乞食の願い
「それじゃ、話を整理しようか」
「はぃ……」
「僕は死ぬ思いをしてどうにか悪魔を召喚した」
「はぃ……」
「だがやって来たのは見習い悪魔だった」
「はぃ……」
「僕は大金持ちになりたかったけど、君はお金『無し』には出来るがお金『持ち』には出来ないと言った」
「はぃ……」
「ふざけんなよ、馬鹿」
「はぃ……」
「そもそもお金『無し』ってなんだよ、この馬鹿」
「はぃ……」
「僕はそもそもお金無いから何の意味もないんだよ!」
「はぃ……」
「――ったく……む? 待てよ? その願い、他の誰かにも使えるか?」
「はぃ……」
「なるほど。それじゃ、決めた。僕以外の全員を『お金無し』にしろ」
「はぃ!」
「ちょっ……ちょっと待てよ。なんでライターなんか取り出した?」
「ぁ、銀行に火を放とうと……」
「お前本当に悪魔か?」
「はぃ……」
「――まぁ、いいや。はよ火をつけてこい」
「はぃ!」
***
「これでよしっと……さ、さっさか逃げよ」
「――にしても」
「自分が得しないからって相手に損をさせようなんて……あっちのがよっぽど悪魔だよ……」