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期待の新人

「次は射撃精度の確認に移る。 自信はあるか?」

 メアリーを射撃場へと案内しながら言う。


 「子供の頃から自衛のために銃の訓練をしてきたので、自信は有り余るほどにありますよ!」


 「分かった。 期待してるぞ」


 射撃場に着いた。 ここは鎮圧部隊以外の訓練生も使うことのできる共用施設となっており、常に銃声が鳴り響いている。 メアリーが銃声に興奮している様子が、横目に見えた。


 「使用銃はL&M社製のレーザーガン、ショートディスタンスとなっている。 シュミレーションの設定は、屋内、敵は2体で、武器は実弾のハンドガンだ」

 私は制御端末で設定を入力し、銃をメアリーへ手渡す。


 「被弾は最低限に、レーザーガンを持つのは初めてだろう? ここで少し慣れておけ」


 「了解です! 実力を! 見せます!」


 「………..落ちつけ、ちゃんと狙うんだぞ?」


 会話を終え、私はシミュレーション開始のボタンを押した。 リアリティを出すために、敵は人間を忠実に再現したロボットを使用している。


 メアリーはまず規則正しく並べられている机の下に隠れ、敵の背後を取り、ゼロ距離でレーザーガンを撃ち込んだ。 倒れた敵の体を持ち、もう一体に投げつける。 怯んだ隙に机を飛び越え接近し、的確に頭を撃ち抜いた。 シミュレーション終了。


     「どうでしたか!?」

 

   「少し接近戦に持ち込みすぎている所が気になった。 あの方法だと銃の射程を活かせていない、だが、それ以外は上出来だ」


 レーザーガンの正しい使い方は後日教えることにしよう。 素質は十分にある、ダイヤモンドの原石だ。 実施試験はこれぐらいで十分だ。 宿舎やオフィスなどの主要施設の案内に移るか。


   「これからは施設紹介の時間だ。 楽しみだったろう?」

   

    「はい! お楽しみです!」


   「良し、こっちだ、ついて来い」

  

 

        [1時間半後]



   「これで施設紹介は以上だ。 明日の七時、オフィスにて部隊の奴らとの顔合わせがある。 クセが強い奴ばかりだが、根は良い奴らだ。 仲良くしてやってくれ」

 施設紹介で興奮が極限まで高まっているメアリーに言った。 銃声で興奮する奴が、施設に興奮しないはずがない。 軍事用品のテーマパークだからな。


  「うおおおおお! テンションが上がってきましたぁっ! 自己紹介原稿用紙100枚分書いて置きます!」


  「程々にな、眠れなくなるぞ」

 解散の合図を出し、新人指導が終わった。 メアリーの扱い方をこれから学んでいかなければならなそうだ。 老人にはキツい。 警察襲撃事件の調査は、明日へと回すことにし、家への帰路へ着いた。




     ***********************



 家に帰ると、[イヴァーク様へ10通、メールが届いて居ります] と機械音声が鳴った。 


 その全てが坂井弥太郎についての資料であり、彼とテロリストとの関係、周辺人物が几帳面にリストアップされていた。 メールの送り主は、どうしても坂井を追い詰めたいらしい。 

 

 資料を流し見した後、睡眠薬を飲んで就寝した。

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