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24.鑑定スキルさんにツッコミを Lv2

第2回、鑑定スキルさんへのツッコミ回です。

翌日の昼に、大きな荷車を引く馬牛車がやってきた。


脚の傷に呻く山賊達を全員乗せて、最後に私をその上から乗せる。

自分達の脚の怪我の原因を、自分達の脚の上に置かれる。

その恐怖たるや、計り知れない。


可愛そうに、まだ幼い子供の山賊は、恐怖で涙を流して震えているではないか。

これは一種の拷問なのではないか?

児童虐待反対である!


え?加害者の私が言うな?



しかし、こうしないと全員乗れないのだ。

済まんね。


私は動かずに、大人しく荷台に乗せられ、周りを山賊達に囲まれて移動が始まった。

尚、アリサは空になった蜂蜜壺の中に隠れている。


「こうして見ると、単なる珍しい葉っぱの木だな、旦那。」

「・・・・。」


私は返事をしない。

返事をすると、荷車と一緒にやってきた町の者達に、私の存在がバレてしまうからだ。

「思念通話Lv3」は、指向性がないからね。



私はこれからスキルポイントをどう振り当てるか悩んでいた。

「思念通話」と「鑑定」が良いと思うのだが、人族の町に行った後で、他に必要になるスキルに気付くかもしれない。

その為、私は極力ポイントを使わないようにした。

 

 

あと「鑑定」だが、何だかんだで、鑑定スキルさんのボケにツッコミを入れるのが楽しくなっている自分に気付いた。

独りボッチには慣れているが、話し相手がいないと、どうしても独り言が増えるのだ。

 

そんな中で、思いも寄らない珍回答を乱発してくれる、鑑定スキルさんの存在は有難かった。

毎回期待を裏切らずに、私からツッコミを引き出してくれた。

 

長い間、一人でいても、健常な精神で居られたのは、実は鑑定スキルさんのお蔭かも知れない。

 

そんな事を思うと、Lv3に妙な愛着が湧いてきてしまっていた。

その為、レベルアップを躊躇っていたことを白状しよう。

 

 

だが、

名残惜しいが、「鑑定」はこの世界の事を知る為には不可欠だ。

 

もう鑑定スキルさんのボケはお腹一杯堪能した。

そろそろ真面目に、知識の泉となって貰いたい。

 

 

私は取り急ぎ一つレベルを上げた。

 

これで「鑑定」はLv4だ。

 

さて、取得情報にどんな変化が起きるだろうか。

 

何か鑑定したいな。

と思ったとき、私を荷台に乗せる際に落ちた、私の葉が目についた。

 

そう言えば、自分自身の物を鑑定したことはなかった。

 

 

珍しい色と模様の葉であり、草食動物が目の色を変えて狙ってきた葉である。

何か普通の木の葉と違うのであろうか?

 

 

鑑定対象:私の葉

 

取得情報「 私の葉、薬効:Lv6(解毒・抗生作用あり)、魔力:15、可食性:可(独特な香りあり、炒め物や香り付けにどうぞ)、錬成素材価値:高(薬草系)、概要:動く実の生る広葉樹の葉、美味しくはない、だがそれがいい!私はいくらでもイケる! 」

 

 

ま だ ボ ケ が 残 っ て た !


成長しないな鑑定スキル!

 

あと、やっぱり鑑定スキル・・


中 の 人 居 る よ ね !?


何だ最後のコメントは!?

全然鑑定関係ないじゃないか!

個人的な趣味嗜好に走ってる!


それに調理法のお勧めなんて訊いてない!

私はお料理番組が観たくて鑑定してるんじゃないんだぞ!

 

何か鑑定項目が増えると期待していたのに、無駄なコメントだけ増えた。

ス キ ル ポ イ ン ト 返 せ !


どこまでポンコツなんだこのスキル!



とにかく、薬効成分は高そうだし、魔力含有量も多い。

私の葉は、有用なようだ。そこは安心した。


独特な色と模様してるから、中毒性の毒があるかもと自分で思ってた。


 

さて、取り敢えずアリサも見てみようか。

 

 

鑑定対象:アリサ

 

取得情報「 アリサ(111)、魔力:30、可食性:不可(焼いたら香りだけ甘いかも)、錬成素材価値:有(含有魔石)、概要:蜂蜜大好きお調子者のフォレストフェアリー、スリーサイズは上からB19、W17、H24、体重:ヒ・ミ・ツ♡、実は甘党 」

 

ス リ ー サ イ ズ を バ ラ し ち ゃ 駄 目 だ ろ !

