火縄銃の弾?
剣丞視点
うぅっ…!?
?「大丈夫ですか? 」
すぐ近くで女の子の声が聞こえる
一体俺に何が起きたんだ?
パッ!
俺は閉じていた目を開くと
詩乃「気がついてよかったです 」
バンッ!!
俺の近くで聞こえてきた声の主は竹中半兵衛さんであった。
剣丞「よかった。無事で… 」
俺は竹中さんを抱き締めようとするが
ギュゥッ!!
剣丞「なっ!? 」
俺の両腕は縛られていたため抱き締めることができなかった。
一体何が起きたんだ!?
と、俺が思い出していると
飛騨「ようやく目覚めたようだな 」
スッ!
俺の目の前に別の女の子が現れた。
あれっ?そういえば俺はこの子に見覚えが…
飛騨「ったく馬鹿な奴もいたもんだ。助太刀に来たというのに捕らえられるだなんてね 」
俺はその言葉で全てを思い出した。
そう、俺は目の前にいる斎藤飛騨から逃げている竹中半兵衛を助けてあげようと現れた。
そこまではよかったのだが、俺は刀を光らせて撃退しようと考えるも刀は全く光らず、こうして俺は囚われの身となったのだった。
飛騨「言っておくがここはさっきの場所から少し離れた洞穴だ。外には見張りもいるから助けが来ることは期待しないことだな 」
くそっ!!あの時、刀が光らなくても実力なら負けなかったはずなのに!
こんなとこを義姉さん達に見られたら
『鍛練が足らないな!更に鍛練を増やしましょう』
とか言われるだろうな
俺は自分の行いを深く反省するのだった。
するとその時
飛騨「龍興様、ようこそでございます 」
ひよ達が食い止めていた斎藤龍興が現れたらしい
龍興「うむ、天の御遣いと呼ばれる織田軍の新田剣丞と裏切者の詩乃を捕らえたか、よくやったぞ飛騨! 」
飛騨「龍興様にそう言われるだなんて私は感激でございます 」
こいつが斎藤龍興か
何だか見た目からして性格的に麗羽姉さんみたいな奴だな
龍興「ったく!邪魔する奴らがいたせいで安藤達を逃がしてしまった 」
詩乃「えっ!? 」
安藤さん達が無事だと知って喜ぶ半兵衛さん
よかったね
龍興「だが詩乃と新田剣丞を捕らえたのだから素直に喜ぶとしよう 」
俺的にはちょっと良くないかも!?
龍興「さて詩乃よ、お前の答えは飛騨から聞いた。私に歯向かったお前を生かしておくわけにはいかない。だが私の元で長くその天才的な頭脳を発揮してくれた礼として 」
スッ!
龍興「お前に自決か成敗かを選ばせてやろう 」
そう言って半兵衛さんに小刀を差し出す龍興
ふざけるな!!そんな選択肢があるもんか!!
龍興「大事なことだから最初に言っておこう。お前が自決すれば新田剣丞の命だけは助けてやることを考えてもいい 」
詩乃「えっ!? 」
剣丞「ふざけるな!!お前、人の命をなんだと… 」
半兵衛さんが自決すれば俺は助かる。
だがそんな選択を俺が望むはずがなかった。
それにこんな悪党が約束を守るはずがない!
そんなことは天才軍師である半兵衛さんならわかっているのだが
詩乃「わかりました龍興様 」
スッ!
半兵衛さんは小刀を受け取ると自分の喉元に小刀を突きつけた。
剣丞「ちょっと!?待って!?早まらないで!? 」
詩乃「私の巻き沿いを食らってしまったあなたを助けるにはこうするしかありません 」
こんな悪党が約束なんて守るはずがない!
スッ…
そして半兵衛さんが小刀を喉元に突き刺そうとしたその時!
ブシュンッ!!
小刀が突き刺さり、血が流れた。
詩乃「えっ!? 」
バァンッ!!
剣丞「か…間一髪だな!? 」
半兵衛さんを守るために動いた俺の右肩に
詩乃「そんな!?どうして見ず知らずのあなたが私のために!? 」
剣丞「どうしてだろうね?女の子の危機には体が勝手に動いちゃうんだよ。義姉さん達は一刀伯父さん譲りって言うけどね 」
一刀伯父さんも女の子を救うためには自身の命を捨てるような人だしね
龍興「ブフッ!!馬鹿な奴め!なかなかいい演劇だったよ! 」
俺達を笑う龍興
その言葉に対して俺は
剣丞「斎藤龍興、あんたって最低な女だな 」
龍興「あんっ!! 」
龍興を挑発した。
剣丞「あんたに比べたら麗羽姉さんの方が百倍マシだね。それは断言できるよ 」
たぶん読者もそう思うだろうよ
龍興「ぐぬぬっ!!何だかわからぬがこの私を馬鹿にしおって!!飛騨、こいつを殺せ!こいつの首を織田への手土産にしてやる!! 」
飛騨「承知! 」
ぐいっ!!
