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ネイビージャイアント  作者: 水里勝雪
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第七話 執着の末

♪小さな生命いのちの声を聞く

 せまる不思議の黒い影

 涙の海が怒るとき

 枯れた大地が怒るとき

 終わる果てなき戦いに

 誰かの平和を守るため

 青い光を輝かせ 

 ネイビー、ネイビー、ネイビー

 戦えネイビージャイアント

 孝之が笑った。明かりが乏しい暗い部屋、壁一面に貼られた幾枚もの写真。そのすべてが同じ女性を写している。孝之の目はじっとその女性の姿を見つめそして笑みを浮かべた。


「彩、君はいつも美しい」

 孝之は壁に貼られた一枚の写真をそっと剥がし、その写真に写る彩に口付けをする。

「君は僕のものだ、僕だけの彩」

 机とベッド以外何もない部屋。窓にはカーテンが引かれ、外の景色は見えない。今が昼なのか夜なのかも分からないが、カーテンの隙間からかすかに差し込む月の光だけが外の世界が夜であることを物語っている。


 しかし、孝之にとってそんなことはどうでもよかった。ただただ満足げに壁に貼られた写真を眺めていた。そこには、笑顔の彩、真剣な表情の彩、困惑した顔の彩、驚いて目を見開いた彩、怒りに満ちた彩、泣きべそをかいた彩、様々な彩がいた。孝之は幸福そうに目を細めた。

 そんな彼がふとポケットに手を突っ込むと、そこから小型のカメラが現れた。


「さて、今日の彩はどうだったかな」

 孝之はカメラをパソコンにつなぎ、マウスでフォルダー内のファイルを開いた。パソコン画面に彩が大写しになる。それは会社のエントランスで同僚と話をしている彩だった。マウスをクリックすると写真が次々と送られていく。次も、その次も彩が写っている。孝之の笑みが止まらない。幾枚かの写真を送っていったとき彼の指が突然止まった。そこにはMECの隊員服を着た二人の男と彩が並んで映っている。孝之の拳が固く握られ、その腕は震えている。写真を送る。次も、その次もその男が映っている。

 ハッとなって孝之が壁の写真を見返した。重なった写真を何枚もめくり、目的のものを探す。彼の手が止まった。夜の街、歩道を歩いている彩の横に、MECの隊員服を着た男が写っている。


「こいつは何者なんだ」

 孝之は机の上にあったペンを手に取り、写真の男の顔に向かってそのペンを突き立てた。

「渡さない、彩はだれにも渡さない」

 そう言うとペンをさらに押し付ける。男の顔に穴があく。

「彩に付きまとう男はこうなる。思い知れ」

 孝之は写真の穴が広がっていくのを見つめながら不気味に嗤った。


 ×   ×   ×


「これが、キドラが巨大化する前に現れた飛行物体か」

 MECの作戦室では壁面に並ぶモニタを見つめながら一般隊員たちが日本各地の状況に異常がないか確認している。彼らから少し離れた場所、大型モニタの前に蒼真を含む五名の隊員たちが集まっていた。その画面には見慣れない金属の塊が映し出されている。吉野隊長がその物体を指し、誰とは言わず説明を求めた。田所が差し棒を片手にモニタ画面の前に立った。


「この物体は、長さ七十メートル、幅六十メートル。ジャンボジェット機の長さと同じ程度、幅も両翼を合わせたジャンボと同じ程度です」

 田所は差し棒を使い飛行物体の長さを強調した。棒の先には銀色に輝く立方体が映し出されている。その先端部の突起はやや丸みを帯び、宙に浮かんでいる。


「ただ、飛行機と違うのは羽がないこと。ほぼ立方体でどうやって飛んでいるのか分かりません。空中で静止することができる上、ヘリコプタのようなプロペラもなく、どうやってホバリングしているのか不明です」

「この後、この物体から霧状のものが噴射され、キドラが巨大化した」

 芦名が言葉を挟んだ。


「今、芦名さんが言ったように、この飛行物体から噴射された霧状のものからフレロビウムの放射線が検出されました」

 蒼真は芦名のコメントに補足を加えた。

「とすると、これまでの怪獣出現と、この飛行物体が関係していると言うことか」

 腕組みをしていた吉野隊長の顔が渋くなる。確かに隊長の言う通り、この飛行物体からフレロビウムが放出されたということは中にいる何者かが怪獣を操っていると考えられる。蒼真はふと、彩に近づいてきた黒衣の男の存在を思い出した。この中にはその男が乗っているのかもしれない。


 次に、三上が手に持っていた資料を見ながら議論に参加する。

「実は、これと同じような飛行物体が以前にも目撃されています」

「ほう」

 吉野隊長は腕を組むのをやめた。


「ある雑誌の記事です」

 三上が手元のボタンを押すと大型モニタの画面が切り替わった。そこには小さな文字が並び、その中央にはピントのぼけた写真が映し出されている。上段には大きな文字で「UFO出現、地球侵略の手先なのか!」と書かれていた。


