1.少年は生き返る。そして宿屋へ
少年は宿に。
第1話となります!
.....................................?
ふと目が覚めた。
目を開けると、そこには青空があった。
雲一つ無い青空。
「?ここは...?」
ゆっくりと体を起こして周りを見た。
どうやら広い草原に僕はいるらしい。何も無い、水平線に広がる草原の景色。
傍には 赤く光る花が、ゆらゆらと揺れている。
「???あれ?僕は死んだはずじゃ........。」
なんでだ? たしか消滅装置のボタンを押して、消滅したはずなんだけどなぁ......
しかもここは知らない土地。見たこともない場所だった。
「まぁ、施設から出てないから外の景色は知らないんだけどね....」
自傷な過去に思わず苦笑いした。
そんな過去に思いふけりながら、ゆっくりと立った時、ふと違和感を感じた。
異常に景色が高くから見える。下を見ても、足が少し離れて見えている。
「身長が伸びてる................................?体も、少し筋肉が付いてる?」
当時は9歳だった自分。
しかし今は違う
明らかに、10代中盤。 しかも背が高い。
「生まれ変わった?
いや、それにしては体がしっくり来すぎて....」
この不思議な事をうーん。と考えていた所、
ふと、心地よい水の流れる音が聞こえた。
近くに踏み寄ってみると、幅が狭い川が流れていた。
覗き込むように川を見た時、少年は驚いた。
別人という訳では無いが、昔の自分より、
随分と青年っぽい顔をつきになっていた。
そして1番気になったのが右目。
なんと包帯が巻かれていた。
するすると包帯を解くと、そこにはとても人間とは思えない光景が見えた。
目は縦に裂くように大きく、赤と黒の眼球があった。魔人と言っても過言では無いほど、異様な光景だった。
「うおっ.....凄いなこれ.....」
うーん。自分でも驚いた。
「とりあえず、これは巻いといた方がいいね....それにしても.............................................ここはどこだろう?」
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30分程適当に歩くと、とある街に着いた。
西洋の作りの家や屋台が並んだとても活気のある街だった。
塔や不思議な神殿など、多種多様な建物が並んでいた。
「すっごい..........................!!」
いやー凄い。人がいっぱい居るぞ!!
って、違う違う。まずは宿屋を見つけないと。
僕はまずは宿屋を見つけることにしていた。そこでのんびり街について調べようと思ったのだ。
何分か進むと、ノーラン宿屋という何か安心感の湧く小さい宿屋を見つけた。
ここにしよう。
中に入ると、
「いらっしゃい!!泊まりの用かい?」
茶髪に緑目の元気なオバチャン(ほんとにオバチャン)が元気よく声をかけた。
「あっ、はい。1泊しようかと.....」
「1泊ね。んじゃ、代金は銀貨4枚ね」
.......................あっ、お金必要なのか.........
参ったな................、なんにも無いや......。
お金の事をすっかり忘れていた。何せお金が必要無い生活だったもので。
「ん?どうした?もしかして、代金が払えないのかい?」
「すいません。今日は良いです。お忙しい中申し訳ないです。」
しまった、忘れていた.....
宿主にすぐに謝って、その場を離れようとすると。
「いいよいいよ!!今日は特別に無料で泊めてあげるよ!!」
え?無料!?
ホント?流石にそれは迷惑じゃ?
「え?そ、そんな、良いですよ。迷惑はかけられませんし。」
「いいってことよ!さ、さ、泊まっていきな!」
んーー。あまりいい気はしないけど。仕方がない。後で何か仕事を手伝おう。
ありがとう。宿屋さん!!
「ありがとうございます!!」
そんな訳で、運良く無料で宿泊ができた。
絶対に恩返ししよう。
オバチャンから、ある程度宿の説明が終った所で、この街の事について質問をしてみた。
この街はロードフォールドと言って、世界でも有名な都市の一つである。色んな地域から集まった商人たちが店を開いており、多種多様な商品が売られている。また、有名な魔法学園もあるらしく、結構な都市だと言うことが分かった。
「へぇ.....有名な都市なんだ.....」
「何言ってんのさ。ところで.....」
ふと目をやると、オバチャンが妙にこちらを凝視している。
「え、と、......な、何か?」
少しばかり怖がってしまった。
「ん?あーごめんね!いやー白い目だなぁっと。初めてみたからね!!」
「あ、これですか。はい、よく言われます。どうやら珍しい目を持ったもので。」
この白い目のせいで、あの施設に送り込まれたのは秘密。どうやら、神の子は白い目を持っているらしく。そこに不運にも僕がその目を持って生まれた。
あまりいい気持ちがしないな....
そんなことを心の片隅で思っていると、
「あら?もう夜ね。」
ふと外に目をやると、もう夜になり、月が輝きを放っていた。
「今日はすいませんでした。必ず恩は返します!!」
宿屋さんに頭を下げる
「あんた優しいね!!よし....気に入った!!もう一泊無料にしてあげるよ!!」
えー。
「えーーーと、流石にそれは困ります...」
苦笑いしながら、少年は答えた。
流石にそれはやりすぎて、遠慮してしまう。
「そう言えば名を聞いてなかったね。私はノーランよ。」
宿屋さんが唐突に聞いてくる。
名前か、
「僕は....」
そこでふと考えが止まった...。
なにせすぐ施設に入って、ずっとお前呼ばわりしていたせいで、名なんて無かったからだ。
名前なんて無い。
んー。どうするか....
必死に思考を巡らせると、
思いついた名前が、
「..................アマテです。ノーランさん、今日はありがとうございます。」
そう言って、僕は名をアマテとした。
理由は特にない。ふと思いついただけだ。
ネーミングセンス無いなぁ、僕....
「アマテね、珍しいわね。まぁ、今日はゆっくり泊まりなさいね。」
珍しいのか...
「はい!」
そう言って、ノーランさんと別れ、泊まる部屋に着いた。
ベッドにすぐに倒れると、睡魔に襲われた。
(あっ、もう寝れそう.....)
今日はつかれた.....。
しかし、人と普通に話せた。
これ程嬉しいことは無いな.......
と、心で喜びながら、少年、
いやアマテは眠りについた。
ZZZ.........
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山田「学園...神殿....なるほどフラグか....」
フラグ回収はいつぞやに....