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刑事をやっていると経験則というものが積み上げられていく。
自分の脚で泥臭く走り回り、身体に沁み込ませた数々の事件達が、今起こる事件の解決へと繋がっていく。
そんな中で嫌でも鍛えられ研ぎ澄まされていくものがある。
刑事の勘というものだ。これは時にどんな資料や証拠よりも絶大な効果を発揮する。だが逆に、この後どんな最悪が訪れるかを予知のように知らしめる地獄の宣告となり得る事もある。そして、得てして俺の勘は後者において抜群の的中率を誇る。
デジャブのように部屋の中で両目を潰された死体を見つめ、何度目かのため息が漏れた。
――当たってんじゃねえよ。
一人目の死体を見た時、始まりだと思った。これは続くと。
その通りになった。もう三人目だ。こんなふざけた殺人が三件もだ。
恥だ。大恥だ。こうしている最中にも、四人目の目が潰されているかもしれない。
「クソが」
俺達が分かっている事は少ない。ただ数を重ねれば重ねる程、この事件が繋がっている事を明確にし、そして事件同士がどんな鎖で繋ぎ合っているのかが露呈する。
三件目にして、事件の色はくっきりと浮かびあっていた。だが理解出来ない所も多い。
「何が目的なんでしょうかね」
連日の捜査で三島の疲弊も相当なものになっている。早く終わらせなければならない。そうしないと先に俺達が潰れてしまう。
「捕まえて聞けばいいさ」




