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僕のエピローグ いつだって、やられっぱなしだった

「キミの瞳が大好きなんだ」


 "あゆむ"は彼女を見上げて、呟いた。

 そう、見上げているのだ。なにせ自分は今、床に押し倒されているから。その上には今、彼女が跨っているから。そんな状況に歩はふと思った。


(結局この1年、"しろ"にはろくに勝てなかったな)


 もうじき、春が始まる。

 たった今自分を押し倒している彼女……白に告白された日から、そして告白し返したあの日からもう1年近く経っていた。

 

(なんかあの頃が懐かしいや。色々と変わったよね、僕たちは)


 当時ショートカットだった歩の髪はもう肩まで伸びている。着ている服だってあのときじゃ考えられないくらに可愛い物を選んでいる。白との関係性なんて、もはや言うまでもなくて……それでも。


(それでもなにも変わってないんだろうな。僕は何度もキミに押し倒されてきた。一目惚れしたあの日からやられっぱなしで。それに……)


 "彼女"は見上げたまま口にした。自分を見下ろしている最愛の"彼女"と向き合って。


「ここならキミの瞳を、そして本気を誰よりもはっきり見れる。僕だけの特等席だと思えば、押し倒されるのも悪くないよ」


 いつだって、自分が初恋を捧げた瞳は目の前にある。

 歩は特等席からの光景をしっかりと心に焼き付けて、それから瞳を静かに閉じた。


「だから今日は観念した。いいよ、好きにして」


 ――いつだって、やられっぱなしだった。

コンセプトはアレです、一言で言えば体当たり。全力でぶつかっていきます。

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