 

デリカシー無いな鑑定スキルさん!

 

そしてぺったんこなの公表された!

私が敢えて触れなかった地雷源にズバズバえぐり込むな!

 

あと体重のコメントに関してはイラッとする。

 

 

そしてアリサ、

 

年 齢 サ バ 読 ん で た !

 

111じゃないか!自称なら今年106歳のハズだったよね?

100歳超えたBBAに、その5歳の差って要るのかな!?

誤差範囲!


そして、毎度お馴染みの最後の小ネタ・・「実は甘党」

 

知 っ て る よ !

 

要らないからそういうボケ!

蜂蜜大好きって先に出てるじゃないか!

”実は”ってフレーズが自慢気で腹立つ。



これはステータスを見れるようになるのは、長くなりそうだ。

鑑定スキルが手強過ぎる!


 

もう一人、ザイン君も見てみた。

 


鑑定対象:ザイン


取得情報「 ザイン・ランクシャー(29)、魔力:8、可食性:可(食べたくない)、錬成素材価値:無(要らない)、概要:鬼人族、子供好き(ロリコン?)、興味がない、ムカつく 」

 

コメント短っ!

 

全 体 的 に や る 気 が な い !

 

鑑定結果にやる気が見られない!

鑑定対象でテンション変えるの止めてくれないかね!?

 

ロリコン扱いは酷くないか!?

孤児を助けたかっただけではないか!

 

それと、最後の個人的感情は何!?

ザイン君が何をしたのかな!?

 

何で鑑定スキルの癖に怒ってるんだ!?

 

 

スキルのクセに天気屋さんって駄目なんじゃないのかな?

普通はもっと、システマチックに、無機質に機械的に淡々と聞かれた事に答えるのが、スキルとしての務めで矜持だと思うのだが、私が間違っているのかな?


試しに、もう一度ザイン君を鑑定してみた。



鑑定対象:ザイン


取得情報「 ザイン・ランクシャー(29→訂正25)、魔力:8、可食性:可(手足を磔にしてメッタ刺しから腸を引き摺り出し、脳漿ぶちまけて最終的に爆破)、錬成素材価値:無(要らない)、概要:鬼人族、子供好き(ロリコン確定)、・・・。、生理的に無理 」

 

 

年 齢 間 違 っ て た ー !?

何この鑑定結果!?

訂正ってありなの!?そんな事あって良いの!?

 

テ キ ト ー か !

 

情報の信頼性がグラングランに揺らいでるのだけど!?

鑑定結果を疑わないといけないって、斬新過ぎて、もう嫌になってきたのだけど!

自分で調べた方がマシではないかね!?

 

あと、概要コメントも変えてきたー!

先ほどの訂正がマシに思えてきた。

そこをコロコロ変えたら駄目だろ!?

訂正する気さえ無い。

 

自 由 か !?


ロリコンは勝手に確定にしてるし、興味が失せてノーコメント


真 面 目 に 働 け ぇ ー !


最後の嫌悪感も如実に悪化してる!?

ザイン君!?君は鑑定スキルさんに何をしたのかね!?

 

それと、地味にお薦め調理法が酷い!

それ料理的な調理法じゃなくて、「コイツの命、どう調理してやろうか、ぐへへへ」の調理法!

最終的に爆破したら木っ端微塵になって、食えないよね!?

そう言う陰険な嫌がらせ、ここですること!?

 

調理しない!爆破もしない!

そもそも食べるとか、そういう発想すら無いから!

可食にしないで!

私はザイン君の膵臓なんて食べたくない!

 

 

もう少しマシな鑑定結果が見たい。

人物になると、途端に雑念が混じるって何なのだ?

 

鑑定の中の人の、人間が小さ過ぎて使えない!

