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雑用頑張っ……やっぱ、楽をしたい

はい、どうもーくしゃみをしたら異世界。笑えない出来事を絶賛体験中の田中明人でーす。


現在の職業は冒険者兼、住み込みアルバイター。今日も元気に飲食店【ヒャクミ】で働いております。一応、職業に冒険者が入っているがペーパードライバー並みに不安要素しかない新米冒険者だ。しかし、冒険者ギルドという場所で登録したのには理由があった。ギルドから発行されるカードが身分証明書代わりなるからだ!晴れて身元不明から卒業したのはホント嬉しい。


あとは魔法を覚えてから本格的に冒険者デビューをしたいのだが……魔法はとある儀式を受けてから使用可能らしい。


店長のリヒャルトさん曰く、「魔法は10才から天の儀式を授かれるんだが、まだ受けてないのか?珍しいな?」


奥さんのクリスさん曰く、「魔法って万能ではないの。10才までに見て聞いて感じたモノを発現するのよ。儀式までに受けてきたモノが身になるの」


息子のミュラン曰く、「大体、皆が使える魔法は火と水と風くらいだろ。火種、コップ一杯の水の塊、そよ風、こういうのを生活魔法だな。そこからは想像と魔力を練って力強いモノにしたモノを魔法使いが使う攻撃魔法だ」


デュークさん曰く、「魔力が練れて想像力が豊かじゃないと攻撃魔法にならない。こればかりは得意不得意になるだろうな」


そして、第5警備隊隊員の魔法使いであるゼルトさん曰く、「まだ、儀式受けてないの?それなら受けないと不便でしょ?儀式は教会で出来ますから行きましょうか、僕と一緒に」



……あれ?ゼルトさんだけ魔法について語ってないぞ?


んな訳でゼルトさんとは次の休日に魔法を使えるための儀式を受けに行くことになった。何故、こんな流れになったのか解らんけどなー。いやー、ホント気付いたらこうなってたわ、気付いたら。


それでも魔法への期待値が高いから楽しみなんだけどね!!私も遂に魔法使いかー。



「アキト、皮むき終わったか?」


「あと少しです」


「終わったら俺のを手伝ってくれよ」


「分かりました」



魔法への期待感に胸を弾ませてながら、野菜の皮むきをしていたらミュランに声を掛けられた。


リヒャルトさんとクリスさんの息子のミュラン。若返る前の私と同い年である25才。黒い髪に青い目のフツメンだ。私と並ぶと髪の色のせいだろうか、時たま兄妹と間違われたりする。常連さんからは「兄ちゃんの言うことを良く聞くんだぞ」とか言われた。内心では同い年なので呼び捨てしてるけどね。


野菜の皮むきを終わらせてからミュランの所に行くと、丁度生活魔法を使っていた。地べたに置いてある器の前に座ったまま、生活魔法で水を満たしているようだ。



「水よ、満ちろ」



うわー、魔法じゃん。見れてラッキー。何も無い場所から水が現れる様はいつ見ても感動してしまう。



「皮むき、終わりました」


「水が器一杯になったら、この野菜洗おうな」


「そのあとは?」


「これの皮むきだ」


「了解っ」



得した気分で近寄るとこちらに気付いたミュランは生活魔法を使い続けながら次の指示を出してきた。


とりあえず、水が溜まるまでは暇そうだったのでミュランの魔法を眺めながら、ミュランとは対面になるように地べたに座った。魔法を眺めながらかごに入ったじゃが芋を一瞥いちべつしてはその多さに少しばかり嫌気が差した。


あ、そうだそうだ。言い忘れてたがここでの食べ物の呼び名はアチラとそう変わらないんだ。だから、食べ物関係で意思疎通のすれ違いが余りない。



「野菜多いですね」


「そうだな」


「こうも多いと腰に来そうですね」


「お前が来てからは少しばかり作業が早くなったから、前よりは楽になったんだぞ」


「そうですか……」



洗う時は尻を浮かさないといけないので自然と腰に来そうな体勢になるのだ。実に億劫おっくうである。ミュランが言うには私が来てから少し助かってるみたいな事を言ってくれたのは少しばかり嬉しかった。地味に役立っていて何よりだ。


