表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/65

54. 無かった事にしますわ!宜しいですわね?

あと少し引っ張ってから

誘拐事件は終了します。

シリウスとルイ君を絡ませないとね!

ということで、もう少しお付き合いを

お願いします。

 オーキッド様達の処罰について、アレッド王太子様からお任せ頂いたので、少し落ち着いて考えたいと思いました。でも、ふと見たルシェール様の顔色が、すこぶる悪く何だか額に汗が出ているようです。もしや、医官様が言っていたように熱が出てきてしまったのでしょうか。



「あの・・・ルシェール様、お熱があるのではないですか?」


 私は思わず駆け寄ると、(失礼します)と小さく言ってルシェール様の額に手を当てました。




「リ、リリ様!?」


 やっぱり。熱が出てきています。


「ルシェール様、熱が出ていますわ!お辛いのではなくて?ベッドで休んだ方が良いです。アレッド王太子様!ルシェール様が休める様なお部屋をお貸し下さいませんか?」


 どこにお泊りしてるかは知りませんが、今日の所はここから動かないほうが良いと思います。おせっかいかと思われるかもしれませんが、王宮内にお泊り頂いた方が安心ですわ。


「リリ嬢、お気遣いはありがたいのですが、私はオーキッド達と一緒に帰ります。これ以上ご迷惑は掛けられません」


 ルシェール様は、大分熱が上がってきたのか、上気した頬に瞳も潤んだように見えます。ちょっと、これって、凄く不謹慎ですが・・・艶っぽいというか、色っぽいというか・・・

 

 美形の殿方が弱っている姿って!ああ、いけません。私ったら(汗)。




「オーキッド様!お泊りの所には、お医者様はいらっしゃいますか!?」


「えっ!?い、いないけど?」


「では、やはり王宮にお泊りになるのが宜しいと思いますが?王太子様、如何でしょうか?」


「・・・・」


「アレッド王太子様? 聞いていらっしゃいますか!?」



 もう!アレッド王太子様が、私の顔を見ながら茫然?としたように呆けていらっしゃいます。何でしょう、私変な事を言ってますか?

 どうなんですの? 泊まれるの? 泊まれないの?


 じっと見つめて返答をお待ちしていますが、ぱちぱちと何回も瞬きをしてからお答え頂きました。




「レブランドに部屋を用意させよう」


 お返事を頂いた私は、ほっとして、


「アレッド王太子様。お願いを聞いて下さってありがとうございます」


 と、最終兵器である ≪妖精姫の微笑み≫ を浮かべ、優雅にカーテシーをしてお礼を申し上げました。




 結局、ルシェール様に付き添う形で、オーキッド様も一緒に王宮内にお泊りすることになりました。カルバーン様は、他の従者の方々も心配しているからと、宿泊している場所に戻るとのことです。もっとも、カルバーン様は、王宮内に泊れる身分では無いと頑なに固辞されたこともあって、そこは無理強いしないことになりました。


「ルシェール様を王宮で看病するとして、何とかトウレンブルクにも面目を保つことができるか・・・」


 クラウスお兄様が、ぶつぶつと呟いています。まあ、そこは上手くお考え下さいな。


「とにかく、誘拐事件は()()()()のですから、今日はもうお開きに致しましょう?明日、また王宮に伺いますので。皆様それで宜しいでしょうか?」


 ちょっと、強引だったかもしれませんが、もう今日はお話しすることも無いと思います。今日は色々あり過ぎました。これ以上は頭がパンクしてしまいます。


 皆様も同意見でしたのでしょう?だって、大きく頷いて下さったのですから!!





「リリ。疲れていませんか?」


 王宮を後にした私とシリウス様は、来た時と同じようにスタンフォード公爵家の馬車に乗っています。さすがに疲れていた私は、口数も少なく大人しく馬車に揺られていたのです。


「ええ。少し疲れました。今日1日で、色々あり過ぎましたもの」


 正面に座っているシリウス様に、ちょっとだけ微笑みながら答えました。シリウス様は、すっと立ち上がると、私の横に座られました。このポジション定番化しそうですわね。


「リリ。貴方が決断してくれたお陰で、この国の体面も保てます。貴方の思考は柔軟で的確でした。国を守る者として、お礼を言います。ありがとう」


 シリウス様はそう言って、私の手の甲に口付けを落としました。この方に褒められると何だかとっても嬉しいです。疲れも吹っ飛びますわ。凛々しくてキラキラしい美貌は、朝から変わること無く完璧ですのね?などと見詰めていましたら、


「くっ!くっくっくっ!あ、あはははは」


「!?」


 なんと、シリウス様が堪え切れ無いように、大笑いされました!なぜ!?


