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魔眼の鍛冶屋   作者: レッド
第一章 北のダンジョン
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第1話 「逃げ出す客」

命をかけた職業「冒険者」を早々に引退した主人公。

彼が目指すのは平穏な日常、だがそう簡単に手に入るものでは無かった…


とある街の片隅にある鍛冶屋、そこの主人アルヴォアが来客を迎える。


「いらっしゃい」


どんな客が来たか確認しようと顔を出した瞬間


「ひぃっっ!?すいません間違えました!!?」


と悲鳴をあげながら逃げて行く若い冒険者の身なりをした客。


「はぁ…またか…」


そう、これが初めてではない。

だいたい8割はこの流れで、残り2割は…


「よう、また盛大に逃亡されたなーおい、ハハッ」

「うるさいわギルバード!そんなの言われなくても分かっておるわ!!」


ギロリと睨むと昔馴染みの冒険者ギルバードは笑いながら肩をすくめた。

こいつも昔は同じように逃げたものだが…


「だから言っただろうに…お前さんが店番じゃぁ客が逃げるぞって。ガチな意味で」

「いやな、俺もそんな事ぐらい分かっていたさ… 」

「ん?ならなんで店番雇わないんだ?お前さんなら昔稼いだ金まだまだあるだろうに?」


そう、俺は昔はこいつと同じ冒険者だった。

[とある事情]でソロでの活動をしていたが割と良い稼ぎをしていたのでまだまだ余裕はある。

だがいちばんの問題がなかなか解決せず困っているところだ。


「雇おうとしたさ、だがな面接になると…こうなんだ緊張してるのか…」

「お前まさか…眼…」

「面接するのに顔がよく見えないのはいかんだろう…店番するならそれなりの顔しててもらわないといかんしなぁ…」


そう、俺は視力が少し悪い

なので魔力で視力を強化しているのだが、その時に魔力の光が眼から少し見える。

その時の俺の顔は…


「お前…冒険者の強面見慣れた冒険者ギルドの受付がビビったのに、それを店番で応募して来た平民の娘さんに…」


そう、顔が怖いのにさらに眼が薄く光るガタイの良い元冒険者

それに加えて初めて持つ自分の店、こちらも緊張した面持ちで面談したのがいけなかった。


「普通の店番より良い給金出すって事で募集をかけたんだがなぁー、やはり面接始めて数秒で逃げられるか泣かれたわ…」

「あぁ…なるほどなぁ…分かるわその気持ち」

「そうか…分かってくれるか……」

「娘さん方もさぞ怖かっただろうに…クマみたいな奴が眼を光らせて威圧してくるとか泣くか逃げるしかないわな」

「そっちか!!?否定できん!!くそ!」

「お前さんの作る武器防具な品は良いが売れなきゃ意味ないぞ?さっき来た若い奴らも俺がここ教えて来たんだが…忠告したけども聞いてなかったか…」

「ん?忠告?」

「眼が光る魔物のような奴がいるが悪い奴じゃないってな」

「…お前、実はこの結果になることを楽しんでるだろう?」


こいつはそのうち〆よう、新規の客が幾人かこいつの紹介で来たので余り強く出られないのが辛いところだが


「それが嫌なら早く店番雇え、もう奴隷でいいじゃないか。この数ヶ月で分かっただろう?平民じゃお前さんの強面を耐えられないって」

「辛い現実だな…奴隷は高いからもう少し様子見してからのつもりだったがまぁ新規の客も幾人かついたし考えてみるか。」

「外見の割に慎重だよなお前…まだまだ冒険者現役でいけるはずなのに早期に引退しやがるし」


冒険者なぞいつ死んでもおかしくない職業なぞ続けられる訳もなく、目標の金が溜まった時点で引退した。

その後は冒険者の知り合いのツテを使ってのんびりと鍛冶屋で武器の販売、修理、研ぎで生計を立てるつもりだった。


「奴隷で計算できる奴とかいくらかかることやらなぁ、とりあえず見てくるか。さぁ客も逃げたし今日は閉店だ。」

「おぃ?客がここにもい「閉店だ」…おぅ」


とりあえず強面過ぎて逃げられる問題の解決が当面の目標のようです。

主人公の能力はまたそのうちに

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