牛の首谷怪奇事件
先に「穢れ神と鬼」の7月21日 牛の首までを読んでからお読みいただければと思います。
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これは大西由紀子の担当の看護師が最後に残した牛の首谷怪奇事件の話。
『私は呪われています
私はノロワれています
ワタシはノロワれています
ワタシハノロワレテイマス
ダレカがやってくる
ダレカは誰?
次の犠牲者はダレ、ダレダレダレダレダレダレ
ワタシはダレカの代わりです
ダレカはまだあそこにいる』
これは、大西由紀子が死ぬ直前に精神病院の個室の壁に血で書いた遺書です。
私は、彼女のたった一人の友人であり彼女を担当する看護師でした。
彼女は私にだけあの事件の真相について話してくれました。
今から彼女から聞いた話を私の解釈を入れて書き残したいと思います。
あの事件があった当時彼女は15歳の少女でした。
彼女の父親の実家はそれは大きな屋敷でした。
その日、彼女の実家には親族と弁護士の藤堂さんが集まっていました。
これが、その親族の一覧です。
大西家の家長である大西玄郎という人物が亡くなり家長を決めるための会議が開かれていたそうです。
家長候補は玄郎の子供三人から選ぶということになっていましたがそれぞれが家長を継ぐことを拒否していました。
彼らが家長を継ぐことを拒否した理由はいろいろあったようですが一番の理由としてその家に封じられている神様を守ることが嫌だったそうです。
その神様は猫の神様らしいのですが、あまりいい神様とは言えず災いをもたらす神様と言われていました。
そのような噂のある神様を守ることを拒否しながらも彼らは家の財産だけはもらおうとしていました。
そして、事件は起きました。
最初の犠牲者は玄郎の子供達三人でした。
彼らが発見された場所は、大広間でした。
そこには円卓があり、そこに三人はいました。
彼らは口から泡を吹きながら円卓に倒れていたそうです。
円卓には四つグラスが置いてありました。その中にはワインが注がれていました。
長男の妻である依子さんが警察を呼ぼうとしましたが電話はつながりませんでした。
外は大雨で雷も鳴っていました。
どうやら雷のせいで電話線が切れていたそうです。
雨は強く土砂崩れまで起きていました。
外に助けを呼ぼうにも車も出せない状況です。
まさに陸の孤島といった状態で起こった事件です。
円卓の上にあった四つのグラス。
三つのグラスには飲んだ後があったのに一つのグラスだけ飲んだ後がなかったそうです。
私はそれを聞いたとき明らかな殺人だと思いました。
しかし、他の人たちはアリバイがありました。
ただ一人を除いて。
最初に三人を発見したのは依子さんと公佳さんでした。
依子さんの悲鳴を聞き他の人たちは集まっていたにも関わらず。
一人だけその場にいませんでした。
それは、弁護士の藤堂さんです。
藤堂さんは屋敷の裏庭にいたため、依子さんの悲鳴に気が付かなかったらしいです。
しかし、そんなことはお構いなしに依子さんは藤堂さんを問い詰めました。
藤堂さんが裏庭にいた理由は、屋敷の電話がつながらなかったため原因の確認をしていたそうです。
それで、電話線が切れていたことがわかったのです。
しかし、依子さんは三人を殺害したのを藤堂さんだと決めつけ屋敷にある倉庫に藤堂さんを閉じ込め外から南京錠の鍵をかけました。
いや、藤堂さんを閉じ込めたのは依子さんと公佳さんと祐介さんの三人で行いました。
しかし、それが藤堂さんが三人を殺害したのであればこれで死ぬ人はいなかったでしょう。
結果から言ってあと八人死ぬことになるのです。
次の被害者は、依子さんでした。
発見された現場は、藤堂さんの閉じ込められている倉庫前でした。
頭に斧が刺さった状態で見つかっていました。
不思議なことに倉庫の扉が開いていました。
依子さんの手には南京錠とそれを開けるための鍵がありました。
倉庫の中に藤堂さんの姿はありませんでした。
そのことで藤堂さんが犯人だということを全員が思いました。
その後、藤堂さんを公佳さん、祐介さん、和也さん、純也さんが探すことになりました。
そして、次の被害者が出ました。
次に死んだのは祐美さんと啓二くんでした。
次の被害者がまだ十一歳と九歳という子供でした。
死体は屋敷の裏庭に首と胴体が離れておかれていました。
置かれていたというより投げられたといった感じだったそうです。
さらに、二人は誰かに襲われた後があったようです。
まだ、藤堂さんの姿は見つかっていません。
あと、残り五人。
次の被害者は純也さんでした。
純也さんは屋根裏部屋で発見されました。
それも、頭に五寸釘を打たれて死んでいました。
まだ、藤堂さんは見つかりません。
あと四人。
しかし、まだ藤堂さんの捜索は続いていました。
由紀子さんは客間に一人でいました。
そこに、血まみれの和也さんが現れました。
その血は和也さんのものではなく他の人のものでした。
そして、和也さんは言いました。
「奴は犯人じゃない。奴はダレかの代わりにつかまっていた。ダレかはまだイケニエを必要としているんだ。ダレかがやってくる。この家は呪われている。全部あの猫神のせいだ。俺は呪われている。お前もそうだ。お前も呪われているんだ。全員死ぬ。次の犠牲者は誰だ。俺か? お前か?」
和也さんは笑っていました。
狂ったように笑っていました。
そして、由紀子さんの目の前で自分の首を持っていた包丁で切りました。
由紀子さんは目の前で起こったことがきっかけで気が狂い。
発見されるまで、
「誰かがやってくる。私は呪われています。次の犠牲者は誰? 私? 」
と繰り返していました。
彼女から聞かされたのは和也さんが目の前で死ぬところまでしたが、この話には続きがあります。
和也さんが血まみれだった理由は藤堂さんのバラバラの死体を見つけたときに着いたものでした。
藤堂さんはいつの間にか死んでいました。
公佳さんは首を何者かに切られて死んでいました。
祐介さんは首を吊られて死んでいました。
これで十一人です。
この事件はいまだ解決されていません。
なぜ、彼らは死ななければいけなかったのでしょうか。
わたしは、彼女がなぜこんな話を突然したのかわかりませんでした。
たしかに、私も彼女を担当していた時にこのことは気にはなっていました。
しかし、なにか私に伝えたかったことがあったのかもしれません。
もし、これを見た人がいるのならば調べてほしいです。
呪いという物が本当にあるのか、確かめ欲しいです。
わたしはただ知りたいのです。
れっきとした、人の手で行われた犯行なのか。
てんからの悪意ある呪いなのか。
いえることは彼女の呪いはとけていないのです。
まだ、彼女を覆っている悪意は残っているのです。
すみませんが、誰かが助けてくれるのを待っいまssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssss