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茨木童子の策略、さらば新田剣丞

藤治視点


私の名前は茨城藤治(いばらき・とうじ)


先にこの世界に来ていた新田剣丞さんと同じく天の国と呼ばれる現代からやって来ました。


…というのは仮の姿


本当の私は五鬼の一人で名を茨木童子と申します。


さてさて、そろそろ私なりに新田剣丞を苦しめましょうかね


剣丞「おい藤治、お前何を一人でぶつくさ言ってるんだ? 」


藤治「えっ!?やだなぁ、ちょっとした独り言ですよ!? 」


剣丞「そうか、まぁ俺もそんな時があるからな 」


新田剣丞、呑気でいられるのも今日限りです。


藤治「そういえば久遠様にこれを持っていってくれって頼まれたんですけど、生憎(あいにく)私は急用ができまして、すみませんが代わりに届けてきてくれませんか? 」


剣丞「おう、別に暇だから構わないぜ 」


スッ!


そして私の前から新田剣丞が去ると


藤治「さぁ、作戦開始ですよ化神さん 」


化神居士「御意! 」


ぶわぁんっ


私の命によって化神さんが現れました。


いよいよ作戦開始です。




剣丞視点


藤治から頼まれごとを引き受けた俺だが


剣丞「しかし随分軽い荷物だな、中身は何だろ?ちょっと見ちゃえ♪ 」


バサッ!!


届け物をするんだから見る権利くらいはあるよな


俺は藤治から渡された包みを開くと


剣丞「ありゃっ?何にもないぞ!? 」


包みの中身は空であった。


剣丞「さては藤治の奴、中身を入れ忘れやがったな、あいつって意外とうっかりしているとこがあるし、折角だから空だって教えてやろっと 」


スッ!


俺は親切心で来た道を戻り、藤治に中身が空であると教えようとした。


そして藤治のところに戻り


剣丞「おい藤治… 」


藤治の姿を見つけ、伝えようとしたその時


藤治「作戦はバッチリですか? 」


化神居士「えぇ、もちろんです 」


バァンッ!!


俺の目に藤治と化神居士が話しているのが映った。


剣丞「何で藤治が!? 」


サッ!


気になった俺はこっそり二人の様子を見てみると


化神居士「それにしても織田の奴らも馬鹿ばかりですね。実は藤治が敵方である鬼とも知らずに仲間に率いれるだなんて 」


藤治「馬鹿な奴らほど作戦に引っ掛かりやすいというわけですよ 」


藤治が鬼だって!?


藤治「いいですね化神さん。私とあなたが繋がっているということを織田の奴らに気づかれてはいけませんよ 」


化神居士「わかっていますとも、それではまた後程に 」


シュッ!


そして化神居士が去ると


藤治「さて、また馬鹿な織田家をからかってやるとするか 」


藤治が動こうとするが


剣丞「おい藤治 」


バンッ!!


そんな藤治の前に俺は現れた。


藤治「け…剣丞さん!? 」


剣丞「さっきの会話を聞いてたぜ、いまの話は本当なのか?お前は俺達を騙していたのかよ!? 」


どうしても信じられなかった俺は藤治を問い詰めてみると


藤治「まさか見られていただなんてね、私としては不覚でしたよ 」


えっ!?


藤治がそう言った直後


ジャキンッ!!


藤治の姿が鬼へと変化した。


茨木童子「藤治というのは仮の名、私の名前は茨木童子!あなたが傷つけた朱天童子の仲間のようなものです 」


剣丞「何だって!? 」


あの朱天童子に仲間がいたのかよ!?


茨木童子「敵討ちは私の性に合わないのですが、私達の野望のためには新田剣丞、あなたが邪魔ですのでこの場で殺させてもらいます! 」


シュッ!


剣丞「うわぁっ!? 」


藤治もとい茨木童子は俺目掛けて刀を繰り出してきた。


まさか藤治が敵だったというショックに驚く俺だが、このまま黙っているわけにはいかず


剣丞「ハァッ!! 」


バッ!!


茨木童子目掛けて突っ込んでいった。


キンキンッ!!


茨木童子「それがあなたの実力ですか?これが朱天童子を倒した力ですか? 」


くっ!?


こいつ、朱天童子の仲間なだけあって中々の実力だ


魂合共鳴しないとちょっとヤバイかもな!?


茨木童子「どうやらあなたは何かを失わないと真の力が発揮されないタイプのようですね。わかりましたこうしましょう 」


何する鬼だ?


