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ヤンデレ狼の英雄様に、無理矢理番にされました〜それでは、デスゲームを始めましょうか〜  作者: 井藤 美樹


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リアお姉様、無双してます


『友好国である、コーマン王国第二王女である私が、何故入国出来ないのでしょうか!? 明確な理由を、今直ぐ述べなさい!!』


 ユベラーヌ本人が出て来るまでに、変わる変わる別の者が現れて門前払い。とうとうご本人登場だよ。


(待ってました)


 実はこれ、リアお姉様が身に着けている魔法具から送られてくる映像と音声なの。元は、闇アジトやなどを調査するために開発された物らしいよ。魔力量の多さで飛ばせる範囲は決まるのだけど、魔力量だけならカイナル様を越えているリアお姉様にとって、国境から王城まで(たい)して苦にはならないみたい。


 それを、王城の謁見室で無修正で、関係者全員で鑑賞中。


 因みに、私はカイナル様の膝ではなく隣に座っている。さすがに、人前で膝の上は嫌だよ。まぁそれでも、私の手を握りピタっと引っ付いてはいるけどね。


「人前で」って、文句を言おうと思ったけど、私たち以外は完全スルー。まるで当たり前のような態度に、少し困惑していた。それが顔にも出ていたのかな、カイナル様が訊いてきた。


「シア、不快なら、別に見なくてもいい」


(いや、そこじゃないから)


 カイナル様は、私の事をよく見てる。でも、女心は分からない。というか、羞恥心がほぼない。


「……別に不快ではないので、大丈夫です」


 文句を言っても伝わらないので、こう答えるしかないんだよね。


 そんな事を考えている間も、リアお姉様とユベラーヌとの駆け引きは続いている。リアお姉様が圧倒的に有利な駆け引きがね。


『何度も申し上げていますよ、コーマン王国第二王女殿下。入国許可書をお持ちではないからです』


 リアお姉様は何もおかしなことは言っていない。至極当然な事を言っているだけ。


 リアお姉様視点で見ているから、表情は分からないけど、たぶん、すっごく良い笑顔で対応していると思う。とっても、声が高揚してるから。


『失礼ですわ!! 私は留学のために来たのです。その旨の書簡は届いている筈ですよ、リーレルア魔法師師団長』


(様か殿を付けなさいよ、ユベラーヌ)


 コーマン王国が書簡を出す前に出発するくらいだから、まさか、自分が入国拒否されるとは考えてなかったのでしょうね。傲慢だわ。言葉の端々にもそれが出ている。


 眉間に(しわ)を寄せて声を荒げる様は、かなり矜持をズタズタにしているように見える。でも、まだまだよ。


『確かに届きはしましたが、断る旨を記した書簡を、我が国は既にしたため飛ばしております。故に、コーマン王国第二王女殿下の留学は取り消しとなり、同時に、入学許可書も発行されてはおりません。例え王族の方とはいえ、入国許可書をお持ちでないと、ゼシール王国の入国を認める事は出来かねます』


 毅然とした態度で接する、リアお姉様。


(ユベラーヌ、かなり悔しそうね)


 持っていた扇で、自分の掌をパンパンと叩いている。それだけで、怒り具合が分かるわ。


 今まで、なあなあになっていたんだろうな。そうでなければ、入国許可書を持っていないのに入国しようとしないわ。


 友好国だから許されていた。それはそれで、大きな問題よね。


『留学が取り消しですって!? 理由を伺っても宜しいかしら?』


(あっ、持ち直した。でも、それ訊く? 訊かなければ、傷はまだ浅かったのに……馬鹿ね)


 非人道的な事をしている自覚がないのが、よく分かるわ。自分が特別な存在で、偉くて、優遇されてると信じて疑わない。一番厄介だわ。


『それは、ご自身が一番よく分かっておられると思いますが』


(直ぐに教えないリアお姉様、素敵です)


『思い当たる節がないから、訊いているのです!!』


 本当に思い当たる節がないのだろう。あっても、それが問題になるとは考えていなかった。簡単に揉み消せると思っていたのね。今までがそうだったから。それは使者も同じ。だから、最初会った時、私が手紙を持ち帰る事を許した。


 相手が平民である、私だから――


『そうですか……貴女は、我がゼシール王国第二王女ユリシア殿下に対し、脅迫行為を行なった。幾度となく。その事実により、我が国は、コーマン王国との友好関係を白紙に戻しました。それが、貴女の留学を認めなかった理由です』


 真顔で答えるリアお姉様に、ユベラーヌは嘘ではないと理解し言葉を失う。


『…………ユリシアが第二王女?』


(さっきまでの勢いと威勢は何処に行ったのかな? あまりにも、声が小さいよ。まぁ、ショックなのは分かるけどね)


『知らなかったのですか? 公示は既に済んでおります。貴女がユリシア王女殿下を脅迫した時点で、既に王族籍に入籍済みです。つまり、貴女は我が国の王族を脅迫し、非公式で会うように何度も迫った。物的証拠も多数あります』


 リアお姉様の声が厳しいものへと変わった。


『……物的証拠?』


(息も絶え絶えだね)


『はい。一番の物的証拠は、コーマン王国第二王女殿下の直筆の脅迫文ですね。神殿にて魔力鑑定を依頼し、貴女の直筆だと確認がとれております。かなり、過激な内容でしたね。ユリシア王女殿下の番に横恋慕し、我が国から連れ出そうと画策するとは……おいたが過ぎましたね、コーマン王国第二王女殿下』


 厳しさの中に、底知れぬ怒りを感じる。本気でユベラーヌに怒っていたから。それにしても、余程名前を呼びたくないようね、リアお姉様。ユベラーヌはそれに気付く余裕はなさそうね。


(リアお姉様の無双状態、ずっと続いてるよ。このまま最後まで行っちゃえ!!)




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