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竹中半兵衛の真意

ひよ子視点


どうも!剣丞様の一番部下の木下ひよ子秀吉です。ひよって呼んでください♪


私の紹介はさておき


私達剣丞隊のみんなは斎藤龍興から稲葉山城を奪い取ったという竹中重治(竹中半兵衛)を探りにやって来ました。


勝手についてきた犬子さんと共に私達は稲葉山城について調べてみました。


すると


剣丞「これって本当なのか!? 」


転子「間違いありません 」


ころちゃん達と合流した私達は情報を交換しあいましたが


どうやら斎藤龍興という人物は人々からの評判が悪いそうです。


こんな人じゃ竹中重治が謀反を起こすのも仕方ありませんね


結菜様の血族に対して言いたくありませんが人として最低です。


それにしても


剣丞「竹中半兵衛も何か考えがあって謀反を起こしたのかもしれないな 」


転子「お頭、竹中重治についてよく考えてますね 」


剣丞「い…いやっ!?別に!?悪人の斎藤龍興から城を占拠するくらいだからいい人かもと思っただけだよ!? 」


ウソですね


出会ってまだ数週間ですが剣丞様に仕えていたらわかりますとも


剣丞様は先程出会った少女が竹中重治だと思っている。


確かにかわいい女の子でしたが…


剣丞様はかわいい女の子に対しては優しすぎます!


なので少しお仕置きとして…


ギュッ!!


剣丞「ぎゃいんっ!? 」


私はお仕置きとして剣丞様の足をつねってやりました。


女誑しである剣丞様にはこれくらい当然ですよね


剣丞「ひ…ひよ!? 」


ひよ子「知りません! 」


ぷいっ!!


転子「あの二人、何かあったのかな? 」


犬子「さぁ? 」


読者の皆さんも私が正しいと思ってくれますよね



?視点・稲葉山城


はぁ…。私はこんなことをしてよかったのでしょうか


人々から嫌われている龍興様への注意喚起が目的とはいえ主君である斎藤龍興様から稲葉山城を占拠するだなんて…


申し遅れました。


私は竹中半兵衛詩乃重治(たけなか・はんべえ・しの・しげはる)と申します。


今孔明と呼ばれていますが私自身はその呼び名は気に入りません。


そしていま思い出すのは稲葉山城周辺で出会ったあの輝く衣を身に纏った殿方のことだけでした。


剣丞『竹中半兵衛に伝えてくれ!いずれ攫いにいくってね』


も…もしかしてあの殿方が私が竹中半兵衛だと気付いたのでしょうか!?


いや、名前を言ったわけではないから大丈夫なはずです!


詩乃「はふぅ…/// 」


私が一人で照れていますと


?「詩乃、一人で照れて何をしている? 」


詩乃「わわっ!?守就(もりなり)おばさま!? 」


守就おばさまに照れているところを見られてしまいました。


彼女は安藤守就といって私の親戚にあたるお人です。


すると


守就「し〜の〜!私のことはおばさまじゃなくてお姉様と呼ぶようにと言っただろう〜! 」


ぎゅーっ!!


詩乃「いひゃい!?いひゃいです!? 」


私の頬を引っ張る守就おばさま改め、守就お姉様でした。


もうお年なのだからお姉様は無理があるのでは…


守就「何か言ったかい!! 」


詩乃「い…いえ別に!? 」


とりあえずこの話はここまでにしておきましょう


詩乃「お姉様、主君である龍興様を裏切るだなんて行動、本当に正しかったのでしょうか? 」


私が守就お姉様に聞いてみると


守就「詩乃、苦しむ気持ちはわかるがそれは仕方のないことだ。龍興様は年貢を増やしたりと人々を苦しませているせいで人々からの評判が悪くなっている。心配するな、お前だけに辛い思いはさせないよ 」


詩乃「お姉様… 」


そうです。辛いのは同じく龍興様を裏切った守就お姉様達も同じなのです。


私ばかりが辛い思いをしているわけではないのですから


するとその時でした。


?「おぉ詩乃、守就、ここにいたか 」


守就「良通、直元、何か用か? 」


良通(よしみち)様と直元(なおもと)様が現れました。


このお二方は稲葉良通様と氏家直元様


此度の一件で私に味方してくれた方々で守就お姉様と共に西美濃三人衆と呼ばれています。


良通「実は龍興様が一人で城に現れ、詩乃と話がしたいそうだ 」


詩乃「龍興様がですか! 」


直元「一人で来るだなんて罠に違いない!追い返そう! 」


守就「しかし相手はあの龍興様だ。元主君をむやみに追い返していいものだろうか!? 」


皆様方が悩むなか


詩乃「龍興様に会いましょう! 」


私は龍興様に会うことにしました。


そして


詩乃「稲葉山城を返還するのです! 」


これは私が最初からしようと思っていたことでした。


良通「バカな!?せっかく占拠した城を返還するだなんて!? 」


守就「いや、私は詩乃の意見に賛成だ。この選択がたとえ凶と出てもな 」


直元「守就殿がそうおっしゃるなら… 」


こうして私達は龍興様に稲葉山城を返還することにしました。


ですがこの決定が後に大変なことになるだなんて


世間では天才軍師と呼ばれている私ですら予想できませんでした。


それからしばらくしまして


詩乃「この竹中詩乃重治。龍興様に稲葉山城を返還いたします 」


私達は龍興様に稲葉山城を返還しようとしました。


守就「龍興様!此度の一件、どうか半兵衛をお許しください 」


良通「全ては龍興様に注意するためでございます! 」


直元「半兵衛は我らが勝手に大将にしたまでのこと!罰ならば我らが受けます! 」


私を庇おうとする守就お姉様達


ですが!!


龍興「ならぬな! 」


キッ!


龍興様は目を鋭くすると


龍興「この斎藤龍興に歯向かった罪として貴様ら全員手打ちにしてくれる!! 」


バッ!


龍興様が手を挙げた瞬間!


ババァッ!!


茂みの中から多くの兵達が現れたのです!


良通「やはり罠であったか!? 」


直元「どうしましょう!? 」


皆が混乱するなか


守就「詩乃、お前だけでも逃げなさい 」


詩乃「守就お姉様!? 」


守就「お前を巻き添えにしたせめてもの報いだ。お前が逃げる時間ぐらい稼いでやる! 」


ジャキンッ!!


そう言って守就お姉様は刀を抜きました。


守就「さっさといけ!! 」


逃げるのを渋る私に守就お姉様が叫ぶと


ダッ!


私は思わずその場から逃げ去ってしまいました。


龍興「逃がさん!追いなさい飛騨(ひだ)! 」


飛騨「承知! 」


ダッ!


逃げる私を斎藤飛騨さんが追いかけてきました。


でも私は捕まるわけにはいかないのです!


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