三話 諭吉を握りしめて俺は
「なぁ、あおたんとりま街いかなければいけないけどなにで行く?デスポ?」
そう俺たちは、今出たばかりのスマガチャを引くためにどう戻るか話し合っていた。
「うーん、俺デスまで時間かかるから転移石で行くわー。」
「了解、じゃあ先行ってるわー」
...たぬさんが戦闘不能になりました。俺の戦闘ログに流れる。さぁ俺も戻るか。
アイテムボックスを開き転移石を使用する。
「あおたん当たったかー?」
「いや、全然、3等ラッシュなうw」
「どまwwww」
そうおれは先ほど街に帰ってガチャを引いてから3諭吉は投資している。
このスマガチャは一回250ラグコインだから現金にして250円になる
「いやまじでこれあたんのか?たまには一回であたってもいいと思う。」
すると、、、いきなり目の前が暗黒に染まるそして
「おおあたりーおめでとう。」
暗黒の視界に一つの花火が咲いた。
「その花火の後に先ほどまでいた場所に視界が引き戻される。」
こんな演出用意していたんだな。案外運営仕事してんじゃんw
あおたんはスマガチャから特賞 真運のドアを手に入れました。
戦闘ログを見て気づく、
「え?特賞。たぬさん特賞でた。」
「え?まじ?投資は?効果は?」
俺はたぬさんの回答をするためにアイテムボックスから真運のドアの能力を見る。
「投資は4万2500ラグコイン。効果は、え?転移。だってw」
「投資40kかぁー。40kで転移?転移石あるのにそれ意味なくね?どこに転移できんの?街?」
「それがなにも書いてないんだよなぁー」
「なぁあおたんお前ワルチャになってるぞ。」
「おい聞いたか。今回の特賞あおたんさんが当てたらしいぞ。」
「え、あおたんさんおめー」
「あおたんさんって誰?」
「初心者さんですか?あおたんさんとたぬさんさんは二人であのベルファリーザを倒すっていう。このゲームの5本の指には入る最強プレイヤーだぞ。」
「そうなんですか。昨日始めたばかりなんですよー。」
ワールドチャットにこんな話がされていた。いやいや俺なんて諭吉の力だぞと思いながら。
「ありがとうございます。」
と一応お礼だけ入れておく
「たぬさんあと2諭吉なら回せるんだけど、ガチャるべき?」
「いや今当たったとこだし、とりまそのアイテム使ってみたら。」
「そうするよw」
俺はアイテムボックスを開き真運のドアを使用する。
すると目の前に禍々しいオーラを放ったドアが出現した。
「すげぇ色だなw」
黒色と赤色が混じったような色のドアのドアノブに俺は手をかけた。すると頭のなかに文字が浮かんでくる。
「このドアを手に入れた、運良き者よ。」
いや課金だから運もクソもないだろ、運って言うならせめてドロップにしろよ。というツッコミを心の中で思う。
「このドアの向こうは汝が見たことのない世界。そしてこのドアは一方通行、行くと戻って来れぬ。それでもあなたはこのドアを開き新しい世界に歩みを進めますか?進めるのならドアを開き歩みなさい。」
まぁゲームだし何とかなるだろう。最悪VRゴーグル外せばいいだけだしね。軽い気持ちでもう一度ドアノブを握る。
「それじゃたぬさん行ってくる。なんかごめんね一人しかいけないみたいだから。」
「おう、行ってらっしゃい。またなんかあったら報告しろよー。」
よし、ドアを通ったら一旦寝よ。もう深夜2時だしね。そう心に決めながらドアを開く一呼吸おき一歩踏み出す。
ドアの先は真っ暗だ。
そのなかに一歩二歩と踏み出すと。いきなり床が歪んみ沼のように足を飲み込んで行く感覚が襲う。いや感覚というか飲み込んで行っている。どう見ても膝下が床に埋まって行ってるのだ。そのまま俺は全て飲み込まれて行った。
「主人、主人、早く起きぬか。」
誰かに起こされるような感覚に陥った俺は重い目を開いた。そこには、
紫色のふわふわした長い髪の毛をなびかせたの12歳くらいの見た目幼女が俺を呼んでいた。
「お主が妾の主人か?まず妾に名を与えてほしいのじゃ」
.
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「あの?どちらさんですか?」
デスポとは
死んで街に戻る方法である。
基本的に死ぬのデスペナルディがつくためしないのがセオリーだが、たぬさんはレベルカンスト。デスペナルティは経験値が減るだけなので怖くないのだ。