茨木童子「私はあなたを倒した後、久遠を殺しにいきます! 」


何だって!?


茨木童子「あの女はあなたにとって大事な人物。その人物をあなたは守ることすらできないのですよ 」


この野郎!!


茨木童子「安心してください。あなたと久遠の死体は仲良く並べてあげますから、死後も仲良くあの世に行ってくださいな 」


その言葉を聞いた俺は


ブチィンッ!!


剣丞「テメェ!!絶対許さねぇ!! 」


ゴォッ!!


気を全開にして出すと


剣丞「おらおらっ!! 」


キンキンッ!!


茨木童子「うおっ!? 」


茨木童子を追い詰めていき


茨木童子「うわぁっ!? 」


ドシャッ!!


茨木童子を倒した。


その隙を見逃す俺ではなく


剣丞「テメェ!!ぶっ殺してやる!! 」


ブォンッ!!


茨木童子目掛けて刀を降り下ろした。


これで終わりだ!!


…と思ったその時だった!


久遠「やめぬか剣丞! 」


ビィンッ!!


剣丞「く…久遠!? 」


突然俺の耳に久遠の叫び声が聞こえてきた。


よく見ると久遠の他に俺以外のみんなが勢揃いしていた。


久遠「このたわけ者!!藤治に何をしているか!! 」


えっ?


剣丞「何を言ってるんだ!?こいつは藤治じゃなくて、いばらき… 」


と、俺が茨木童子を見てみると


藤治「うぅっ…!? 」


剣丞「なっ!? 」


いつの間にか茨木童子の姿が藤治に変わっていた。


すると


藤治「うわあぁんっ!!久遠様、剣丞さんったらひどいんですよ!『天の御遣いは俺一人で十分だ。お前がいると目障りなんだよ!! 』っていきなり斬りかかってきたんですよ!? 」


何だと!?


剣丞「待て久遠!こいつの言っていることは全部でたらめだ!!こいつの正体は茨木童子っていう鬼なんだよ!! 」


俺は久遠に訴えるが


久遠「見苦しいぞ剣丞!お前は藤治相手に殺してやると叫んでいたではないか!!これ以上の証拠がどこにあるというのだ! 」


久遠は信じてくれない


剣丞「何で藤治なんか信じるんだよ!嘘ついてるのはそっちなんだってば!! 」


久遠「まだ言うか剣丞!どうしてそこまで藤治が鬼だと言い張るのだ!! 」


くそっ!!久遠はダメだ!


剣丞「みんなはわかってくれるだろ! 」


俺はみんなに聞いてみるが


ひよ子「お頭、私達はどんなことがあってもお頭についていきたいと思ってますが 」


転子「人を責めるだなんて最低です 」


壬月「見損なったぞ儒子! 」


麦穂「剣丞様… 」


結菜「何を考えてるのよ 」


エーリカ「… 」


みんなも信じてくれそうにない


俺ってそんなに信用ないの!?


久遠「剣丞、今なら藤治に謝れば許してやる。さっさと謝れ! 」


だが俺はそんなこと聞けるわけがなく


剣丞「何でみんな俺を信じてくれないんだよ!!悪いのは藤治… 」


バチィンッ!!


気付いた時、俺は久遠の平手を食らっていた。


久遠「剣丞、貴様に命じる。今すぐ城を出ろ!貴様は追放だ! 」


それを聞いた俺は


剣丞「わかったよ。そんなに言うならとっとと出ていってやるよ!! 」


ダッ!


城を出ていった。


藤治「フフフッ… 」




藤治視点


久遠達が去った後


エーリカ「さすがですね茨木童子様 」


藤治「エーリカさんですか 」


我々の協力者であるエーリカさんが残りました。


藤治「人間というものは普段から信じている人物に裏切られるというのが一番ショックを感じるもの、私はそれを見るのが楽しみなのですよ 」


そのために今回の計画を考えたのですよ


藤治「新田剣丞にとって信じられる織田家の皆さんに裏切られるというのが一番ショックだったようです 」


これで織田家は終わりです。


ジャキンッ!!


茨木童子「新田剣丞のいない織田家を滅ぼすなんて赤子の手を捻るより簡単なことですからねぇ 」


さぁ、これで織田家を攻めやすくなりましたよ


オリキャラ紹介


茨城藤治(いばらき・とうじ)


金髪ロングで眼鏡をかけた男。天の国から突然やって来た。大人しい性格で刀に気を流して鬼を切り裂くこともできる。その正体は五鬼の一人の茨木童子

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