「これは、とある三流雑誌の記事です。なので、だれもその記事を信用していなかったのですが」

 三上がさらに手元のボタンを押すと、記事の中央にあったピンボケ写真が大写しになった。

「おゝ」

 隊員全員が驚きの声をあげた。そこに映っていたのは紛れもなく先ほどの飛行物体だった。ピントが合っておらずかなりぼやけてはいるが、金属の立方体で、先端が丸みを帯びているところから同じ物体であることは間違いなさそうだった。


「見てもらった記事が雑誌に載ったのは最初に怪獣が北九州に現れる二日前、この雑誌社だけのスクープらしく、他の雑誌や新聞にもそれらしき記事は見られません。掲載された雑誌が、この手の怪奇現象を扱っていて、眉唾記事も多いので、当然世間から無視されていたようです。その後も、怪獣との因果関係に触れる人もなく、いつしか忘れ去られた、と言うわけです」

 芦名が少し首を傾ける。


「この記事の掲載された時期と、最初の怪獣が現れた時期が一致しているとなると、やはりこの飛行物体は……」

「宇宙人の仕業ですかね」

 芦名の言葉を遮り、蒼真が茶化すように口を挟んだ。三上はため息をつきながら、


「怪獣の次は宇宙人か、世も末だな」

 田所がクスッと笑う。それを見た吉野隊長が鋭い目つきで睨むと、田所の口元はすぐに引き締まった。

「この飛行物体が何者なのか分からないが、こいつを探し出せば何かがつかめるはずだ。なので我々は全力でこの飛行物体の発見を遂行する」

 吉野隊長は力強い声で言葉を発した。


「三上、芦名、田所が、まず空から偵察機スカイカイトで飛行物体を探索。蒼真君はすまないが、空からでもフレロビウムの放射線検出ができるように装置を改良してくれたまえ。よし、全員配置につけ」

「了解!」

 全員がその場を離れようとしたとき、蒼真が弱々しい声で提案を口にした。


「すみません、提案があるのですが……」

「なんだね、蒼真君」

 右手で後頭部を掻きながら蒼真は変わらず弱々しい声で続けた。


「関係ないのかもしれないんですけど……」

「どうした」

 芦名が心配そうに声をかける。

「ササキ製薬の鳥居彩さんの件で……」

 田所が首を傾げる。


「彩さんがどうしたんだ」

「以前聞いたんですが、彩さん、宇宙人と会ったらしくて」

「宇宙人に会った?」

 三上が素っ頓狂な声をあげた。


「正しくは、宇宙人と名乗る黒衣を着た男に声をかけられたと言ってました」

「黒衣の男って……」

 芦名の目が宙を見つめる。

「そう、芦名さんも一度会ってますよね。その男が彩さんを付けまわしているところを見かけているはずです」


「単なる変質者じゃないのか」

 三上は冷めた言葉を発する。蒼真は真剣な顔で吉野隊長を見る。

「今回の事件と関係あるかどうかは分かりませんが、どうも気になるんです」

 吉野隊長は頷きながら、

「確かに気になるな。一度、彩さんに詳しい状況を聞いた方が良いかもしれない」

 そして芦名の方に目をやる。


「彼女には色々協力してもらっていることもある。もしなにかあったら面目がない」

 吉野隊長は芦名の方に向き直る。

「芦名!」

「はぃ」

 芦名の声には、いつもとは違う元気のなさが漂っていた。

「君が行って、詳しく話を聞いてきてくれ」

「私が、ですか……」

 芦名は少し困惑した表情を浮かべた。


「僕も付き添いますよ、良いですよね、隊長」

 吉野隊長が頷くと、蒼真は嬉しそうに微笑んだ。

「行きましょう、彩さんのところに」

「あぁ」

 芦名は軽いため息を吐き決意を固めた。


「分かりました、行きます。さぁ、行くよ蒼真君」

 芦名は作戦室を出て行った。

「待ってくださいよ」

 蒼真もすかさず後を追いかけた。


 ×   ×   ×


「鳥居さん、頼まれてた資料です」

 ササキ製薬本社の廊下、外回りを終えた彩が歩いていた。営業部へ向かう途中、彼女は幾人かの社員とすれ違う。そのほとんどは白衣姿だった。そのとき聞き覚えのある声が耳に届く。振り返ると、薬品開発本部の片岡孝之が笑顔で片手をあげているのが見えた。彼の手には、小さなファイルが握られていた。


「あゝ、片岡さん」

 彩は片岡とすれ違ったことに気付いていなかった。片岡も白衣を着ていたため、彩にとっては気付きにくい状況ではあったが、本当のことを言えば興味を持っていない相手だったからである。