 

 

取り敢えず、もっと無難な鑑定対象に切り替えてみた。

 

荷車を曳く、牛みたいな馬、馬みたいな牛、略して牛馬。

あれはどんな動物なのか、調べてみよう。

 

 

鑑定対象:牛馬

 

取得情報「 エイドリッヒ(18)、魔力:5、可食性:可(捨てる部位無し、ステーキは勿論、肉刺し、タンシチュー、テールスープと絶品!じゅる)、錬成素材価値:低(角、骨)、概要:牛馬族、じゅる。力が強く持久力があり人に慣れる為、亜人族と親和性が高い、大抵体力が衰える20年目で食肉となる為知られていないが、30年経つと自我を持つ、じゅる。草食、足は遅い、ロースはやや硬いが、タン、ハラミ、シマチョウ、イチボなど絶品。じゅる。だがやはりカルビを豪快に焼いてビールで流し込むのが鉄板、じゅる。 」

 

 

涎 が じ ゅ る じ ゅ る う る さ い な !


擬音を鑑定結果に織り込まないでくれないか!

 

そして、無駄にテンション高っっ!

ザイン君との差が激しい!

家畜の方が、ザイン君より扱いが数段上って・・。

 

調理法と、肉レビューの気合いの入り方にやや引きなのだが・・。

 

肉食系なの鑑定さん!?

 

最後のカルビのくだり、オッサンじゃないか!

 

 

家畜のクセに無駄に名前がカッコいいのだね。

30年で自我を持つって、そうなると食い辛いなぁ。

鑑定さんは、それでも「じゅる」って言ってるけど。

 

何でも食べるからなぁ、鑑定さん。

 

 

それから随行の護衛が持っている武器も調べてみた。

この世界の技術レベルの指標となるかもしれない。

 

私は魔法があるから使用しないが、魔力の低い亜人族は、武器で自衛戦力を補ってる事だろう。

どのような鑑定結果が出るのか気になった。

 

 

鑑定対象:鉈

 

取得情報「 鉄の鉈、武力:+4、可食性:不可(歯が立たなかった、悔しい)、錬成素材価値:中(金属錬成基本素材)、概要:片刃の農具兼武器、切れ味は鈍いので叩き切るように使用、キルレート3、肉を焼く鉄板としても使える 」

 

 

鉈、食おうとしたの!?

 

無理だって見て判らないのかな!?

 

バ カ な の 鑑 定 さ ん !?

 

最後の豆知識は、意外に感心した。

 

「錬成」に関しては気になるな。

確かにスキルツリーに載っているが、早急な必要性を感じていないので取得していないが、スキルポイントに余裕が出来たら試してみよう。

色々作り出せるのかもしれない。

 

 

「・・・。」

 

私は一通り鑑定Lv4を試して絶句した。

結果、鑑定Lv4もポンコツ度合いはLv3と大差が無かったからだ。

 

Lv3との違いは、

①調理方法のコメントが増えた

②錬成素材価値にもコメントが増えた

③概要コメントが少し充実した


これくらいか。

 

コメントが私的過ぎて使えないのに、コメントばかり増えた!

 

君のコメント要らないんだけど!

無駄に出張りたがるな鑑定スキルさん!

 

 

「何ひとりで漫才してるのよ・・。」

 

アリサが私の思念を拾ったようだ。

思念発声はしなかったのだが、強い思念はスキルレベルの高い者には聞こえてしまうようだ。

 

これは注意しなければ。

 

 

 

 

牛馬車はサスペンションが無く、道路も舗装されていないので、実に激しく揺れる。

私は三半規管というものすらないので、気持ち悪くはならないが、衝撃で葉が結構落ちてしまった。

 

数時間揺さぶられていると、森を抜け、なだらか丘陵が広がる草原地帯に入り、チラホラと家屋も見えた。

 

さて、もうすぐ町に着くようだ。

 

私の新しい生活が始まろうとしていた。

これにて第2章 完です。

次回からは、ランクシャーの町での日々が始まりますよ。

 

 

次回アップ予定:2020/6/1

第3章 私、妖木になります。

『私の名は ~ランクシャーの町での日々~』

お楽しみに~。ヽ( ̄∀ ̄)ノ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 樹人やみみん「鑑定の中の人って、スマホai的な何かなのかなぁ…… アリサさんってb……ゲフンゲフン」(げっアリサさんに切り株にされるぅww)
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