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ヤンデレ狼の英雄様に、無理矢理番にされました〜それでは、デスゲームを始めましょうか〜  作者: 井藤 美樹


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後はお任せします

ヤンデレ度★★★★★


 私のお披露目会と婚約発表は(とどこお)りなく終わったのだけど、もう一つの催しは今から架橋(かきょう)に入るようです。ここから先は、大人の出番かな。参加者も、勿論大人だけ。


 コーマン国王夫妻とユベラーヌ、そして、リアお姉様が捕まえたネズミの事は、国王陛下や宰相様、カイゼルお父様にお任せしている。後は、パーティー会場内にいたネズミさんたちだけど、それはカイナル様が嬉々として動いている。


 魔力って、血痕と同じなの。


 いくら血液を綺麗に拭き取っても、それは表面上だけ。染みや独特の臭いが、どうしても残るでしょ。魔力もそうなの。亜人族、人族関係なく、この世界に生きている者は皆、魔力を常に放出しているわ。簡単に言えば、ずっと出血したままって事ね。


 つまり、親密であればあるほど、他者の魔力の残滓(ざんし)が身体にへばり付いて取れないの。


 新鮮さと濃厚さ。後は範囲かな。


 それを、カイナル様はその鼻と目で判別出来る。そして今は、残滓(ざんし)でさえ視覚化させる事も可能となった。つくづく、規格外の人だよ。正直、後ろめたい人にとっては、嫌がられる能力でしょうね。


 特に、貴族社会においては。


 策略とかが渦巻いている世界だからね。だとしても、カイナル様クラスになると、そんなの全く関係ないけどね。超越した存在って本当に存在するんだって、改めて思い知ったよ。


 だからこそ、間違ってはいけないの。


 カイナル様がいくら偉くても、私が偉いわけじゃない。いくら、運命の番でもね。


(凡人は凡人なりに、頑張らないとね)


 そして、カイナル様の邪魔をしない。


 カイナル様が今、裏でしていることにも口を挟んだりはしないわ。無粋(ぶすい)だからね。それに、無粋な事をしたら、カイナル様が思いっきり楽しめないじゃない。そこら辺は、ちゃんとわきまえているよ、これでもね。


 本音を言えば……怖くて訊けないの。カイナル様も知られたくないだろうし。そうじゃなかったら、盛らないよね。


(……ここが、会場なのね)


「シア、もう遅いから、これを飲んでお休み」


 カイナル様から手渡されたコップ。好んで、最近よく飲んでいるジュースが注がれていた。たぶん、軽い眠剤が入ってると思う。


(よほど、知られたくないのね)


 まぁ、私の身体に害があるものじゃないのは分かってはいるけど……内心、複雑だよね。とはいえ、見られてるし、仕方ないから飲むけど。




「さてと……これで、全員だな」


 今から、ゴルディー公爵家で秘密のパーティーが開催される。と言っても、シアが眠る本宅ではなく、それ専門の屋敷だ。多少大騒ぎをしても構わない。


 参加者には、急遽(きゅうきょ)、俺の部下から黒色の招待状を直接手渡した。不参加は一切認めない。十五人程度だから、簡単に(もてな)す準備が出来た。


 俺は椅子に座り招待客を待つ。


 招待客は全員、真っ青な顔をしていた。中には、土色の奴もいる。他国の奴もいれば、自国の奴もいる。あの糞女と一緒にいた侍女二人も招待した。


(そんなに、体調悪いのか? だとしても、帰さないけどな)


 奴らの体調など、俺には関係ない。あいつが「面倒くさいから、殺すな」って念押ししてきたから、殺しはしない。ただ……罪の重さを理解してくれればいい。その過程で、精神に多少影響が出ても許されるだろう。その時には、あいつに全部任せればいい。一応、この国のトップだからな。


 お前たちは、それだけの事をしたんだ――


「何故、呼ばれたか分かるよな。現在進行形で、罪を重ねている事を理解しているか? 大事な番から引き離されているんだ、八つ当たりしても許されるよな」


 俺は笑いながら言ってやる、


 悲鳴を上げて逃げ出そうとする奴らを、俺の部下が捕まえ、俺の前に引き摺って来る。


「さて、始めようか」




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