「ありがとうございます」

 彩は彼が差し出した資料を受取軽くお辞儀をした。


「鳥居さん、またなにかあれば声をかけてください」

 彩は微妙な笑みを浮かべた。この資料が絶対に必要だったわけではない。同僚と話している最中に、突然孝之が割り込んできて、

「そんな関係の資料、どこかで見たことがある。探しておいてあげますよ」

 と言ったのがきっかけだった。


 彩はその薄い資料をパラパラとめくっていく。うん、たいした内容ではない。

「またなにかあればお願いします」

 彩はさらに深いお辞儀をしてその場を立ち去ろうとする。

「鳥居さん」

 彼女の後ろから孝之の声が聞こえた。振り返るべきかどうか彩は一瞬迷ったが、

「はい」

 と無表情で振り返った。孝之は瘦せこけた笑顔を浮かべて、


「先日お話しされていたクライアントの話、その後どうなったか教えてもらえませんか?」

 先日とはこの資料に関して同僚と話していたときのことだ。

「すみません、また今度でいいですか」

「構いません、非常に興味深い話だと思ったので」

 そうかぁ? と心の中で思いながら、この痩せこけた男をどうやり過ごそうかと考えていたとき、彼女の後ろから後輩の声が聞こえた。


「彩さん、お客さんです」

 振り向くと小走りに後輩が近づいて来る。

「すみません、来客のようなので、また」

 彩は振り向き後輩のもとへ。

「彩さん、防衛隊の芦名さんと阿久津さんがお見えです」

「芦名さん……」

 彩の表情が少し曇った。後輩が彩の肩越しに孝之の姿を確認する。


「あの人、また彩さんのこと、見つめていますよ」

 彩は後ろにいる孝之のことだとは最初思わなかった。

「そうなんだ、気付かなかった」

「え、ダメですよ。いつも片岡さんの視線の先に彩さんがいます。気を付けた方が良いですよ。なんか気持ち悪いし」


 言われてみれば確かに彼が自分を見ていることがあったことを思い出した。ただ興味がなかったので頻繁に見られている感覚はなかった。それよりも今、会社に来ている来客の方が気になる。どうしていつも芦名が自分の前に現れるのか。イライラする気持ち以外に何か動悸がする。どこか心地悪い、いや、それとも違う。ただ神経が昂ぶることだけは変わらなかった。


「そうね、ありがとう。気を付けるわ」

 彩は振り向くことなく応接室に向かった。後輩に言われたからか背中に熱い視線を感じながら。


 ×   ×   ×


「宇宙人ですか?」

 彩が小首を傾げる。

「あの黒衣の男のことで、なにか気になったことはないですか」

 芦名が前のめりになる。


「さぁ、単なる風変わりなおじさんとしか思っていませんでしたから」

 ササキ製薬の応接室。以前、中原課長格と話をしたことがある部屋だ。ソファに浅く座る芦名に対し、彩はソファに深く腰掛け、目の前の芦名との距離を取っている。彼女の手にはハンカチが握られ、少し下を向いて芦名を見ていない。


