死に帰り
どうしてこうなったんだっけ?
やっぱり自分が死ぬのには慣れていても、人が死ぬのを見ると気分が悪い。
しかもそれが、見知った者であれば。
こんなEND嫌に決まってる。
いつも通り、リセットした。
「REVIVEって知ってる?」
友人がそんなことを訊いてくる。
流行とかに敏感な彼だ、どうせ曲だとか映画だとかの話だろう。
「怪談?ていうか、都市伝説みたいなものなんだけど」
華麗に外した。
なんであんな曲だとか映画だとか言ったんだろうはっきり言って死にたい。
「なんか、この話を聞いた日に死ぬと3日間死ねなくなる、みたいな話」
何言ってんだこいつは。
「……で、話の内容は?」
「え、以上ですが」
「これだけってことはないだろ。死んだ女の人の怪談で、怖いのはこっからだ的な感じで出す話じゃんそれ」
「これだけだよ」
「これはまた内容薄っぺらい話だな⁉︎」
ぺらっぺらだったが、本人がそう言っている以上そうなのだろう。
生憎俺には存在しない話を友人に即興で捏造させるみたいな趣味はない。
「まあでも変な話だよな。話聞いたその日に死ぬなんて宝くじ当てるより確率低いじゃん」
「それ逆で宝くじ買おうとしてる人なだめる言い訳だと思う……」
「と言うわけで今日車に気をつけろよー」
「いっつも気をつけてるよ…」
それは過言で。
ただの驕りだった。
これはいつも通り自転車で帰宅中に起こった話。
終わりの話。
終われなかった話。
こんな小説よろしくみたいなタイミングで、俺は車に撥ねられた。