開戦!関ヶ原の戦い
語り手視点
鬼軍の首領である大六天魔王から日ノ本全国に向けて宣戦布告を放ってから数日
日ノ本にいる主な武将達はそれぞれ力を合わせて共闘することにしたのだった。
そしてついに決戦の日、決戦の舞台である関ヶ原にて
バァンッ!!
日ノ本連合の皆は各陣所定の位置についていた。
剣丞「いよいよ鬼軍との最終決戦か、少々緊張してきたぜ 」
久遠「油断するなよ剣丞、奴らは何時何処から攻めてくるのか分からぬのだからな 」
通常の合戦ならば先に戦場へ着いたもの勝ちといった感じで始まるのだが
今回のように日時と場所が指定され、なおかつ相手の姿が見えない場合、いつ敵が攻めてくるのかわからないのだ。
久遠が不安を感じていると
日斗美「がははっ!安心せい久遠よ 」
久遠「日斗美 」
日斗美こと伊達政宗が話しかけてきた。
日斗美「鬼が何時何処から現れようともこの奥州の覇者である妾がいる限り、敵が何千何万いようとも関係ないわ! 」
九朗「さすが姫です! 」
何処からそんな自信が出てくるのやら?
ちなみに各陣は連携がとれるよう二陣二組で組まれている。
例として
A組、久遠軍・日斗美軍
B組、美空軍・三矢軍
C組、光璃軍・頼廉軍
本陣組、一葉軍・葵軍・眞琴軍・その他
と分かれていた。
久遠「頼もしいことを言うではないか、頼りにしてるぞ 」
日斗美「妾に任せておけ! 」
するとその時
ボヤァッ!
剣丞「何だあれ? 」
何やら霞んだものが現れた直後
ガガガッ!!
バァンッ!!
さっきまで誰もいなかったそこには鬼軍が揃っていた。
久遠「ついに来たか!直ぐ様各陣に知らせよ! 」
そして久遠側に鬼軍が現れたと同時に
ブオォーッ!!
他の組から鬼軍出現の合図である法螺貝の音が鳴り響いた。
剣丞「奴ら、同時に攻めてきたわけか 」
久遠「油断するなよ剣丞 」
そして今ここに
日ノ本連合VS鬼軍による関ヶ原の戦いが開戦したのだった。
剣丞「おらぁっ!! 」
ズバァッ!!
日斗美「ほぅ、固き鬼の体をまるで豆腐のごとく切り裂くとは噂通りだな 」
久遠「まぁな 」
まるで自分のことのように喜ぶ久遠
確かに剣丞は鬼相手ならば強いのだが
スッ!
剣丞「また一匹現れやがったか!! 」
次なる鬼が現れたと思い、構える剣丞だが
現れたのは…
農民「ひ…ひぃっ!? 」
剣丞「に…人間だと!? 」
武装した農民であった。
だが
農民「す…すまねぇ!あんたに恨みはねぇが、母ちゃんを救うため倒されてもらうだ! 」
ブォンッ!!
剣丞「おわっ!? 」
農民は鍬を剣丞目掛けて降り下ろした。
鬼軍は自分に味方しないものは殺すが味方するものは助けると日ノ本全土に流したため、命惜しさに鬼軍に味方する人間もいるのだった。
剣丞「くそっ!?鬼相手ならともかく、人を斬るだなんて俺にはできない!? 」
これが剣丞の弱点の一つ
『優しさ』である。
しかも鬼達は時折人間を盾にしながら突っ込んでくるため鬼だけを斬ることもできなかった。
だが、そんな窮地を救ったのは…
日斗美「仕方ない。妾の御家流を使うとするか 」
と言いながら向かう日斗美
九朗「姫、おやめください!姫の御家流は…!? 」
日斗美「案ずるな九朗!妾が倒れても久遠や他のもの達がおる。それに妾がここで御家流を使わなければここが鬼軍に突破されてしまうかもしれぬ! 」
九朗「姫…、立派になられましたね。九朗は嬉しいです! 」
日斗美の成長に喜んで涙を流す九朗であった。
日斗美「さて、鬼共よ!妾を見るがよい! 」
ギャシャシャッ?
農民「何するだ? 」
日斗美は無防備な姿で鬼軍の前に出てきた。
剣丞「何する気だ!?危ないから下がれ!! 」
九朗「剣丞殿、巻き沿いを食らってしまいますからお下がりください!! 」
一体日斗美は何をするつもりなのだろうか?
剣丞達が日斗美を見つめると
日斗美「食らうがよい!伊達家御家流… 」
パサッ!
日斗美が眼帯を外した直後
日斗美「『独眼竜演舞』! 」
ゴオオォーーンッ!!
何と!?日斗美の目から一つ目の龍が飛び出してきた。
剣丞「な…何だよあれ!? 」
九朗「あれが姫の御家流『独眼竜演舞』。姫の目には長い間姫を苦しめていた龍が封印され、眼帯を外すことで龍が解放されるのです 」
そして解放された龍は
ゴオオォーーンッ!!
ギャシャシャーッ!?
鬼を次々と撃退していき
農民「うぅっ…!? 」
バタンッ!!
鬼軍に参加していた人間達は気を失って倒れていった。
久遠「すごい威力だな!? 」
九朗「ですが敵味方構わず攻撃してしまう欠点の他… 」
すると
日斗美「うぅっ!? 」
バタンッ!!
日斗美が倒れた直後
シュッ!
龍が消えてしまった。
九朗「姫の体力が無くなれば勝手に消滅し、三日は呼べなくなるのが欠点なんです 」
九朗は倒れてしまった日斗美を背負うと
九朗「私達がこれ以上ここにいても足手まといになりますので私と姫は本陣へ向かわせてもらいますから後をお願いします 」
剣丞「あぁ 」
久遠「後は我らに任せておけ! 」
九朗「では 」
サッ!
そう言うと九朗は日斗美を背負って本陣へと向かった。
剣丞「しかしすごい御家流だな!? 」
久遠「欠点はあるがあれだけの鬼を全て倒すだなんて 」
確かに剣丞達の前に鬼の姿は一匹たりともいなかった。
のだが…
?「おやおや、鬼の一軍が丸っきり消滅したと聞いて来てみれば、どうやら俺は運がいいらしいな! 」
聞き覚えのある声が聞こえ、見てみると…
朱天童子「久し振りだな、新田剣丞 」
剣丞「お…お前は!? 」
剣丞の前に五鬼の一角である朱天童子が現れたのだった。
オリキャラ紹介
伊達日斗美政宗
仙台の戦国武将。眼帯をしており、性格は美羽に似た感じで笹かま好き。御家流は独眼竜演舞
片倉九朗小十郎
日斗美の側近。七乃に似た性格。