「なんでもいいんです。様子が変だとか、なにか人とは思えないことがあったとか」

 彩はハンカチの端をいじりながら、

「さぁ、特には」

「そうですか」

 芦名がソファに深く座りなおした。


「すみません、お役に立てずに」

 彩が軽く頭を下げる。ふーっと芦名が息を吐く。

「芦名さん、そんなに彩さんを問い詰めちゃだめじゃないですか」

「あゝ、すみません。つい力が入って」

「すみません、彩さん。分かっていると思いますけど芦名さんは仕事熱心なので」

 頭を下げる蒼真に彩がクスッと笑った。


「謝るのはこちらです。本当に思い当たることがなくって」

「その後、あの男は彩さんの前に姿を現しましたか?」

「えっ」

 彩の動きが一瞬止まった。


「現れたんですね」

 芦名は彩の反応を見逃さなかった。観念した彩は、二度目に黒衣の男が現れたことを認めた。

「ところで、その宇宙人って名乗った男は彩さんになんの話があったんですか?」

 蒼真の問い掛けに彩の耳にあの男の声が蘇る。

『芦名雄介。私は彼が最も危険な人物だと考えています。なので彼を恨んでいるあなたに協力してほしいのです』


「なんでも地球を救いに来たと」

 彩は感情を表に出さずに答えた。

「地球を?」

 蒼真は驚きの声をあげた。


「人間の手で地球上の環境が激変してしまった。このままではすべての生命が死に絶えてしまう、地球に生命が住めなくなる、って感じでした」

「生命が生き続けられない……」

 その言葉に蒼真が黙った。


「最初はなにかの新興宗教かと思ったんですけれど」

 蒼真が黙り込むと、芦名が代わって質問を続けた。

「で、その宇宙人は彩さんになにを求めてきたんですか?」

「それは……」

 彩に再び男の声が。

『あなたのお弟さんは無茶な作戦で命を落とした。その原因を作った男を本当に恨まずにいられますか。さぁ、あなたの怒りを爆発させなさい』


「その話をしただけで、特にそれ以外はなにも」

 彩が視線を芦名たちから外した。

「なにも求めなかったと」

「えゝ」

 彩のハンカチをいじる回数が多くなる。芦名を目の前にして黒衣の男の言葉は言えない。例え本当に芦名のことを恨んでいたとしても。


「ところでどうして宇宙人のことなんて調べているんですか?」

 彩の視線が芦名たちの方へ戻った。彼女の問いに応えるべく、蒼真がポケットから写真を一枚取り出した。

「彩さんだから言いますね。他の人に喋っちゃだめですよ」

 蒼真が彩との間にあるテーブルに写真を置く。ソファに深く座っていた彩がその写真の覗き込む。少しだけ芦名との距離が縮まった。


「なんです、これ?」

 そこには奇妙な物体が空に浮いている。

「この前の怪鳥事件で現れた飛行物体です。フレロビウムを噴霧したことから怪獣はこの飛行物体に関連していると考えています」

「そうなんですね」

 彩は写真を手に取った。


「明らかに地球の飛行物とは思えません。推測の域を出ないですが、地球外のどこかの星から来たのではないかと思っています」

「それで宇宙人のことを調べているんですね」

「ご明察」

 蒼真は人差し指を立てて彩の正解を示した。その話を聞いた彩はもう一度じっくりと写真を見つめる。


「ごめんなさい、やっぱり黒衣の男との関係は分からないわ」

「そうですか……」

 蒼真は残念そうに写真を回収した。芦名が立ち上がった。

「すみません。お仕事中にお邪魔しました。これで我々も引き上げます」

 彩も遅れて立ち上がった。

「いえ、本当にお役に立てず申し訳ありません」

 最後に立ち上がった蒼真が、


「でも、注意してくださいね。この物体と宇宙人と名乗る男との関係は分かりませんが、彩さんが我々に協力してくれているのは事実なので」

「ありがとう蒼真君。気を付けるわ」

「では、これで」

 芦名が一礼して応接室の扉に向かう。その後を行く彩。二人が廊下に出たとき、


「あ、そうそう」

 その二人を蒼真が呼び止めた。

「彩さん、これを持っていてください」

 蒼真が小型のブローチを彼女に手渡した。

「これは?」

「中に通信機が入っています。ダイレクトに僕たちに連絡が取れるので、もしまたあの宇宙人を名乗る男が現れたら連絡してください」

 彩は蒼真の手からブローチを受け取り、胸に付けて見せた。

「似合う?」

「もちろん」

 蒼真は笑顔で答え、芦名は黙って一礼した。 そんな三人を廊下の端から見つめる男がいた。その目は憎しみで赤々と燃えていたが、廊下にいる三人はそのことに気付いていなかった。


 ×   ×   ×


 片岡孝之は一人、試験管を睨みつけていた。

 誰もいなくなったササキ製薬の試験室には多くの試験管やビーカー、三角フラスコが机の上に並んでいる。部屋の半分は蛍光灯が消され静寂が支配していた。唯一、孝之が座る椅子の軋む音だけが響いている。


 あの男はだれだ? 防衛隊怪獣攻撃チームMECの隊員服を着た二人、あれはだれだ? いや、二人じゃない。二人のうち、体格のいい男、彩が彼を見る目は何かが違う。視線を合わせようとしないが、一度目が合えばその目は大きく見開かれる。明らかに意識している。そう思えば思うほど、心の苛立ちは抑えきれない。 彼の見つめる試験管に彩の面影が映る。その妖艶な美しさ、その背後に男が現れ、彩を包むように抱きしめた。彩は恍惚の表情を浮かべ、彼に自らの体を預けていった。


「くそっ!」

 孝之は試験管を投げつけた。静寂の試験室に響く破壊音、粉々になったガラス片の一片が孝之の頬をかすめた。彼の目の下には一筋の血が流れていった。

「そんなに彩って言うおねえちゃんが好きなんだ」

 だれもいないはずの部屋にか細い少女の声が響いた。ハッとして振り向く孝之の目に映ったのは白いワンピースを着た少女だった。

「お嬢ちゃん、どこから来たの。ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」

「そうなの、でも関係ないよ」

 少女は微笑を浮かべる。

「だってお兄ちゃんが呼んだんだよ、私のこと」

「呼んだ?」

 少女は頷いた。孝之はこの子はだれで、何を言っているのだろうと思いながらも、少女の微笑みに引き込まれそうになった。


「そんなに彩さんが好きなら、その芦名って男から奪えば良い」

「奪う?」

 子供なのに大胆な発言だ。大人の言葉を真似るこまっしゃくれた女の子なのだろう。しかし、「奪う」という言葉は、今の孝之には必要な言葉である。そう、彩をあの男の手から奪うのだ。しかし。

