Episode:02
◇Imad
「や〜っともどってきたか」
海からあがった俺に、悪友たちが声をかけてきた。
「わりぃ。久しぶりだから、ちと夢中になってた」
「いいっていいって」
こいつらもいい加減、夏の俺の行動パターンは飲み込んでるっぽい。
「ホントお前、泳ぎは上手いよな〜」
「まぁな」
つか俺、泳ぐのだけは自信ある。今年も一夏泳ぎ込んで、タイム上げるつもりだった。
よく晴れただけあって、日差しがキツい。突き刺さる感じだ。
でも去年はこの日、エラく寒くてみんなでひどい目に遭ったから、それを思えばかなりマシだろう。あの時俺は平気だったけど、クラスはほぼ全滅したし。
どっちにしても明日からは、思う存分泳げるってやつだ。その意味じゃ今日は、俺が一年でいちばん楽しみにしてる日だった。
ルーフェイアのヤツは、海開きの意味が分からなかったらしくて、ひたすら怪訝そうな顔をしてたけど。
あいつに言わせると「そこにあるのに、どうして自由に泳げないのか」ってことらしい。
「おーい、飲むか? こっち来いよ」
「あ、いま行く」
あいつら、いつの間にか日陰を陣取ってやがる。俺も連中の隣へ行って、腰を下ろした。
「しっかしよかったよな〜、晴れて。去年はヒサンだったじゃねぇか」
「っていうか、あれで海に入れって方がムチャだよ」
「お前ら見てねぇだろうけど、去年のムアカ先生、すごかったぞ。怒りまくってたかんな」
「あー、なんかわかる」
ついこの話になるのはしょうがない。去年はともかくヒドかった。んでその分、今年はみんな、浮かれまくってる。
――そいえばこの話、ルーフェイアのヤツ知らねぇな。
あいつは今日は、シーモアたちといっしょなはずだ。
「おーい、イマドー?」
「ん?」
アーマルに呼ばれて、はっとわれに返る。
「また、ぼーっとしてさ。ルーちゃんのことだろ」
「イマド、保護者だもんな」
「よく分かってんじゃねぇか」
この一言で、2人が黙った。
――けっこうこいつら、わかりやすいよな。
まぁどっちにしてもルーフェイアのヤツは、バトル以外は信じらんねぇほど非常識で、あぶなっかしいことこの上なしだ。見てねぇと何すっか分かんねぇ雰囲気がある。
と、当のルーフェイアを見つけた。
なんかいつものメンバーに囲まれてっけど、どういうわけか下向いて、なんかヤバげな雰囲気だ。