第五十一話 侵略星の子
♪淡い光が照らす木々
襲う奇怪な白い霧
悲嘆の河が怒るとき
敗れた夢が怒るとき
自由を求める戦いに
愛する誰かを守るため
青い光を輝かせ
ネイビー、ネイビー、ネイビー
戦えネイビージャイアント
さら地となった神山研究所の前に蒼真はひとり立ち尽くしていた。春の陽光が、まだ冷たさを残す風に乗って頬を撫でる。空は淡く霞み、遠くに見える富士山の輪郭は春霞に溶けるように白く濁っていた。それは毎年春に見ていた風景だった。去年も、美波と並んでこの場所から同じように富士を眺めていた。
だが今、その隣にはだれもいない。蒼真はゆっくりと目を閉じ、唇を震わせながらつぶやいた。
「終わったよ、美波。僕はもうこれ以上、人を殺さずに済みそうだ」
足元にはかつて青々とした芝生が広がっていたはずの庭が、今は無残に掘り返され、むき出しの土となっていた。美波が毎朝水を撒いていた花壇も、草の一本すら残っていない。風が吹き抜けるたび、土の匂いが舞い上がり、かすかに焦げたような残り香が鼻をかすめた。
「もう少し早くこの状態になっていれば、美波が空に逝くこともなかったのにね。ごめんね、僕のせいだ。僕がもっと早く怪獣撃退の対策を考えていれば……」
声が震え、言葉の最後は風に溶けた。蒼真の目に溜まった涙が、頬を伝って静かに流れ落ちる。彼は拳を握りしめたまま、しばらく動けずにいた。
そのときだった。背後から、足音もなく空気の密度が変わる気配がした。蒼真の背筋に冷たいものが走る。
「阿久津蒼真、あなたの戦いは終わりませんよ」
低く、乾いた声が背後から響いた。蒼真はゆっくりと振り返る。そこには黒衣の男が立っていた。逆光の中でその顔は半分影に沈み、口元だけが不気味に歪んでいた。
「どういうことだ。もう怪獣はMECの手で葬り去ることができる。僕が直接戦うことはないはずだ」
男は唇の端を吊り上げ、まるで楽しむように言った。
「まもなく、我々の星から同胞がやってくる」
蒼真の目が見開かれる。
「! それは以前、巨大ミサイルを破壊したときと……」
「そう、同じだ。あのとき、お前たちによって多くの同胞が死んだ。今回はそうはさせない」
黒衣の男が嗤う。
「どういう意味だ!」
蒼真は一歩踏み出し、鋭く男を睨みつける。風が吹き抜け、男の黒衣がはためいた。
「今までは、私が地球に先乗りして人類を滅ぼす計画だった。だが阿久津蒼真、お前の妨害でそれは果たせなかった。だから今回は同胞の中でも軍事関係の者たちがこの地球へやってくる。地球人と我々との全面戦争になる」
「なに!」
蒼真は思わず空を仰いだ。青く澄んだ空の向こうに見えないはずの宇宙の気配が迫ってくる、そこから無数の宇宙船が降りてくる光景が脳裏に浮かび、背筋が凍る感覚を覚えた。
「そう、地球は戦場になる。あなたもきっと、戦いに巻き込まれるでしょう」
男は再び、不敵な笑みを浮かべた。その笑みはすでに勝利を確信している者のそれだった。
「そんなこと、以前と同じように宇宙で食い止める。地球へは来させない」
蒼真の声は低く、しかし確かな決意を帯びていた。
「そうはさせません。なぜなら、あなたをここで拘束するからです」
その言葉と同時に男の手が黒衣の内側から何かを引き抜いた。気づいたときには銃口が蒼真に向けられていた。蒼真が身構えるよりも早く、乾いた銃声が、春の空気を裂いた。
× × ×
鈴鹿アキが神山さとみの研究室に足を踏み入れるのはこれが初めてだった。廊下の奥にある重厚な扉を前に、彼女は一瞬だけ立ち止まった。
なぜか今まで、ここに来ることを避けていた気がする。理由ははっきりしない。ただ、蒼真とさとみの間にある“何か”を無意識に遠ざけていたのかもしれない。
それでも今日、彼女はここに来た。蒼真のことがどうしても心配だったから。
「どうぞ」