「奪うって簡単に言うけど、どうやってやるんだ」

「これを使うの」

 少女の手に香水の瓶が握られている。

「香水?」

「これを彼女に嗅がせれば、あなたの言うことをすべて聞くことになる」

「こんなもので?」

「これはただの香水じゃないの。でも注意して、効き目はせいぜい半日程度」

 孝之は瓶を手に取った。それが秘薬には見えなかった。子供の冗談かもしれない。しかし、もしそれが本当なら。


「でも、もしうまくいかなかったらこれを開いて」

 少女の手にもう一つ、薄汚れた麻袋が握られている。

「これは?」

「彼女があなたの言うことを聞かなかったとき、裏切ったと思ったときに開くの」

「するとどうなる?」

「それはそのときになってみないと分からないわ」

 孝之は少女の意味不明な言葉に当惑したが、しかし、もしそれが本当なら。


「きっとお兄ちゃんならうまくいくよ、彩さんを奪うの」

 孝之は大きく頷き再び香水の瓶を見つめた。この話が本当なら彩が自分のものになるかもしれない。あの彩が、僕の求めていた彩が。香水の瓶に彩の笑顔が浮かぶ。孝之はニヤリと笑い前を向いた。そこにはもうあの少女はいなかった。


「夢か?」

 だが手には香水の瓶と麻袋がある。

「少女は? あの子は神の使いか?」

 孝之はまだ信じられなかった。この香水で彩を手に入れるなんてありえない。子供の悪戯かもしれない。しかし、嘘とも思えない。いや、嘘ではない、夢でもない。きっとだれかが僕を応援してくれている。だからこそ、だれかが少女を遣わしたのだ。


「そう、これで彩は僕のものだ」

 意味のない自信が孝之を覆っていく。

「これで、これで彼女は、あは、あはははぁははぁ」

 孝之は笑い続ける、その声は次第に大きくなっていく。静寂の夜の試験室に彼の笑い声だけが異様に響き渡っていた。


 ×   ×   ×


「鳥居さん、お話が」

 金曜日の午後五時、ササキ製薬のエントランスには週末を楽しみにしている社員たちが多数帰宅していた。その人々の波の中に彩もいた。彼女を見つけた孝之が人の波を横切って近づいてきた。

「なんでしょう?」

「ここじゃぁ、邪魔なので少しあちらへ行きませんか?」

 孝之は彩の腕を取り、人の波を横切ってエントランスの隅へと向かった。そこには来客専用のパーティションで区切られたブースがあり、その一角に孝之は彩を連れて入った。


「どうしたんですか」

 彩は孝之の腕を振り払い、不快そうに問いかけた。

「すみません、緊急の用で」

「緊急?」

 彩は首を傾げ、孝之はブースにあるパイプ椅子に腰を下ろした。

「座ってください」

 彩は仕方なく彼の向かい側の席につく。


「なんですか、緊急の用って?」

「実は防衛隊の芦名隊員に頼まれて」

「芦名さん?」

 彩の表情が曇った。芦名が何を?

「実はフレロビウムを検出する触媒の増産についてのことらしいんです」

 彩はさらに不信な表情を浮かべた。触媒の件なら芦名さんではなく蒼真君のはず。なぜ孝之が芦名の名前を出したのだろう? そもそも芦名と孝之に接点なんてあっただろうか。


「これがその触媒に関する新しい物質です」

 孝之はポケットから香水の瓶を取り出し、それを二人の間の机にそっと置いた。「これが?」

 彩が瓶を手に取る。

「そう、これがあれば放射線を検出する装置の大量生産ができるはずです」

「?」

 彩は香水の瓶をじっと見つめた。これが新しい物質なのだろうか? 一見、何の変哲もない液体に見える。あの中原課長格ですら作れなかったものをなぜ孝之が?


