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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

復讐

掲載日:2011/07/04

春が近づいて来てるのか、それは暖かい日の夕暮れだった。

忘れ去られた廃校の2階には少女がいた。

少女は窓の外を見ていた。

死んだ目で見ていた。いつまでも。

何を考えているのか、もしくは考えていないのか、死んだ目で見続ける。

少女はふと時計に目を向ける。

止まっているのだろう、時計は3時15分を指したまま動かない。

もう一度少女は窓の外を見る。

突然景色を塗り潰すようにポツポツと雨が降ってきた。空は一面曇りだ。長雨になるかもしれない。

少女の携帯が鳴った。メールだ。内容を確認すると『何処にいる』の一言だけだった。少女は返事を返す。『屋上』

送信が終わると少女は椅子から立ち上がる。ゆっくりと。

少女は教室を出る。教室には誰もいない。

手にはバットを持っていた。


少女は廊下を歩く。学校内に少女以外の人の気配は無い。

廃校だからだろう、所々が抜けている。

バットが擦れる音が聞こえる。キィキィと音がするが、少女は気にせず歩き続ける。

床に溜まった濁っている水たまりを踏みつけ、少女は目的地へ向かって歩き続ける。ただ、ひたすらに。

外はまだ雨が降っている。


少女は階段を昇り始める。埃まみれの階段を、一歩一歩、昇る。

所々埃が無いところがあった。きっと先客がいるのだろう。

少女は偶にため息をつき、後ろを向く。だがすぐに前を向き、昇り始める。同じ速さで、一歩づつ。

不意に携帯が再び鳴り始める。

だが少女は携帯を開かずに、下へ向かって投げ捨てた。

あちこちに携帯がぶつかる音が響き、こだまする。

壊れたのか、それとも聞こえないほど下へ行ったのか、音はもう聞こえない。

少女は再び昇り始めた。


少女は階段を昇りきり。扉に手をかける。

扉を開くと女が二人いた。どちらも傘を持ってじっ、と少女をを見ている。

少女はバットを後ろに隠しながら女に近づく。バットの他に何も持ってないため、既にびしょ濡れだ。

女達は女子高生だろうか。とても若い。

しばしの沈黙の中、女子高生の一人が少女に話しかける。

「どうして私達をこんなところに呼んだわけ?」

しかし少女はその質問に答えず、

「これは…復讐…」

と自分に言い聞かせるように話しかける。

「……!?」

何を言おうとしたのか、女が口を開きかける。

だが、何かを話す前に少女のバットが女の顔に当たる。

渾身の力を込めて女の顔を殴る。女は倒れた。でも殴る、何度も、何度も。

数分も経たないうちに、ベキッと何かが砕ける音がした。だが、少女は殴るのをやめない。何度も、何度も殴り続ける。

頭だった部分にバットがめり込んだ。

もう一方は友人が死んだショックか、自分も次に女と同じ運命を辿ると直感したのか。あるいはどちらとも、と言えるかもしれない。怖がっているのか動かなかった。床にへたり込み、小刻みに震えながら少女を見ている。目は怯えていた。

少女は女の方に向き変える。

表情は無い。

教室の時と変わらず、何も考えてない。と言うような目で女を見つめる。

「た、助けて…」

しかし、懇願は少女の耳には届かなかった。


雨はまだ降り続いている。

少女の服は結構濡れている。体温も結構下がってることが自分でもはっきりと分かった。明日は風邪を引くかもしれない。

だが、少女の心は晴れやかで、晴天だった。


少女はフェンスを開け、奥に進む、鉄柵は既に錆び付いていて、バットで殴ると案外簡単に壊れた。

少女は死体二つを運ぶ。

死体を落とすために。

少女は死体を落とす前に、下を覗いてみた。

人…だったものが散乱していた。

体はグチャグチャで原型をとどめておらず、飛び散った肉片が広範囲にわたって飛び散っていた。

「復讐……」

少女は一言そう呟いた。

「お前らも一緒にしてやるよ」

死体に話しかけるように呟いた後、少女は先程まで人であったものを下へ落とした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 状況設定が良い。廃校・雨の中での殺人。土砂降りの雨音に混じる金属が肉を砕く音、雨滴にまじって吹き散る鮮血。本来想像し難い凄惨な光景を読者にイメージさせやすいと感じる。 [気になる点] 物語…
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