久遠、絶体絶命!?
久遠視点
久遠「はぁはぁっ!? 」
まさか本当に剣丞が言ったように藤治の正体が鬼だったなんて!?
茨木童子「秘密を知られたからには生かしてはおけません！ 」
スッ！
藤治の正体である茨木童子が構えると
茨木童子「金棒よ、来なさい！ 」
ゴゴゴッ…!!
茨木童子は謎の空間から西洋剣を出現させた。
茨木童子「これが私の金棒です。朱天童子のような力はありませんが 」
スパンッ!!
茨木童子は西洋剣を軽く振るうと
ズズズッ…!!
茨木童子「朱天童子にはない速さが私にはあるんですよ 」
軽く振るっただけで壁が切れてしまった!?
茨木童子「安心なさい。あなたを殺した後、新田剣丞もすぐに殺してあげますから！ 」
シュッ！
茨木童子は我目掛けて西洋剣を振るってきた。
久遠「これまでか!? 」
刀を部屋に置き忘れた我に反撃することはできず、このまま茨木童子に殺されそうになったその時！
シュバッ!!
ガキィンッ!!
エーリカ「御無事でしたか久遠様!? 」
久遠「エーリカ!? 」
突然エーリカが我の前に現れ、茨木童子の一撃を防いだ！
しかもエーリカだけではない
結菜「どうやら無事だったようね!? 」
結菜までいた。
久遠「お前達、何故ここに!? 」
そういえば我がこんな目に遭っているのに何故皆が来ないのだ？
茨木童子「化神さん！何故この場に信長以外のものがいるのです！ 」
化神居士「申し訳ありません。確かに援軍が来ないように結界を張りましたが、どうやらこの二人は信長の近くにいたようでございます。それにより私の術が効かなかったようです 」
成程な
エーリカ「よかったですよ。何やら久遠様に危機が迫っていると感じた私が向かうと結菜様と遭遇したわけです！ 」
結菜「結果的によかったわけだけどね 」
助かったぞ二人とも！
エーリカ「御二方、鬼の相手は私がしますからその間に早くお逃げください 」
エーリカが鬼の足止めを申し出ると
久遠「すまないエーリカ！ 」
結菜「頼むわよ！ 」
ダッ!!
我と結菜はエーリカに任せて先を急いだ。
だが
茨木童子「化神さん、あなたは二人を追ってください。この人の相手は私がしますので 」
化神居士「わかりました 」
ダッ!!
あちらもエーリカの相手を茨木童子に任せて化神居士が我らを追ってきたのだった。
そして残ったエーリカと茨木童子は
茨木童子「さて、あなたも新田剣丞と同じく鬼を切ることができるようですが、それだけで私の相手ができるとでも思っているのですか？ 」
エーリカ「たとえ私が倒されるとわかっていても、二人が逃げる時間くらいは稼いでみせます！ 」
キンッ!!
残された二人の戦いが始まったようだ。
死ぬなよエーリカ!?
結菜視点
結菜「急ぐわよ久遠!? 」
久遠「あぁっ!? 」
私と久遠は迫り来る化神居士という奴から必死で逃げていた。
結菜「こうなったら危険だけど城から出るわよ！城の外に出ればいくらなんでもみんなだって気付くだろうし 」
久遠「そうだな!? 」
スッ…
そう思った私と久遠は庭に出ようとしたけれど
ガキンッ!!
結菜「きゃっ!? 」
久遠「結菜!? 」
見えない壁のようなものに弾かれてしまった。
化神居士「忘れたのか！この城には私が結界を張っていることを！ 」
そうだったわね!?
スッ！
化神居士「諦めて観念することだな 」
私達に迫る化神居士
このまま逃げ続けるわけにもいかないし
こうなったら…
結菜「久遠、あなただけでも逃げなさい！ 」
ダッ!!
久遠「ゆ…結菜!? 」
結菜「ハァッ!! 」
私は得物の懐刀である真虫立波を抜いて化神居士に迫った。
化神居士「愚か者め、接近戦ならば勝てるとでも思ったのか！ 」
だけど奴は
シュッ！
キンッ!!
結菜「なっ!? 」
奴は足で私の真虫立波を弾いてしまった。
そして
化神居士「ハァッ!! 」
ドカァッ!!
結菜「きゃぁっ!? 」
ドサッ!!
久遠「結菜!? 」
奴は私に蹴りを食らわした。
化神居士「生憎私は足技にかけては自信があってな、貴様ごときの実力ならば手を使わずに倒せるのだよ 」
く…くそっ!?
私が悔しがっていると
ドサッ!!
私達の隣に何かが投げ出された。
それは…
久遠「え…エーリカ!? 」
バァンッ!!
ボロボロにされたエーリカだった。
すると
茨木童子「やれやれ、人間にしてはなかなかの実力者でしたよ 」
この場に茨木童子も現れ、私達は絶体絶命の窮地に陥ってしまった。
茨木童子「さぁ信長、楽に殺してあげましょう。それともこう呼んだ方がいいですかね？ 」
茨木童子「久遠様！ 」
あいつ、久遠の通称を!?
通称は剣丞でいうところの真名に値するもの
それをあんな奴に言われるだなんて
茨木童子「さぁ久遠様、恨むなら私の策略にかかったあなた自身を恨みなさいな!! 」
シュッ！
茨木童子の西洋剣が久遠に迫る!?
その時！
久遠「け…剣丞ーっ!! 」
久遠が剣丞の名前を叫んだ。
するとその時！
スパンッ!!
壁に切り傷がつけられた直後
バカァンッ!!
壁が破壊され
剣丞「呼んだか久遠？ 」
バァンッ!!
剣丞が現れたのだった。