「このことは機密性が高いので社内でもごく一部の人間しか知りません」

「それをなぜ今私に?」

「芦名隊員さんから指示がありました。これを彩さんに防衛隊まで持ってきてほしいと」

「芦名さんが?」

 彩は首を少し傾けたまま再び瓶の中を見つめた。一体だれがこの物質を開発したのだろうか。それ以上になぜ芦名がこの件に関与しているのだろう。確かに彼は蒼真とともにフレロビウムの触媒開発に関わっている。しかし、今回の件には違和感を覚える。彼の行動と今回の件は一致しないのだ。


「疑ってます?」

 孝之の言葉に心を見透かされたようで、彩はハッとし軽く首を横に振った。

「瓶の物質は人には無害です。一度匂いを嗅いでみては? 普通の香水でないことはそれで分かりますよ」

「え、大丈夫なんですか、こんな大事なもの」

「鳥居さんに疑われてはこの先困りますから」

 彩は根拠もなく孝之を疑ったことを申し訳なく思った。


「大丈夫です。片岡さんのこと疑ってませんから?」

「いいえ、嗅いでみてください。是非、僕の気持ちが収まりませんから」

 彩の心は申し訳ない気持ちで満たされていた。彼の言う通りに瓶の蓋を開け鼻の近くへと持っていく。甘い香りが漂う。これが新しい物質なのだろうか? 何だろう? 気持ちいい。何か分からないが心地良い。 彩の意識は次第に薄れていく。

 遠くで孝之の笑顔が見える。


「さぁ、僕と一緒に行こう」

 彩の意識がさらに朦朧となる。無意識に彼女は頷いた。それを満足げに確認した孝之の表情が彩の最後の記憶となった。


 ×   ×   ×


 彩が目を開いたとき、そこには高い天井と大きな天窓が目に入ってきた。

「どこ?」


 ロッジ風に作られた木目調の天井と白い壁、窓は壁いっぱいに広がり、外の緑がその先の風景を隠している。どうやら自分はベッドで眠っていたらしい。ここはどこ? 彩の記憶は孝之の満足そうな表情で途切れている。それから何があったのだろう?  起き上がろうとするが左右の腕が動かない。足も! 見ると、手足がロープで縛られていた。


「お目覚めですか?」

 ベッドの横、ロッキングチェアで孝之が揺れていた。

「ここはどこ?」

「ここは僕が子供のころから使っている別荘、いつか君を招待したいと思っていたんだ」

 孝之は立ち上がり、ゆっくりと彩に近づいていった。彩は身をよじり、ロープをほどこうと必死だったが、その努力は報われず、逆に動くことでスカートが少し捲れ上がる。


「私になにをしたの」

 彩はその大きな瞳で孝之を鋭く睨みつけた。しかし孝之はその視線を意に介さず、乱れた彼女のスカートを静かに整えた。

「心配しなくっていいよ。まだなにもしていない」

 孝之はベッドの端に腰を降ろした。

「君を意のままにするのは簡単だ。でもそれでは意味がない。君が僕のことを好きになってくれないと」

「好きって!」

 彩は再び身をよじり孝之から離れようとした。

「人をさらっておいて好きはないでしょ」


「そうかな。古今東西どの国の話でも、お姫様は王子様に連れられて幸せになるもんだ。日本には鬼にさらわれて幸せになったお姫様の話もある」

 孝之が彩の全身をゆっくりと舐めるように見ていく。その視線に彩の背中に冷たいものが走った。

「いいかい、お姫様。君は僕と言う王子に見初められたんだ。素直に喜ぶべきだと思うよ。それともなにかい、僕より芦名雄介の方がいいと言うのか?」

「芦名さん?」

 彩は息を呑むような声で叫んだ。なぜ、なぜこの男は自分がこの世で一番憎んでいる男の名前を口にするのか。


「君が芦名隊員に好意を持っていることぐらい僕は分かっているよ。でもね、でも僕は負けない、芦名雄介から必ず君を奪い取って見せる」

 孝之が彩の体に触れた。


「イヤ!」

 彩が彼の手から逃れようとさらに身をよじった。

「そうですか、そんなに嫌ですか。そうですよね。今までも君を見続けてきたのに君は僕には無反応だった。興味がなかったのかな」

 孝之は立ち上がり、ポケットから見覚えのある香水の瓶を取り出した。


「これの威力はご存知でしょう。これで君は僕を無視できなくなる。そう、興味を持たざるを得なくなる」

「いや、だれがあなたなんかと」

「さぁ、お姫様、僕と幸せになりましょう」

 瓶の蓋が開く、そして孝之が瓶を彩の顔に近づけていった。

「やめて、お願い」

 哀願する彩にあの甘い香りが。彼女の意識が遠のいていく。


「助けて……」

 彩の脳裏にMECの隊員服を着た背の高い男性の姿が浮かんだ。その瞬間、玄関からチャイムの音が響いた。

「ちっ」

 孝之が舌打ちをする。彩の目は朦朧としている。再びチャイムが鳴った。

「仕方ない、お楽しみは後だ」

 孝之がインターフォンに出る。


「宅配便です」

 孝之はこんなところに宅配便? と疑問を抱きながらも玄関に向かった。扉を開けると、大きな段ボールを抱えた男が立っていた。見たことのない制服を着ており段ボールで顔が隠れていた。


