回から投稿時間がAM8時になっています。

それから、7月から投稿頻度が落ちます。

忙しくなって2日に1話が厳しくなってきました。ごめんなさい。

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