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エーリカの秘密

本作オリジナルのエーリカの過去が明かされます

語り手視点・日ノ本連合本部


鬼軍の総大将である大六天魔王が自分に従わない人間全てに宣戦布告し、日ノ本にいる武将達は力を合わせるため決戦の舞台である関ヶ原に集った。


そして激戦開始が明日に迫った前日の夜のこと


スッ!


エーリカが一人、天幕から抜け出ると


エーリカ「この辺で良さそうですね 」


エーリカが誰かに連絡しようとしたその時


久遠「どうしたエーリカ? 」


バンッ!!


偶然にも久遠と遭遇してしまった。


エーリカ「く…久遠様!?ど…どうしてこちらへ!? 」


久遠「それはこちらの台詞だ。お前こそこんなところへ何しに来たんだ? 」


久遠がエーリカに聞くと


エーリカ「じ…実は戦いが明日に迫ると思うと緊張して眠れなくてですね!? 」


久遠「そうか、しかし緊張も程々にして早く寝ろよ 」


そう言って久遠はエーリカから去ろうとするが


エーリカ「く…久遠様、ちょっとお聞きします 」


久遠「な…何だ突然!? 」


エーリカは久遠を呼び止めると


エーリカ「も…もしの話ですよ。久遠様の嫁である結菜様が周囲から罵倒され、そのせいで久遠様も罵倒されるとしても久遠様は結菜様と共に歩む道を選びますか? 」


この世界での嫁は女友達を意味する。


このエーリカの問いに久遠は


久遠「そんなの当たり前だろう。誰が何を言おうと結菜は結菜だ。何があろうとも我は結菜と共に歩む、どんな障害があろうともな 」


エーリカ「そうですか、やっぱりそうですよね 」


久遠「?。おかしなことを聞く奴だな。もう夜遅いから明日に備えて早く寝るのだぞ 」


エーリカ「は…はい 」


そして久遠が去った後


エーリカ「やはり久遠様もそうおっしゃいますか、ですよね。私も同じ気持ちだからわかります。だからこそ、私と嫁を救ってくれたあの御方に従うしか道はないのです 」


ルイス・エーリカ・フロイス


表の顔は織田軍所属の武将だが…


化身居士「確かにそうだな 」


エーリカの背後から突然化身居士が現れると


エーリカ「化身居士様 」


化身居士「私とお前は共にあの御方に絶望から救われた身、ならばあの御方を裏切るはずがなかろう。最も私はともかくお前はどうかは知らぬがな 」


化身居士がエーリカにそう言うと


エーリカ「いえ、私もあの御方、大六天魔王様に忠誠を誓っております 」


化身居士「そうか。ならばよい 」


エーリカ「こちらが現時点での日ノ本連合の全武将となります 」


エーリカの裏の顔


それは鬼軍に仕えていることであった。


しかし何故エーリカが鬼軍に所属するようになったのか?


その話は数年前に遡る




エーリカ視点


数年前


エーリカ「ここがニホンですね 」


私はゼウス様を伝えにポルトガルから日本へやって来ました。


エーリカ「ニホンの皆さんにもゼウス様が広まるといいですね♪ 」


ところが


町人「ぜうすだと?ふざけんな!この日本には既に仏教があるんだ!! 」


町人「ぱあでれ(キリスト教の司祭)は出てけ! 」


町人達は私に対して厳しく時には石を投げつけてくる人もいました。


ですが私が諦めずに布教活動を頑張れたのも


煕子「えーりか、今日もぜうす様のお話をしてください 」


エーリカ「はい。わかりました 」


煕子(ひろこ)さんが側にいたから私は頑張れたのです


他の人はゼウス様には無関心でしたが煕子さんだけは熱心に聞いてくれました。


煕子「えーりか、あなたの故郷・ぽるとがるの料理を作ってみました 」


エーリカ「これはカルドベルデ(緑のスープ)!?それにバカリャウ(鱈の塩漬けの干物)まで!?ありがとうございます 」


煕子さんが私の嫁となり、毎日が幸せでした。


ところがです


煕子の父「煕子!!南蛮人に惑わされておるお前は勘当だ!! 」


煕子さんは父親から勘当されてしまいました。


ですが


煕子「わかりました。私はエーリカと共に歩みます 」


煕子さんはそれでも私と歩む道を選んでくれました。


けれども


煕子「エーリカ、私の髪を売りましょう。いくらかにはなるはずです 」


エーリカ「そんな!? 」


煕子さんは自分の髪をお金に代えてまで私と歩む道を選んでくれました。


私は煕子さんと二人でいればどんな苦難も乗り越えられる。


そう思っていましたが


煕子「うぐっ!? 」


エーリカ「煕子さん!? 」


煕子さんは疱瘡(天然痘)にかかってしまいました。


私は町の医者を駆け巡り、煕子さんの治療をしてくれる人物を探しましたが


医者「南蛮人を診るわけにはいかぬ 」


医者「高い薬があるけど売らないよ 」


町の医者は誰もが煕子さんを助けようとしませんでした。


エーリカ「あぁ神よ、私の命を差し上げますから煕子さんはお助けください! 」


私が神に祈ったある日のこと


大六天魔王「悲しいものだな 」


私の前に大六天魔王様が現れました。


大六天魔王「布教しに日本へ来たものの、人間は皆冷たいものばかり、あげくの果てに最愛の友まで亡くすか、悲しいものだな 」


すると


大六天魔王「我に一生尽くすというのならば助けてやろう。どうする? 」


その言葉を聞いた私は迷わず


エーリカ「私でよければ何だってします!ですから助けてください! 」


大六天魔王様に助けを乞いました。


それから数日後


煕子「エーリカ、私は生きてるの? 」


エーリカ「えぇ、生きてます 」


煕子さんは疱瘡から回復しました。


その後


エーリカ「煕子さんすいません。私はある御方と共に向かわなければなりませんからここでお別れです 」


私は煕子さんの命の恩人である大六天魔王様に従うため煕子さんと別れることにしました。


煕子「私は大丈夫です。それよりエーリカも体に気を付けてくださいね 」


エーリカ「はい 」


それから数年後の現在


時折煕子さんから来る文には元気に暮らしているという返事が返ってきました。


エーリカ「私は煕子さんの命の恩人である大六天魔王様に従うのみです 」


たとえ私の身が滅ぶことになっても


オリキャラ紹介


煕子(ひろこ)


エーリカの嫁。南蛮人ということで人々から迫害を受けていたエーリカの話を唯一聞いてくれた人物。

疱瘡にかかるが大六天魔王の力により治療されエーリカが鬼軍に入るきっかけとなった人物

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