四話 どこにでもチンピラはいる。
「主人忘れたとは言わさぬぞ。妾を何回も何回も倒しにきただろに。妾は主人になにかしたかのぅ?」
「何回も?え?もしかしてベルファローザか?」
「うむ、いかにも妾が真紅の魔女 ベルファローザじゃ。」
「けどお前全然姿が変わってるじゃないか?」
そんなものわかるはずがない。俺たちが倒してたのはもっとグラマラスなおねーさんだったのに今じゃ幼女だ。
「そうかのぅ、たしかに目線が下がった気はするがそんなことは些細なことじゃ。」
「些細なことねぇ、てか喋れるんだな。」
「うむ、ボスモンスターの地位となれば誰とて話せるわい。そんなことより妾に名を与えぬか。」
「そうだね。そのままだと長いから、ローザでどう?」
「うむ、気に入った妾のことはこれからはローザと呼ぶが良い。」
「いきなりだけどローザここどこかわかる?」
「妾も捕まえられてからいきなりここにきたからわからないのじゃ。」
そう、俺たちはどこかわからない街にいた。
とりあえず荷物は?と思いアイテムボックスを探す。そして、とあることに気づく、ゆっくりと自分の顔に手を当てる。」
「ない。」
「何がないのじゃ?」
「VRゴーグルがないんだよ。」
「最初からそんなものつけてなかったのじゃ。」
どう言うことだ???俺はあのドアを通る前はVRゴーグルをつけてたはずなんだ。VRゴーグルを外せないならどうやってゲームをやめればいいんだ?
意識と感覚がこの世界にある。元からこの世界に住んでいたかのように。
とりあえず今考えても意味がないので。元の世界に戻る方法は後から考えよう、ってか俺は別に戻らなくてもいいかな現実世界に。
俺の視界にはVRゴーグルをつけてるかのようにローザのレベルとHPゲージがわかる。
そして右下にアイテムボックスがあるだけだった。
ちなみにローザのレベルは1。そりゃそうだよね。
ラグクロにあった項目が色々と消えている。ペットゲージを開くところやコミュニティ欄を開くところなど多数消えていた。
消えてなかっていたのがHPゲージとアイテムボックスこの二つだった。
これは違うゲームってことなのか?
自分のステータスの見る欄も消えていたので自分のステータスもわからない。
とりあえずアイテムボックスを開く。予想通り何もない。ただ見たことのない印のコインが100枚持っているだけだった。
装備を確認するため、体のあちこちを触るが何も付いていない。
まじか、俺の装備が、、、俺の大量につぎ込んだ諭吉が、、、。
「まぁ考えてもわからないし、とりあえず街を歩くぞローザ。」
「御意なのじゃ。」
「おい、ねーちゃんその首飾り置いていきな、死にたくないだろ?」
「だめです。これはお父様からもらった大切なものなので、これは渡せません。」
「おい、命が欲しくないのか?あぁ。」
街を少し進んだところで、少女が絡まれているのが目に入る。
「おいローザ、行くぞ。」
「御意なのじゃ。」
「すみません、そこの強面のおにーさん、その彼女私の知り合いでして、放してやってくれませんか?」
「あぁんなんだテメー。」
こいつの頭上にもHPゲージが見えるただ名前は表示されてない。知ってる人しか表示されないのだろうか。
「まぁそんな、かっかしないでください。私は暴力が嫌いなんです。こういうのはどうでしょう。あなたはお金が欲しいだけですよね。私がこのコインを投げます。地面についた時に裏か表かあなたが当てられることができたら好きなだけあなたにお金を渡しましょう。」
「テメー本当だろうな払えなかったら。犯罪者奴隷でもいいってことだよな?」
ほう、この世界には奴隷もいるのか。
「いいよ。この城が書いてある方が表、書いてない方が裏です。さぁどっちにしますか?」
「表だ。」
「では私は裏ですね。」
俺はその言葉を放った後にコインを高くトスする。クルクルと弧を描きながら落ちてきたコインが示したのは。
「裏でしたね。さぁ彼女を放してあげてください。」
「こんなの信じられるかイカサマだー。」
その言葉とともに、強面のおにーさんが腰に差していた剣を抜き切り掛かってくる。
「おーい、こっちなのじゃ。こっちなのじゃ。」
「ちっ、あのクソガキ、
命拾いしたな。お前の顔はこの俺ロバート様がしっかり覚えたからな。」
強面のおにーさんはその場から走って逃げる。ちなみに頭上にはロバートLV.3となっている。
「ありがとうローザ助かったよ。」
「もっと妾を褒めるのじゃ。」
「お怪我はありませんか?」
「はい。」
少女は顔を真っ赤にさせて俯いている
「じゃあローザ行こうか。」
「御意なのじゃ。」
「あの、ちょっと待ってください。」
次回、街の探検そして、、、