扉の向こうから、さとみの声が静かに響いた。アキが一歩踏み出すと、研究室の空気が肌にまとわりつくように重く感じられた。壁には星図や怪獣の生態図が並び、棚には分厚い資料が整然と並んでいる。窓から差し込む午後の光が書類の端を淡く照らしていた。その奥、豪華な机の前に美しい女性の姿が見える。淡い光がひと際彼女の美を引き立てていた。アキはやや腰が引けてしまう。
さとみは落ち着いた様子で、アキに教授室の奥にあるソファを指さした。
「さとみさん、蒼真君は?」
アキの声には焦りと不安が滲んでいた。
「ここ三日、研究室には現れていないわ」
さとみは微笑みながら席を立ち、部屋の中央のソファに腰を下ろした。そしてアキにも座るよう促す。その笑顔はどこか張りつめていて、奥に沈んだ何かを隠しているようだった。
アキもソファに腰を下ろした。クッションの柔らかさが、逆に胸のざわつきを際立たせる。
「さとみさんは、蒼真君のこと心配じゃないんですか?」
問いかける声は、少しだけ震えていた。
「当然、心配しているわよ」
さとみの表情が神妙に変わる。
「でもね、今は彼、ひとりでいたいと思ってるの」
「それは…… 美波さんのことがあるからですか?」
アキの声が静かに落ちる。
「それもあるわ」
「それも?」
アキが首を傾げる。さとみの言葉の奥に、まだ何かがあると感じた。
「彼は今、戦う理由を見失っているの」
さとみはソファに深く座り直し、足を組んだ。その仕草には言葉にできない重さが滲んでいた。
「蒼真君は優しい。だから今まで戦ってきて、たくさん傷ついてきたの。それはアキさんもご存知でしょ?」
「ええ、それは……」
アキは頷きながら、胸の奥が締めつけられるような感覚に襲われた。
「彼はもう、限界なのよ。そんな中で、叔父さんが亡くなった」
「その件ですけど…… 蒼真君、なにか隠しているような気がして」
アキの体が自然と前のめりになる。
言葉にできない違和感がずっと胸に引っかかっていた。
「それは……」
さとみの声が一瞬だけ揺れた。
「さとみさんはご存知なんですね」
アキはさらに身を乗り出す。彼女にはさとみの瞳の奥に確信のようなものが見えた気がした。自分の知らない蒼真のことを彼女は知っている。
「アキさんだから答えます。でも、これはだれにも言わないでください」
アキは静かに頷いた。部屋の空気が急に密度を増したように感じられた。
「蒼真君はね、この星の、地球の人間ではないの」
「?」
アキは言葉の意味をすぐには理解できなかった。頭の中が混乱し、今さとみが言ったことがこぼれ落ちそうになる。
「さとみさん、それは…… それはどういうこと?」
「彼は、他の星から来た女性が地球で産み落とした子供。その子を育てた兄妹がいて、その兄が柏崎博士」
「柏崎…… 博士……」
アキはさとみから語られる情報の重さに圧倒された。今まで謎だったことが一気に明かされ、彼女の心に洪水のように押し寄せてくる。アキの体が震え、指先が冷たくなる。
「そのことは、蒼真君から?」
「えゝ、彼から聞いたわ」
アキの体が再び熱を帯びる。なぜ蒼真はさとみにだけ秘密を打ち明けたのか。なぜ自分ではなかったのか。
「アキさんは蒼真君が自分になぜ秘密を言わなかったのかって、思ってるわよね」
「えっ」
アキはさとみに心の内を読まれた気がした。胸の奥に隠していた感情が静かに暴かれていく。
「なぜ私に話したか、それは、彼の秘密を私が知っているから」
「秘密とは?」
「それは、それこそ、ここだけの話ね」
アキは大きく頷いた。息を呑み、言葉を待つ。
「それは、阿久津蒼真君が、ネイビージャイアントだから」
「!」
アキの頭の中が真っ白になる。蒼真君がネイビージャイアント?その言葉が現実のものとして胸に落ちるまで、しばらく時間が必要だった。
× × ×
蒼真が目を覚ましたとき、そこは静寂に包まれた暗い部屋だった。冷たい床の感触が背中に残り、空気は乾いていて、どこか埃っぽい。周囲には何もなく、倉庫のように広い空間が広がっている。天井近くに小さな窓がひとつだけあり、そこから月明かりが細く差し込んでいた。