剣丞「ぐふっ!? 」
詩乃「あぁっ!? 」
龍興を俺を地面に膝まづかせると
ジャキンッ!!
龍興「貴様に情けはかけぬ!!今すぐあの世に行け!! 」
刀を構え、俺の首を斬ろうとした。
詩乃「お待ちください龍興様!私はどうなっても構いませんからその御方だけは…!? 」
龍興「やかましい!!この男だけは絶対に殺してやる!! 」
ブォンッ…
俺の首めがけて刀を降り下ろす龍興
もはやこれまでか!?と思われたが
兵士「な…何だお前は!?ぐはぁっ!? 」
飛騨「騒がしいぞ何事だ! 」
入り口の方が騒がしくなると
シュバッ!!
犬子「剣丞さま、はっけ〜ん! 」
バンッ!!
入り口の方から犬子が現れ
ひよ子「いたっ!剣丞様! 」
転子「お頭、探しましたよ 」
と同時にひよところも現れた。
飛騨「貴様ら、何故ここに!? 」
剣丞「ケッ!お前達は見くびったようだな 」
スッ!
俺はそう言うと
剣丞「犬子の嗅覚は犬以上なんだよ! 」
バンッ!!
懐から匂袋を取り出した。
これは万が一、一人になった俺を探すためにひよが作ってくれたものだ。
ひよに感謝だな
龍興「えぇいっ!!たった三人の援軍が何だと… 」
たった三人じゃない!
ひよ達がここに来てるってことは…
壬月「三人じゃ不足なら私が相手をしてやろう 」
バァンッ!!
壬月さんが援軍に来ていることなんだよ
龍興「ひぃっ!?柴田!? 」
壬月「覚悟しな龍興!一応お前は結菜様の血族だ。斬りはしないが私の気がすむまで殴らせてもらうぜ! 」
こきこきっ!!
龍興「ひぃっ!? 」
その後、龍興は壬月さんに殴られまくった。
それはもう漫画のように立派なタンコブタワーができていたという
ちなみに俺も勝手な行動をしたとして壬月さんから一発拳骨を食らってしまった。
それから数日後
久遠「皆、よくやってくれたな 」
壬月「はい。一人取り逃がしましたが斎藤龍興とその部下達をほとんど捕らえました 」
久遠「デアルカ 」
様子を見に久遠がやって来たのだ。
そしてその際に
詩乃「竹中半兵衛詩乃重治。これより織田家に仕えさせてもらいます 」
半兵衛さんが織田家に仕官することになった。
久遠「そうか!今日より我を久遠と呼ぶがよい。そうと決まればお前の役職は… 」
詩乃「それにつきましては久遠様、一つだけお願いがございます 」
久遠「何だ?言ってみるがいい 」
詩乃「では… 」
すると半兵衛さんは
詩乃「私を剣丞隊所属の軍師にしてください 」
何と!?自らを剣丞隊所属にしてくれと名乗り出た。
スッ!
そして半兵衛さん、いや詩乃は俺の方を向くと
詩乃「あなたは見ていないと火縄銃の弾のようにどこに飛ぶかわからないため私が近くで見ていないといけませんからね 」
剣丞「ははっ…!? 」
俺が火縄銃の弾ねぇ、よく言うじゃん
と俺が思っていると
久遠「け〜ん〜す〜け〜!! 」
ひよ子「お〜か〜し〜ら〜!! 」
転子「またお頭ったら見事なたらしっぷりですね 」
剣丞「えぇっ!? 」
久遠達から睨まれてしまった。
一方その頃
飛騨視点
飛騨「はぁはぁっ!? 」
何とか織田軍から逃げることはできたが龍興様を置いてきてしまった。
これではもう詩乃のことを悪く言えんな
と、私が思っていると
化神居士「敵から逃げるなんて無様ですね 」
飛騨「貴様は!? 」
バァンッ!!
私の目の前にあの者が現れた!
化神居士「私が折角竹中半兵衛の真意もその後の展開も教えてあげたというのに無様に敗北するだなんて 」
飛騨「それは貴様が悪いんだ!私はちっとも悪くない!! 」
奴に対して責任転嫁してしまう私
すると奴は
化神居士「まぁ別に構いません。龍興と半兵衛の記憶は消去しましたし、残るあなたは… 」
パチンッ!!
指を鳴らした瞬間!
グルルゥッ!!
飛騨「なっ!? 」
ババッ!!
突然得体の知れない化け物共が現れ、私を囲むと
化神居士「鬼の餌にでもなってもらいましょう。さぁ鬼達よ、お食べなさい 」
飛騨「ちょっ!?貴様… 」
私が何かを言う前に
グシャグシャンッ!!
飛騨「ぎゃーっ!? 」
化神居士「フッ! 」
私は化け物に食われてしまった。
ちなみに火縄銃の弾というのは現代で言う鉄砲玉を意味します




