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脱皮

 ぷっはー!

 あー、何だ今の?急に身体全身に締め付けられるような痛みを感じたと思ったら視界が曇り硝子を通したみたいになるし、何事かと思ったよ。

 ん?何だ、足下に何かあるな。

 あれ、これ俺?背中割れてて中身空っぽだけど……。


「………マスター」

「ん?」


 その声に振り向くとリリィがいた。というか俺はどうやらリリィの手のひらの上にいるらしい。


「…………」

「あ、あの……?」


 無言で見られると怖いんですが!?

 俺が戦々恐々しているとはぁ、とため息を吐いた。


「良いです、もう。マスターはどうやら脱皮したようですよ?」


 脱皮?ああ、これ抜け殻なのか。


「でも何で急に?」

「さあ?通常、虫系のモンスターはレベルアップと同時に脱皮しますけど、マスターは今まで脱皮しませんでしたよね?」


 確かに。既に八回レベルアップしてたが一度だって脱皮したことはなかった。え、むしろするの?

 チラリとゴキ達とビックスパイダーを見ると頷くように身動ぎした。マジか、知らんかった。


「脱皮後は《瞬間硬化》でも持っていない限り防御力が著しく低下して危険ですから、基本的には隠れて行いますしね」


 ああ、そういや脱皮したてって軟らかいもんな。ロブスターなんか脱皮したてを揚げるとそのまま食えるんだっけ?

 俺の体もよく見ると何時も以上にぷにぷにしてそうだし。


「マスターは元々軟らかいですが今日は何時にまして軟らかいですね……」


 あの、無表情でぷにぷにしてくるのやめてくれませんかね?神経とか内蔵とか圧迫されてやな感じ。ハク、助けてくれ。


「あ、あの……私も触ってもよろしいでしょうか?」

「はい。あ、マスターは弱いのでそっとやらねばHPにダメージを与えてしまいますよ」

「気をつけます。では、失礼して……」

「ブルータス、お前もか!」

「ブル……?私はハクジョーシですが……」


 ハクも俺の身体をムニムニしてくる。ううむ、美少女のリリィと美女のハク。前世なら大喜びの光景なのに全く嬉しくない。


「……おや、堅くなってきましたね」

「ですね……」


 俺の身体が乾いてくるとションボリ落ち込む二人。いや、おれ悪くねーし。

 しかし改めて抜け殻を見ると俺、だいぶ大きくなったな。一回りどころかふた周りはおっきくなってんじゃね?前は普通の芋虫程度だったが今は大型のカブトムシの幼虫ぐらいある気がする。


「取り敢えず現ステータスを」

「おう……」


 ステねー。1上がるごとにチェックしてたけど俺だぜ?大して上がらないだろ。いっそ10上がる事に確認した方がいい気がする。


《魔蟲王 名前:シュヴァハ Lv10

HP 572/598

MP 470/470

CP 10512/10628

DP 1205

攻撃力:124

防御力:84

精神攻撃:151

精神防御:574

命中力:68

素早さ:5

運:1257


スキル

《ガチャ》 《ログインボーナス》 《創糸Lv3》

《操糸Lv2》 《残機Lv2》 《斬糸Lv1》

《寄生》


 ………………うん?

 おかしいな。何か、色々増えてるぞ?


「どうかしましたか、マスター?」

「いや、何か攻撃力とか防御力とかよく解らないのが増えてて………」

「?それは元々ついていたと思いますが?」

「え?」


 俺の言葉に不思議そうな顔をするハク。

 え、どゆこと?だって今までHPとMPとスキルぐらいしか表示されなかったよ?


「普通のステータス表記はそうです。が、魔蟲は基本的にHPとMPしかありません。文字通り芋虫並みの強さなので表記する必要がなかったのでしょう。しかしこれは……レベル1程度のモンスター並みの防御力ですね。今ならスライムに勝てるかも……」

「それでもかもなのね……でも、何で急にこんなステータスアップが?」

「そいつは僕から説明しよう!」

「───!!」


ドガアアァァァァアッッ!!


 俺達が首を傾げていると唐突に男の声が響き、同時にリリィが回し蹴りを放った。

 洞窟の壁が吹き飛びその向こうの地面も抉れ、木々も吹き飛んでいる。やりすぎじゃね?

 ん?何だ、リリィの足に変な模様が……。


「……っ」


 と、リリィの足を凝視しているとリリィの顔が不快そうに歪む。違うんです、別に足を見てたわけじゃ!いや、見てたけどね?

 でもあえて言おう!俺は足フェチではなくうなじフェチだ!

 と、馬鹿なことを考えているとリリィの体がフラッと倒れそうになる。


「リリィ!?」

「リリィ様!?」


 リリィの掌に乗る俺が支えるなんて出来るはずもなく、代わりにハクがリリィに向かって手を伸ばす。が、リリィを支えたのはハクではない。


「ははは。いきなり酷いな」


 中肉中背の体つき、黒髪黒目の胡散臭いイケメンだ。


「あんた、誰よ……」


 と、ハクが敵意を込めて睨む。とはいえソイツの腕の中にはリリィが居るので手が出せないでいた。


「うん。ボクは───」

「ッ!」

「え?」


 突然リリィが自分の身体に回された腕を掴みダンジョンコアとなった魔剣に向かって投げつける。


「いて!尻うった!」


 いたた、と尻を撫でる男の腹を踏みつけダンジョンコアである魔剣の柄に触れる。


「あ」


 と言う間にコアルームに転移した。


「なるほどねー。ここならCP関係なく本気を出せるわけか」


 本気?あ、そういやここに入ったモンスターとかはCP消費しないんだっけ。

 ならリリィの本気が漸くみれるのか?

 と、思ったがリリィは膝を突き息を荒くしていた。


「でもさー、主人から無理やりCP奪ったあげく全然足りないのに本気だそうとしたらそうなるよね~」

「───ッ!」


 リリィはギリィ、と忌々しげに歯軋りする。


「おい、何もんだてめー!?姐さんになにしてやがる!」

「ん?」


 と、そこへベートやアルカード達がやってくる。滝のような汗を流し膝をつくリリィを見て、笑みを浮かべている男を睨む。


「お前等、やめろ。俺の客だ」

「あ?」

「……客?」

「……………」


 リリィがジロリと俺を睨んできたが、仕方ないだろ。こいつ敵に回したって絶対良いことねーもん。


「直接会うのはもう二ヶ月にもなるか?久し振りだな、やっくん」


 だってこいつ、魔物やダンジョンを生み出した神様だぜ?

魔蟲王 名前:シュヴァハ Lv10 魔結晶4

HP 572/598

MP 470/470

CP 0/10628

DP 1205

攻撃力:124

防御力:84

精神攻撃:151

精神防御:574

命中力:68

素早さ:5

運:1257


スキル

《ガチャ》 《ログインボーナス》 《創糸Lv3》

《操糸Lv2》 《残機Lv2》 《斬糸Lv1》

《寄生》



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