「シリウス様?」


「す、すみません。思い出してしまいました。貴方がルシェール殿を王宮に泊めて下さるように、殿下にお願いしている時の事を、思い出してしまいました」


 まだ、笑いが止まらないようです。シリウス様ってこんなに笑う方だったのでしょうか?冷たい氷の騎士とか言われていませんでしたっけ?


「いえ。すみません。笑い過ぎですね。貴方が見た目より、ずっとしっかりした女性であると感心したのです。もちろん、只可愛らしいだけだなんて思っていませんでしたよ?でも、それを斜め上にいくギャップだったので・・・」


「嫌になりました?もしそうなら・・・」


「まさか!!もっと貴方を知りたくなりましたよ?」


「本当・・ですの?嫌いになっていませんか?」


「とんでもない。もっと、好きになりました」


「!?」(爆)


 シリウス様はそう言って微笑むと、私を膝の上に抱き込みました。もう。またですわ。と思いましたが、何だか真っ赤になった顔を見られるのも恥ずかしくて、そのままシリウス様の肩に顔を埋めました。微かにシリウス様自身にグリーンシトラスの残り香が混じって、とても落ち着く香りがします。深く息を吸うとくすぐったかったのか、シリウス様が小さく身じろきました。


「リリ」


「・・・何ですか?」


「リリ?」


「何ですか?」


「リリ?」


「ン、もう。シリウス様ったら、何なのですか?」


 彼の肩に埋めていた顔を上げて聞き返しました。


「ンッ!?」


 シリウス様の唇が、()()()()()()()()()


 うそ!? シリウス様に口付けをサレマシタ!!!! まったく、不意打ちですわ!


「・・・泥棒・・・」


 照れ隠しに出たのは、何とも自分でも予想外の言葉でしたが、


「詐欺師の次は泥棒ですか・・・?」


 そう言ってまた笑うと、(では、もう一度)と言ってまた口付けを落としました。




 私、屋敷に着くまでに爆死しそうです!!





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 翌日、ゆっくり休んだ私は、午後から王宮に行くことになりました。表向きの理由は、王妃様へお茶会のお礼です。

 一応、昨日のお茶会は、途中解散になりましたが、王妃様と私達のお母様方が何とか誤魔化して下さったみたいです。どう誤魔化したかは怖くて聞けませんけど。

 まあ、それは置いておいて、本当の目的はルシェール様のお見舞いと、オーキッド様達の()()をどうするかです。それはですね。ちょっと考えたのですわ。いけるか、どうかは相談しないといけませんけど。


「リリ。準備はできているか?」


 今日は、クラウスお兄様と王宮に向かいます。昨夜、私よりも遅くに帰られたので、今日は午後から私と一緒に登城できるそうです。シリウス様は、本業の騎士団で昨日捉えた隣国の騎士?の、取り調べをしているはずです。



「はい。クラウスお兄様。準備万端ですわ」


 昼前にサンルームから摘んできた花は、元気が出るオレンジ色を中心にした花籠に仕上げました。爽やかで微かに甘い香りは気分が良くなると思います。ルシェール様が気に入って下さると良いのですが。

 それから、侍女のマーサが厨房に取りに行った手籠(バスケット)には、果物を沢山使ったクリームパイと、甘さを抑えたチーズパイが入っています。お好きな物が判らないので、甘い物と甘くない物をご用意して持っていきます。


「それでは、行こうか」


 私達は王宮に向かう馬車に乗り込みました。


誤字脱字は気づき次第修正します。

面白かった。続きが気になると

思って頂けましたら、最終話まで

頑張れるよう、評価ボタンを押して

下さると励みになります。


ブックマークしてくださった皆様も

ありがとうございます。


「異世界エステティシャンは、王室御用達!」も

そろそろ書かないと・・・


とにかく、頑張ります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