二つの危機
ひよ子視点
久遠様を逃がすため、金ヶ崎にて殿を務めたお頭率いる私達剣丞隊
そして現れた鬼を撃破して安心していたら長尾景虎に人質にされ、越後に連れていかれてしまう。
だけども越後で景虎さんの姉が謀反を起こし、春日山城に人質をさらって隠すなかお頭は人質救出の協力を約束
そしてころちゃんの見事すぎる変装により人質が捕らわれているとされる部屋の前にたどり着き、お頭が襖を開いた瞬間!
ヒュンッ!!
剣丞「へっ? 」
お頭目掛けて小刀が繰り出され
ガッ!!
小刀はお頭の顔に命中してしまいました。
転子「そんな!? 」
ひよ子「お頭!? 」
そんなまさか!?
ごめんなさいお頭!
実は私、お頭が胸の大きな人や美女になったころちゃんにデレーッとしているのを見て、つい、お頭なんて痛い目に遭っちゃえばいいんだと思っちゃいましたけどまさか本当に痛い目に遭っちゃうだなんて!?
サッ!
お頭を心配した私ところちゃんがお頭に近寄ると
剣丞「ひ…ひりひりしぇーふ(ギ…ギリギリセーフ)!? 」
バァンッ!!
何とお頭は口で小刀を受け止めていました。
格好悪いけどお頭が無事でよかったです。
すると
?「ちっ!仕留め損なったです! 」
部屋の中から誰かの声が聞こえてきました。
きっとお頭に小刀を投げつけた人物でしょう。
愛菜「こうなっては空様一の家臣として愛菜の名が汚れてしまう。こうなれば死ぬ気で攻めて… 」
部屋の中には女の子がいました。
剣丞「あのぅ、君ってもしかして空ちゃん? 」
愛菜「何を申してやがるですか!!我が名は樋口愛菜兼続!空様一の家臣にして越後きっての義侠人ですぞ!どやっ!! 」
義侠人。それは正義を重んじる人だそうです。
愛菜「しかしついに空様を殺しに来やがりましたね!こうなったら相討ち覚悟で… 」
剣丞「俺達は刺客じゃないからさ!! 」
誤解を解くのは時間がかかりそうです。
すると
くいっ!!
空「愛菜、だめ… 」
何やら大人しそうな女の子が止めに入ってくれました。
聞いた容姿からして…
愛菜「空様は優しすぎです!我々と仲良くなって隙ができたところをあんなことやこんなことをするに違いないです!! 」
剣丞「そんなことしないから!! 」
やはり空様でしたか
そして私達が色々と騒いでしまったためか
ドドドッ…
転子「お頭、大勢の足音が聞こえています! 」
剣丞「しまった!?潜入がバレたか!? 」
そりゃあれだけ騒いでバレない方が不思議なくらいですよ
剣丞「いつまでもこんなとこにいられない!!ひよ!ころ! 」
ひよ子・転子『承知! 』
バッ!
ガシッ!!
愛菜「何しやがるですか! 」
ころちゃんは変装を解き、私は愛菜さんを担ぐと
剣丞「撤退だ! 」
ダッ!
空様を担いだお頭を先頭にして私達は逃げました。
家来達『くせ者!待てーっ!! 』
しかし、そうたやすく私達を逃がすまいと春日山城の家来達が追いかけてきます。
ひよ子「お頭、そういえば小波ちゃんはどうしました? 」
剣丞「あっ!?忘れてた 」
お頭、酷いです
剣丞「さっきから連絡してるんだけど全然応答がないんだよ!? 」
一体小波ちゃんはどうしたのでしょう!?
そして私達は無事に逃げられるのでしょうか!?
小波視点
ご主人様からの命で先程まで春日山城の様子を伝えていた自分でしたが、何やら城の外の方で嫌な気配を察知し、任務を放棄してそちらの方に向かいました。
ですがそれでよかったのかもしれません
小波「な…何故奴らが!? 」
自分の目の前にいる嫌な気配、それは…
バァンッ!!
石山本願寺だったからです。
連絡が来ると見つかる可能性が高いため、とにかく一時的に自分はお守り袋の受信を切っています。
小波「石山本願寺、奴らは何故ここに…!? 」