「片岡孝之さんですか?」

「あゝ、だれからだ?」

 段ボールを抱えた男は無言のまま孝之に荷物を差し出した。孝之は驚きながらもその荷物を受け取る。その瞬間、別の男が彼の横をすり抜けていった。

「なんだ、お前は!」

 孝之は段ボールを投げ捨て男の後を追った。先を行く男は迷いなく目的の部屋へと向かいその部屋に到着するや否や、ベッドに横たわる彩を抱き起こした。


「しっかり、しっかりするんだ。彩さん。しっかりして」

 霞んでいた彩の瞳が次第に正気を取り戻していく。

「芦名さん、助けに来てくれたの……」

 彩はこれが夢ではないかと疑った。しかし、目の前にいるのは間違いなく芦名だった。芦名は彩の手足に結ばれていたロープをナイフで切り離した。


「なにをしている。勝手な真似するな」

 肩で息をしながら、孝之は扉の前で仁王立ちし、鋭い目つきで芦名を睨みつけた。部屋に入る彼の手にはしっかりとゴルフクラブが握られている。

「お前が芦名雄介か、彩は僕のものだ、お前には渡さない」

 孝之がゴルフクラブを振り上げた瞬間、大きな段ボール箱が彼に向かって飛んできた。


「片岡孝之、彩さんを誘拐した容疑、警察に連絡済みだ」

 孝之の背後には阿久津蒼真が鋭い目つきで彼を睨みつけていた。

「これは、彩とは合意のことだ」

「詳しいことは警察で言うんだな。彩さんが本当のことを証言してくれる」


「なに!」

 孝之の手はゴルフクラブをしっかりと握りしめその力が増していった。

「お前ら、なんの権利があって僕を邪魔する」

 孝之がゆっくりと蒼真に近づいてくる。蒼真は構えを崩さずに待ち受ける。そのとき、遠くからパトカーのサイレンが鳴り響きその音が次第に近づいてきた。


「お前らが、いや、お前がいなければ」

「孝之は歩く方向を変え芦名と彩がいるベッドの方へと向かった。ゴルフクラブをだらりと下げながらゆっくりと二人に近づいていった。

「芦名雄介、お前を許さない。いや、鳥居彩、お前こそ生かしてはおけない。お前は俺とここで死ぬんだ。二人であの世で結ばれるんだ」

 引きずっていたゴルフクラブが持ち上がる。

「やめろ、悪あがきするな」

 芦名がMECガンを構えた。


「許さない。お前たちを許さない」

 その瞬間、どこからともなく白い霧が孝之の体にまとわりついた。蒼真の腰に付けられた放射線検出器のアラームがけたたましく鳴り響いた。

「フレロビウム、芦名さんフレロビウムです」

 そう叫ぶころには、孝之の体は完全に白い霧に包まれていく。その霧は徐々に巨大化し周囲を覆い尽くしていった。


「危ない、二人とも早く建物の外へ逃げて」

 蒼真の言葉を受け、芦名は彩を抱きかかえ、窓を叩き割って庭へと脱出した。

 白い霧は天井を突き破りさらに天へと広がっていく。


「キャー」

 彩の叫び声は崩れゆく建物の轟音にかき消されていった。白い霧が晴れるとそこには三つの目を持つ怪獣が姿を現していた。その鼻先には大きな角があり二本足でゆっくりと芦名たちに近づいてくる。

 その憎しみに満ちた三つの目が二人を捉え片足を大きく上げて芦名と彩を踏みつぶそうとした。その瞬間、青い光が芦名たちの目の前を横切り、怪獣に体当たりして二人の前から遠くへと吹き飛ばした。


「ネイビー、来てくれたのか」

 ネイビージャイアントは仁王立ちで怪獣サンガーラの前に立ちはだかった。怒りに燃えるサンガーラが今度はネイビーに突進してきた。ネイビーはその突進を受け止めるが足元がじりじりと後退していく。

 ネイビーは身をかわしサンガーラを地面に叩きつけた。倒れたサンガーラに馬乗りになり拳を振り下ろすネイビー。しかしサンガーラはネイビーの振り下ろした腕をつかみ後ろ足で彼を投げ飛ばした。地面に叩きつけられたネイビーは動きが鈍くなりその隙にサンガーラが圧し掛かる。サンガーラの体重に息が詰まるネイビー。その上にサンガーラの拳が幾度も振り下ろされる。繰り返し殴られたネイビーの両手から力が抜けサンガーラは立ち上がり、勝利の雄叫びを挙げた。


