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Episode:03

「わりぃ、ちょっと行ってくるわ」

「いや待て、ルーちゃんのことなら僕も行くから」

 なんかなし崩しに、こいつらもついてくる。

 近づくとすぐ気配に気づいて、ルーフェイアのヤツが振り向いた。


「お前ら、なにやってんだ?」

「あー、イマド? それがさ、ルーフェったら海、ヤなんだって」

「え? なんでだ?」

 けど、こいつの足元を見て気づく。まさかっては思うけど……。


「それがさ、ルーフェイア、泳げないって」

「あー、やっぱそうか。いまコイツの足元見て思った」

 ルーフェイアのヤツは、みんなに知られたくなかったんだろう。バツの悪そうな、泣き出しそうな顔だ。

 けどホントのこと言うと、俺も信じらんなかった。バトルとなれば上級生顔負けのくせに、泳げねぇってのは意外すぎる。


「あたし……海軍じゃなかったし……」

「いやそれカンケーねーだろ」

「いやぁ、でもいいんじゃないか? ルーちゃんに意外な弱点! いいなぁ、うん」

 ヴィオレイのヤツ、ぜんっぜんフォローになってねぇし。


「――あのさ、ルーフェよけい落ち込んでない?」

「わわ、ルーちゃんゴメン!」

 突っ込まれて、ヴィオレイが慌てて謝る。

 でもよく考えてみりゃ、ありうる話だった。ルーフェイアのヤツは戦場育ちだ。のんびり泳ぎを習う暇なんて、ありゃしなかったんだろう。


 当人はみんなにいろいろ言われて、かなり落ちこんでるっぽい。このまま放っとくとたぶん、また泣くだろう。

 こいつの泣き虫は筋金入りだ。一回泣き出したら、しばらくは泣きやまねぇし。


「おまえ、水には浮けんのか?」

 とりあえず助け舟、出してみる。

「そのくらいだったら……」

 どうにか間に合ったみたいでルーフェイアのヤツ、泣かねぇうちに顔を上げた。


「そしたら、俺が教えてやるよ。シーモア、俺ら置いてっていいぜ?」

「わかった、すまないね」

「そしたらあとでね〜♪」

 シーモア、ナティエス、ミルの3人が、きゃぁきゃぁ騒ぎながら海へ入っていった。


「なんか……ごめん」

「ルーちゃん、気にしなくていいから! 僕たちも教えてあげるよ」

 行く気満々のヴィオレイの頭を、アーマルのヤツがぶん殴る。




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