0,93
0の続き。まだ本編とは言えない内容ですね(汗)
「…あ〜…もうなんもわかんないです。もう意味分かんねえ。もういやだぁあぁぁあ〜」
「そんなに落ち込まないで下さいマシ。生きてりゃ良かことありまんがなお嬢さん」
「…いけしゃあしゃあと言いますね…。あの〜、ちょっと質問いいですか?」
「おっけいでやんす」
「いやあの、ちょっと気になったんですけど…それ…さっきから何なんですか?口調がバラバラですよね」
「あ〜…なんていいますかね…。まだキャラが定まってないんですよワタシ」
「いやその口調で良くね?その丁寧口調でいいじゃん」
「…あ、はい。じゃあそれで…」
彼女の名前は春日薫。普通の女子高生。極普通の高校に通い、極普通の授業を受け、極普通の部活動をし、極普通の電車に乗って、極普通の家に帰宅する。
彼女が普通と違うところといえば、少しばかり不幸だったということだろう。
彼女の不幸とは、鳥のフンが頭に落ちたとか、テストの時にシャー芯がなくなったとか、単純な不幸ではなく…
「それにしても不幸ですね、薫さん。…親戚からは邪魔者扱い、親からは…」
「あ―はいはい!!それは自分がわかってますから!それ以上言わないで!」
そう、薫は普通よりも不幸だった。
そして死神。
正真正銘の死神である。
「えっと…なんか冒頭はすみませんでござりましたなぁ。急に変な自己紹介しちゃって、マジで」
死神は無表情。
「だから口調が…、ああもういいや…。や、自己紹介とか気にしてないので大丈夫ですよ」
薫はため息をついた。
「ところで死神さん。あなたがあたしのところに来たってことは、あたし死ぬってことなんですか?」
「………………………………あ、え?」
死神は、一瞬キョトンとした。
「いや、え?じゃないでしょ?」
(な、何なんだこの死神は…。漫画とかの死神とは大違いだな…)
「死神の仕事って、人間の魂を持っていくんでしょう?」
「あ〜ちょっとちゃいますなぁ。あかんで〜?変な先入観持ってもらったら」
死神は無表情のままで話し始めた。
口調がコロコロ変わって読みづらいと思われるが、そこは設定に従って書いているので勘弁していただこう。
「あたいら死神は、寿命が来た魂をゴートゥ〜ヘヴンするんでごわす。だから鎌持ってザシュゥゥゥ!とかナイナイ。まぢたりぃから」
「…つまりあたしは寿命が来たってわけか…」
「いいえ?違いますよ」
死神は言った。
「あなたの寿命はまだ尽きません」
「…………へ?じゃあ何で死神さんはあたしのところへ?」
死神は寿命が来た魂を持っていくという。
しかし薫の寿命はまだ尽きぬという。
「どうしてあなたはあたしのところに来たんですか?」
「………………………………えっと…、なんでカオリンのとこに来たんだっけ。たしか薫さんを連れて行くことが目的じゃなかったんですけど…。…あ、わっかんね。忘れちまった」
「ぇえ〜?」
引き気味の薫。
死神は気にしていないようだ。
「ま、どうでもいいや。とにかくワタシは薫さんに憑かなければならない何かしらの理由があったんです。というわけで、あなたに憑きます」
「ワタシの名前は死神DEATH。どうぞよろぴくおねげえしまっさ」
死神は、ぺこりと頭を下げた。