「あっ、ネイビー」

 芦名たちは息を飲んだ。サンガーラは再び芦名と彩の位置を確認し、恐ろしいほど低い鳴き声を発しながら彼らに近づいてきた。

「キャー」

 恐怖に駆られた彩は芦名の腕をしっかりと握りしめた。芦名もまた彩を強く抱きしめる。サンガーラが二人の眼前まで迫り今度こそ二人を踏みつぶそうと片足を大きく上げた。


「いやぁぁぁ」

 彩は恐怖のあまり気を失った。芦名ももうだめだとあきらめて目を閉じたが、何も起こらない。目を開けるとネイビーが四つん這いになって彼らを覆っていた。そのネイビーに怒りを覚えたサンガーラは何度も何度も足でネイビーを踏みつけた。


「くそー。負けるな、ネイビー」

 そのとき芦名の体が軽くなっていくのを感じた。優勢だったサンガーラが突然吹き飛ばされその前に立ちはだかるネイビーの姿が現れた。その色は紫紺に変わっていた。


 ネイビーが手をクロスさせると赤い光線がサンガーラに直撃し、仰向けに倒れたサンガーラにネイビーが乗りかかった。先ほどのお返しとばかりに拳を何度も振り下ろすネイビー。サンガーラの三つの目、その真ん中に赤い光が灯り目を白黒させ始めた。


 ネイビーはサンガーラを持ち上げ地面に投げ飛ばした。痙攣するサンガーラの中央の目にネイビーの青い光線が直撃する。サンガーラはそのまま体を固くし静かに消えていった。


 ×   ×   ×


 彩はベッドの上で目を覚ました。しかし前回とは様子が違う。白い天井と白い壁が広がっている。どうやら今回は病院のベッドに横たわっているようだ。

「気が付きました?」

 彩が起き上がると今度は両手両足が自由に動く。ベッドサイドには花瓶にオレンジ色のガーベラを活けている美波が立っていた。


「ここは?」

「彩さん、三日間眠り続けていたんですよ」

 三日? そう、あの日から三日が経ったのか。孝之に誘拐され、彼が怪獣に変わったあの日から。にもかかわらずあのときのぬくもりが今でも腕に残っている。怪獣に踏みつぶされそうになったとき思わず抱きついた。芦名の腕、そして彼に抱きしめられた温かさが。


「芦名さんや蒼真君は?」

「無事です、ネイビージャイアントが助けてくれたんですって」

「そう、よかった」

 彩は芦名が無事だと知り安堵の息をついた。しかしその後、心の奥底で妙なざわつきを感じた。なぜだろう、自分は芦名を憎んでいるはずなのに、なぜ彼の無事を聞いて安心したのか。


「これ、芦名さんから」

「美波は花瓶の横に置かれていた封筒を手に取り、彩にそっと手渡した。

「芦名さんから?」

 彩は訝しげに封筒を覗き込んだ。中には便箋と何かが入っている。便箋を取り出して開いてみると大雑把ながらも力強い筆圧の文字がびっしりと並んでいた。


『彩さんへ

 お体大丈夫でしょうか。ちなみに私と蒼真君は特にケガもなく勤務に戻っています。ところで彩さんを襲った片岡孝之ですがあなたに対してストーカ行為をしていたようです。部屋から盗撮した写真が幾枚も見つかりました。宇宙人と接触するかもしれないと蒼真君が渡してくれた発信機付きブローチが今回大変役に立ちました。蒼真君には感謝です。どうして片岡孝之がフレロビウムを持っていたのか、今となっては分かりませんが、宇宙人の仕業だとするとやはり彩さんの周りに何か起こる可能性があります。今回お渡ししたブローチは怪獣に襲われたときに壊れたようなので、新しいブローチを同封しておきます。身に着けておいてください。

 追伸 怪獣に襲われたとき、非常時とは言えあなたを抱きしめてしまいました。不愉快だったかもしれません。お許しください。

 芦名 雄介 』


 読み終えた後、彩は封筒を逆さにしてみた。すると、中から以前もらったものと同じブローチが転がり出てきた。

「わー、いいな。プレゼントがあるなんて」

「違うわよ。これは護身用」

 彩はそう言うと、少し嬉しそうにブローチを見つめた。


「いいな、芦名さん優しくって。どこかの気の利かない鈍感な男と違って」

 美波が頬を膨らますと、

「蒼真君だって優しいよ。きっと美波ちゃんのこと必死で守ってくれると思うよ」

「そうかなぁ」

 美波は小首を傾げた。


 彩はもう一度ブローチを見つめた。自分は芦名を憎んでいるはずなのになぜか今はその感情が薄れている。彼の腕の中が温かかったからだろうか? それとも…… このブローチに答えがあるのだろうか? ブローチは何も答えず、ただきらきらと輝いていた。

《予告》

謎の飛行物体、その写真を偽物扱いされたカメラマンの亮介、彼を想う渚が慰めるなかMECの芦名と蒼真が彼を訪ねて来る。名声をあげたい亮介がとった行動とは。次回ネイビージャイアント「スクープ、謎の飛行物体」お楽しみに

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