↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレ狼の英雄様に、無理矢理番にされました〜それでは、デスゲームを始めましょうか〜  作者: 井藤 美樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/71

地雷は意図せぬ所に隠れてました

ヤンデレ度★★★★★


(……何か、変な事言ったかな)


 たぶん、知らないうちに言ったのね。圧が強過ぎる……口にはしない代わりに、全身で苛立ちを訴えてきてる。

 

 だって、今日のグリグリは強くて長い。


 もう二時間はされ続けてるよ。いつもは三十分ぐらい、長くて一時間弱なのに。


 基本、こういう時って、逆らわず、ジッと嵐が過ぎるのを待つの。まぁ逃げたくても、お腹に腕を回してガッシリと抱え込まれてるから、無理。身体はビクとも動かない。拘束されてる感じがする。


 拘束だとしたら、身体を(よじ)ったりすると、逃げるつもりだと思われて、確実にデスゲームの駒を進めることになるわ。下手したら、一気にゴール手前まで進めるかもしれない。せめて、何がいけなかったのか知りたい。対処も何も出来ないよ。


「………………お昼寝」


 ポツリとカイナル様が耳元で呟く。


(やっと、ヒントが出たよ〜) 


 ここは、ちゃんと掘り下げないといけない。


「お昼寝が、どうかしましたか?」


 平然を(よそお)って尋ねた。


「……俺はまだ、シアと昼寝をしたことがない。なのに、シアは王女殿下と一緒に昼寝しようとするなんて……シアは俺だけのものなのに、俺がしたことがないことを、俺以外としようとしないでくれ。もししたら、どんな手を使っても排除する。シアの大事な友達でもだ。俺の初めてはシアのもので、シアの初めては全部俺のものだ。そもそも昼寝など、無防備な姿を(さら)そうとするなんて、絶対に許さない。考えるのも、口にするのも許さない」


 冷や汗と動悸が止まらない。


 淡々と、抑揚もなく耳元で言われ続けたら、恐怖で身体が強張るよ。


(私、選択間違えた? まさか、デスゲームの駒を進めてしまったの!?)


 スノア王女殿下が、何故、あんなに必死で否定したのか、真っ青になって震えたのか、その理由がよくわかったよ。


 私は震えながらも、腹に回された腕に手を添える。カイナル様って、私に触れられるのが好きで安心するから。私にできるのは、誠意をもって謝り倒す。


「……ごめんなさい、カイナル様。なんとなく言った言葉で、貴方を傷付けてしまって。本当に、ごめんなさい」


「そうだ。俺は傷付いた。俺はシアしかみていないのに、シアは俺以外に平気で目を向ける……シアの瞳に映るのは俺だけでいいのに、何故、他を見る。見る必要ないのに。俺しかいなければ、俺しか見ないか……」


(うん……病んでるね)


 日常生活をおくる限り、カイナル様の願いを叶えることは不可能だよ。私とカイナル様しかいない世界にならない限りね。もしくは、その環境を作れば可能かも。絶対に嫌だけど。


(そもそも、なんで、そんな心配するの?)

  

 はっきりと言葉にしないといけないの。一緒に生活して伝わらなかったのかな。私は毎日、カイナル様の所に帰って来てるのに。なら、言葉にするまで。


「……このピアスを受け取ると決めた時から、私はカイナル様のものですよ。流されてるように感じたかもしれませんが、私なりに腹を決めたんです。そうでなければ、もっと愚図(ぐず)っていましたよ……仲の良い友人はいますが、私の帰る場所はカイナル様の所です」


(信じてくれませんか)


 声にしないで、願う。

 

「信じていいのか?」


 泣きそうな声で、カイナル様が尋ねる。


「信じてもらわないと困ります」


「だったら、今ここで、俺に愛してると言ってくれないか」


(えっ、今、カイナル様、なんて言ったの? 私が、カイナル様に――無理!! 無理!!)


「はぁ!? そんな事言えるわけないでしょ!!」


 焦って、思わず大きな声を上げてしまった。


 カイナル様から幾度となく、その……告白されていたし、「愛してる」とも言われた。


 でも……私からは、一度もその言葉を口にしたことはないし、近い言葉も告げたこともない。いつも、受け身だった。与えられてばっかりだった。


 家族愛や友人に抱くような愛情ではなく、恋愛として人を愛する気持ちが、いまいち分からないせいもあるけど、それでも、それなりに態度で精一杯伝えてきたつもりだった。でも……カイナル様には、足りなかったみたい。


「どうして?」


「どうしても!! 恥ずかしくて言えるわけないでしょ」


 恥ずかしいからのくだりは、小さい声でボソボソと投げやりに言ったけど、当然カイナル様には聞こえてるわけで……


「恥ずかしいのか?」


(再確認してきたよ〜あれ?)


 尋ねる声は、とても穏やかで優しかった。監禁コース回避出来たことにホッとする場面なのに、私は小さく頷くしか出来なかった。代わりに、全身の血が顔に集まってる。絶対、今私の顔も耳も首も真っ赤になってるよ。


 軽くテンパってる私を、今度は拘束ではなく包み込むように、ギュッとカイナル様は抱き締めた。全然苦しくない。抱き締められていることに変わりはないのに、私の全部がほんわかと暖まる。


(大事にしてくれてる気持ちが体温からも伝わって来るのって、幸せだよね)


「……まるで猫のようだな、シアは。いいか、あまり危険な真似をするな。だが、我慢する必要はない。したいようにすればいい。俺の弁当をゆっくり味わうためにな」


 少し間があいたあと、カイナル様はやや低い声で注意してきた。許可が出て一安心。止めても聞かないって分かってるかね。それに、自分のために私が動くことを知ったから、尚更止めれないよね。


「分かりました、カイナル様。気を付けます」


 気を付けながら、確実に、そして徹底的に潰します。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。