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Episode:22

「ミル、てめぇなに考えてるんだよっ!」

「だって、撃ったらそうだったんだもん★」

 と、ごつん、と景気のいい音がした。


「あ〜、もう、いったいなぁ! せっかく撃ったのにひどい〜!!」

「弾確認しないで撃つ方が、どうかしてるんじゃないのかい?」

 いつのまにか傍へ来ていたシーモアが、ミルの頭を殴りつけたらしい。


「いいもん、もうやんないから!」

「二度とやるんじゃないよ!」

 非常時だってのに、まるで漫才だ。けど幸い、海竜は暴れるのに必死で、ルーフェイアたちを襲うの忘れてやがる。

 今のうちに足止めしておけば……。


「アーマル、お前いつもの武器、持ってきてっか?」

 後ろへ来ていたダチの一人に、声をかける。

「サブのヤツなら」

「じゃぁ悪りぃ、ちょっと手伝ってくれ。氷矢あるか?」

 俺が使う武器は、どれも射程が短くて、こういう状況だと行動が限られちまう。けどアーマルが使っているクロスボウ系は、かなりのロングレンジだ。


「さすがに氷矢は、持ってきてないな」

「んじゃ空っぽのヤツ」

「ほいよ」

 ダチがひとまとめ、俺に矢を渡す。鏃が空の魔力石で出来たやつだ。

 それを手にとって、魔力を込める。何でか知らねぇけど、俺は昔っから、魔方陣とかナシでこれが出来た。


 海竜の方は相変わらず、すげぇ勢いで暴れてる。

――ったく、ミルのヤツ、どうしようもねぇな。

 毎度のことながら、あいつが絡むとなんだって、こうも事態がややこしくなるんだか。


「おし、これ頼むわ」

「オッケー」

 今までいっしょにやってきたダチだ。何も言わなくても、何をどうするかなんて通じる。

 立て続けに矢が放たれた。


「よっしゃ、全部いったぜ」

「さんきゅ」

 礼言って、俺は集中する。


――行け。

 手応えがあった。

 石に込めておいた魔法が、発動する。

 込めておいた魔法は氷系だ。だから海竜の身体を中心に、氷が浮かび始める。


 もっとも俺の魔力じゃ、どうやったって全面凍結ってワケにはいかない。

 けど、あいつなら。

 そういう確信が、俺の中にあった。





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