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それはある朝突然に  作者: 偽野海月
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 大学の階段を駆け上がった。


 三段跳ばしなんて久しぶりにやった。1か月ぶりくらいだけど。


 この大学、学費は高いくせに変なところでケチってエスカレーターどころかエレベーターすらないんだから。












 ●●●Side.A●●●








 三段跳ばしだといつもなら一段多いはずなのに、今日はなぜかぴったりだった。おかげで勢いを殺さずに教室までダッシュで駆け込めた。運がいい。やっぱり日頃の行いって大事だよね!!


 一番後ろの列を陣取っているはずの友人たちを探そうとして・・・教室に誰もいないことに気付いた。





 ま、まさか・・・。







「うっそー教室変更!?」







 日頃の行い・・・悪かったのだろうか・・・。




 教室の変更は確か掲示板にあったはず・・・1階の掲示板まで戻ろうとして、後ろに人がいたことに気付いた。

 同じこの講義を受けている・・・確か田中君?中田君?そんな感じの名前だ。








「あれ?中田君も気づかなかったんだー今日はなんか教室変更っぽいよ」








 同じ遅刻仲間がいるのはいいことだ・・・と、にんまり笑った。

 この中田君を先に行かせて、教授がそっちに気を取られている隙に潜り込めばいいしね。


 そうと決まればさっさと掲示板を見に行こう、と誘いをかけようとして・・・襲われた。








 え!?何!?誰もいないからって朝からこんな場所で!?








 わたしの魅力にクラっときたのか、いきなりすごい力で抱きついてきた中田君。


 抱きつかれて不自由な体制を立て直すため、勢いよく体を回転させるように捻った。合気道の要領で田中君の腕をゆるませて・・・


 とりあえず手近にあったパイプ椅子を掴んで振り回し、殴りつけた。


 鳩尾あたりを狙ったけど、ちょっと手元が狂って、その・・・口では言えない部分に当たってしまった。


 男の人にとってはアレだろうけど、自業自得だし!












「いきなり抱きつくなんて!やっぱり物事には順序があると思うの!!」











 フラれてショックに落ち込む中田君を見るのも忍びなかったし、なんとなく変なところを殴っちゃった気まずさもあって、そのまま教室から駈け出した。










 あ、パイプ椅子持ったままだった。






 誰かに見つかったら怒られるかしら?





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