64. 番外編 お兄様は不意打ちに弱いです
クラウスお兄様に
ちょっと変化が起きます。
「で? クラウス君、今日は何の用なの?」
オーキッド・フォン・パルマン辺境伯のタウンハウスは、王宮からさほど離れていない場所にある。本来ならば、彼が担当している学園都市計画の周辺業務についてはセーヴルが管理しているので、クラウスが出てくることは少ない。が、
「珍しいじゃない? 君が直接来るなんてサ?」
今日もオーキッドはドレス姿だ。それも、稀代の悪女が着る様な、赤と黒の派手なドレスだ。まるで、目の前でドロドロの縺れ捲った舞台が始まりそうな気配がする。
(どこで買うのだ? こんなドレスを)
気を取り直して用を伝える。
「セーヴルが奥方の体調が悪くて、今日は急遽休みなのです。でも、アレッド殿下に今日中に見て頂きたい書類が出来てしまったので、念のため貴殿に確認して頂きたいとのことなのです」
「それで、君が預かって持って来てくれたの? ご苦労様だね?」
「いいえ。では、こちらをご確認ください」
数枚の書類をオーキッドに渡して待っている。
「失礼します」
明るい声がして、部屋の扉が開いた。侍女がお茶を持って来てくれたらしい。良い香りが部屋に漂ってきた。
「ああ、クラウス君、お茶でも飲んで待ってて? うちのお茶は美味しいからね!」
書類の確認はすぐに終わるものでは無かった。クラウスは頷いて暫くオーキッドを見ていた。
「どうぞ?」
さっきよりはっきりと香り立つ紅茶が、クラウスの前に置かれた。白地のカップに美しい水色が芳しい良いお茶だ。
「ああ。頂こう」
カップを持ち上げ、隣に控える侍女を見上げた。
「!!!!!!!」
えっ!? ロゼリン君!?
思わずカップを落としそうになった。
カチャンッ!! 持ってた手にお茶が踊った。
「うっ! うっわっ! アッチ!」
「大丈夫ですか!? クラウス様! 火傷が!!」
咄嗟にロゼリンはクラウスの手を掴むと、赤くなった手の甲を見た。
「いけません。手洗い場はこちらです!!早く冷やしましょう!!」
「!?」
そう言うと、強引にクラウスを引っ張ってドアから出て行った。
「・・・・・何なの? アレ・・・??」
オーキッドは、一瞬の内に目の前からいなくなった二人に茫然としていた。
そして、クラウスとロゼリンがどうなったかは、またのお話で・・・
ブックマーク、誤字脱字ありがとうございます。
ぼちぼち、こちらも更新しますね。
別話にした方が判りやすいかしら?
タイトルもこのままで良いかしら?
章分けするか、考え中ですが、
システムが絡むと・・・苦手なのです。
楽しんで頂けたら嬉しいです。