それでも、私一生ここに居るつもり無いからなー。


当面の目標はここで落ち着ける場所を探す事だが、最終的な目標は元の世界に戻ることだ。アチラには私にとって大事なモノが沢山ある。帰ってやりたい事も有るし、両親に親孝行してないし、小遣い稼ぎもボチボチやりたいし、とにかく帰りたいんだよねー。


頭の中で帰ることを再度心に決めた私は野菜洗いに奮闘することにした。器一杯に水も満たされた事だしね。



「前までは母さんも一緒にしてたからな。本当良かったよ」


「あー、あの年じゃ腰とか色々辛そうですもんねー」


「そうだな。だから、その分、俺が頑張るつもりだ」


「…………」



ミュランがマジ良い人過ぎて辛いわ。同い年なのにもうこんなこと言ってんだよ?


………私?私もそこそこしてるけど、メンドクセーな気持ち全開ですが、何か?


ミュランの人となりに感動しつつも野菜洗いをする手は止めない。まだまだ沢山有るからね。泥汚れぐらい簡単に落とせねーかなー。ごしごしし過ぎてアライグマになれそうだわ。


芋系は固いから水の入った器に一気に入れて棒で掻き混ぜては大まかな汚れを落としていたんだけどなー……魔法で代用出来ないだろうか?代用出来なさそうなら棒でも良いわ。どうせ、大まかな汚れさえ落とせたら良いのだ。あとは皮むくだけだし。


…………となると、魔法は10才までに見て聞いて感じたモノ、つまり、経験してきた事象を発現させる。イメージと魔力で威力アップ。本人の受け取り方次第では攻撃魔法にレベルアップ……うーん、ミュランに試させてみようかなー……でも、その前に幾つか聞かないとな。



「……ミュランさん、川に入った事ありますか?」


「入ったこと、あるが、どうした?」


「このじゃが芋って大まかな汚れさえ落とせたら良いんですよね?」


「あぁ……本当にどうしたんだ?」



私の質問に頷きなかまらも脈絡の無い会話に心配そうな眼差しを向けてくるミュラン。ちょっと傷付くのでオブラートに包んで見てくれないかなー。もしくはこっち見んな。


地味に傷付きつつも芋洗いを魔法で出来ないか意見してみると、意外な事に食いついてきたのだ。というわけでレッツチャレンジ!!


水を入れます→水の流れを作ります→右回り→左回り。理想は洗濯機!!


水の生活魔法が水出すだけとかケチ臭いんだよ。川に入れば水の流れを大なり小なり感じ取れたはずだから水の中でベクトルを生み出せるはずだ。水の流れさえ操れたら後は楽なはず……だと思いたい。


ミュランにあーでもない、こーでも無いと教えている内に出来たので成功。魔法の定義がぼんやりと見えてきた事にニヤニヤしそうになったので我慢した。あー魔法早く使いたいなー。



「この魔法、器から手が離せないな」


「別に大量且つ、一気に洗うことが出来たから良くないですか?」


「片手が空いてるのが勿体ない気がするんだが……」


「体の一部に触れてたらいけそうですか?」


「指1本とかなら出来そうだが離すと微妙だ」


「なら足で直に触れてたらどうですかね?それなら、両手空きません?」


「っ!!それだっ!」



中腰座りから胡座あぐらをかいては靴を脱いで素足となったミュランは足先で器にそっと触れる。2人して器の中を覗き込むと……手で触れてた時と同様の魔法が発動していた。



「なった!」


「おーやったー」


「アキト、まな板1つと包丁2つ、あとゴミ入れも持ってこいっ。直ぐにくぞっ!」


「りょうかーいっ」



器の上にまな板と置いて皮を剥く気みたいだか、地べたに座ってるから濡れないように小さな椅子でも持っていくか。あとは追々やりやすいようにすれば良い。これで少しぐらいは暇な時間を捻出ねんしゅつ出来ると良いなー。


魔法が成功してラッキーという軽い気持ちだったが、ミュランからしたら衝撃の出来事と知らずに皮むきの準備をいそしむ私がいた。



更新速度は気分。自己満足はマイペースです。保身状態の時点で最早色々と危うい


誰視点か解らん。サブタイトルでどうにかしろって、友人にほっぺた突かれた。痛いので加筆修正します。

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