表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/65

1. 妖精姫は求婚されました

誤字脱字、時間経過の修正を致しました。

本筋に関わる重要な修正はしていません。


【あらすじ お話し→お話、拉致誘拐→拉致】 おかしい。何だかおかしい。ありえない。

 目の前にいるのは濃紺に金糸の刺繍も鮮やかな宮廷近衛騎士。


「ということで、お返事を頂けますか?断ることはできませんが」


 何を言っている?というかほざいているの?この御仁は。


「えっと、貴方様は私と結婚しようとしているのですか?というか、貴方様は誰ですか?」


 今日初めて会ったよね?いくら私がおとぼけていたとしても、この目の前にいる人を忘れるはずはない。だって、記憶違いでなければこの人って、貴族であれば名前だけは誰でも知っているはず。

 社交界に疎い私でも名前だけは聞いたことがある。有名人本人らしい。


「私はシリウス・スタンフォード。宮廷近衛騎士団に所属しています」


「リリ・アンナ・グランデルク伯爵令嬢に求婚に参りました」


 何ニッコリ微笑んでんのよ?キラキラしさに眼が潰れそうですわ。




 シリウス・スタンフォードといえば、このメルト国の筆頭公爵のスタンフォード家のご子息サマ。

宮廷近衛騎士でありながら、文武両道との誉れ高い超有名人。そして何よりもこのキラキラしいお姿。

 均整のとれた長身はすらりとしていて、でもヒョロヒョロとしたか弱さはありません。いい塩梅のしなやかな筋肉に覆われて、暑苦しさなど感じられません。抜群のスタイルですわ。。


 そして何より白磁の肌は滑らかでそこいらの女よりも綺麗。通った鼻筋に、キリリとした理想的な二重でスタンフォード公爵家独特のサファイアの濃いブルーの瞳。 薄目で形の良い唇。キラキラしい金色の髪は緩く波打ち耳の下で結ばれて・・・


「聞いていますか?リリ・アンナ嬢?」


「・・・・・うっつ。は、はい!?」


 しまった。見とれていたわ。

 あまりに綺麗すぎて人間味がない感じに、時の流れが止まっていたみたい。


「聞こえていますわ。スタンフォード様。あまりに突然のことに頭がついていかないのです」


「シリウスで結構です」

 

 ファーストネーム呼びデスカ?無理ですし。


「シリウスと」引かないわね。


 何とか冷静に今の状況を整理したいわ。

 まずはお茶を一口飲んで気持ちを落ち着けましょう。

 ふー、美味しい。いつも良い仕事をしますね。当家の女給(メイド)達は。



「あの、シリウス様?は私と結婚したいと。その申し込みにいらしたのですか?」


「私達初めてお会いしましたよね?」


「そうです。できるだけ早く結婚したいと思っています。それに、貴方は初めて会ったと言いますが、私は貴方のことを2年前から知っています」


 ゲッ。何このストーカー。2年前って私まだ15歳の社交界デビュー直後じゃない。


 その時から知っていたってこと?でも、この人がいるような舞踏会やパーティーに行ったことがあったかしら?思い出せない。


「社交界の有名人でいらっしゃるシリウス様が、突然何をおっしゃるやら。何かのご冗談にしては、少々過ぎるのではございませんか。社交界に疎い娘を揶揄うのはお止め下さいな」


 見る人が昇天してしまうと言われている、とっておきの笑顔でお返しします。




「冗談や酔狂で、婚約申し込みに来るほど暇人でも不真面目でもありません」


 当家自慢のティーカップに優雅に口を付けている。絵になるわね。いちいち絵になるわよ。


「でも、当人だけで決められるものではないでしょう?」


「公爵ご夫妻に国王の許可も必要でしょうに」


 貴方様には絶対必要でしょう。


 基本格下からはお断りはできないのが暗黙の必須ルールであるため、私の両親は扉の向こうで息をつめて聞き耳を立てているはず。

 お父様は知っていたのかしら?


「ご心配なく。こちらに伺う前にすでに言質は頂いております。貴方のご両親にも当然許しを頂いておりますので、ご安心してください。」


 父よ。彼のオーラに中てられましたか・・・



「後は貴方のお返事を頂くだけです」





 私こと、リリ・アンナ・グランデルクはメルト国の貴族である伯爵家の長女です。

 両親と5歳年上のクラウスお兄様と、沢山の召使いとゆるーく平和に暮らしております。15歳で社交界デビューして2年目のもうすぐ17歳。


 本来ならば、社交に勤しみ結婚相手を見つけるべく日々精進しているのでしょうが、そんなこととは全く無関係な引き籠り生活をしておりました。なぜかって?


「リリ・アンナ嬢、貴方は昨年の王室主催の年4回の舞踏会すら、一度も出ていませんね?」


「皆が心配しております。グランデルクの ≪妖精姫≫ はどうしているのかと。まさか、朝露のように消えてしまったのかとも噂されています」


 ブーッ。危うくお茶をそのお綺麗な顔に噴射しそうでした。久しぶりに聞きましたよ。




 ‘妖精姫’。


 淡いプラチナブロンドは艶やかで月の光にも似て、癖がなく腰下までたっぷりと伸ばしています。そして、ほっそりとした体はきめ細かな白い肌で眩しいようです。   

 鮮やかな緑色の瞳は、見る角度によってメルト国の国花である矢車菊が見えると言われます。そして唇はぷっくりとして濡れるような濃い珊瑚色。




 そうです。自分で言うのも何ですが、見た目だけは物語に出てくる妖精のような感じです。


 はい。


なかなか投稿という作業になれませんが、これから頑張っていきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