「ここはどこだ?」
蒼真は目を凝らす。暗闇の中で徐々に視界が慣れてくる。明かりらしいものはなく、頼れるのは窓から差し込む淡い月光だけ。外は夜なのだろう。そうだとすれば、どれほど眠っていたのか。彼はゆっくりと上半身を起こす。体に痛みはない。黒衣の男が自分に銃を向けたあとの記憶は、そこで途切れている。
あの銃は眠らせるためのものだったのか。敵であるはずの自分になぜ危害を加えなかったのか。
蒼真は立ち上がる。足元に散らばる金属片や紙くずが、わずかに音を立てる。扉らしきものは見当たらない。どうやってここから脱出すればいいのか。もう一度周囲に目を向けたとき、闇の中で何かが動いた。それは闇に溶け込むように立つ男の姿だった。月光がその輪郭をわずかに照らす。
「お目覚めですか?」
蒼真はさらに目を凝らす。その男は間違いなく黒衣の男だった。あの冷たい声とあの不気味な笑み。
「ここはどこだ?」
「街はずれの倉庫です」
「どうして僕をここに?」
黒衣の男がゆっくりと蒼真に近づいてくる。足音はほとんど聞こえない。蒼真は反射的に身構えた。
「どうして僕を殺さない?」
男は立ち止まり、月光の中で顔の半分が影に沈む。
「私は同胞を殺したくない。それだけです」
「同胞?」
蒼真には予期しない言葉だった。その響きが胸の奥にざらりとした違和感を残した。
「それはどういう意味だ!」
「あなたの父と母は、私の星で生まれたのです」
「!」
蒼真は言葉をすぐには飲み込めなかった。自分はこの男と同じ星の人間? 今まで人を怪獣化させ、幾多の街を破壊し、数えきれない命を奪ってきた。芦名も、彩も、美波までも、その手にかけた男と、同じ人間? そんなこと、受け入れられるはずがない。
「ふざけるな、僕はあなたとは違う!」
「そんなことはないですよ。私はあなたのお父上とは懇意でした」
「父を知っているのか」
「もちろんです」
蒼真は黒衣の男を凝視する。男の瞳の奥には何かを知っている者の静かな確信が宿っていた。
「ならば教えてくれ。どうして僕はネイビージャイアントにならなければいけなかったのか」
男はいつものように不敵な笑みを浮かべたが、すぐにそれを引っ込めた。倉庫の空気が、語りの始まりを予感して静まり返る。
「分かりました。あなたのことを教えましょう」
男はゆっくりと語り始めた。
「我々の星は、かつて平和な星でした。しかしメルシーという星から突然攻撃を受けたのです。メルシーは凶悪な星で、我々の星は危機に陥りました。そのとき、我々の星、イビル星で科学技術を担当していたオテウ、つまりあなたの父親に私は出会いました」
黒衣の男はゆっくりと歩き柄話をする。
「父の専門は…… もしかして生命科学?」
「その通りです。あなたの父に課せられた使命は、生物兵器を作ることでした」
「生物兵器……」
蒼真の声が弱くなる。母の手紙が脳裏に浮かぶ。
『あなたには酷なお願いをします。怪獣による人類滅亡を防ぐため、怪獣殲滅の兵器として戦ってください』
蒼真は頭を振る。その言葉の重さが、今になって胸にのしかかる。
「そう、あなたの父親は生き物を兵器に変える研究をしていた。それはメルシー星から自らの星を守るために」
「それがフレロビウムの研究につながったと?」
「そうです。だが、フレロビウムで生物が生み出されることは最初はだれにも信じてもらえなかった。そのことで彼は学会から迫害を受けました。その後、その研究は私に引き継がれたのです」
「どうして父の研究は信じてもらえなかったんだ」
男の歩みが止まった。そしてゆっくり、静かに答える。
「それはあなたの父が優しかったからです。彼はフレロビウムが新たな生物を生むことは発表しましたが、それがどんなエネルギーで兵器化するかは明かさなかった。彼に直接聞いたわけではありませんが、おそらく、憎悪によって生物兵器が生まれるなら、人々は憎悪を求めるようになる。兵器を求める者は憎悪を持つ人間、つまり同じ社会の中で憎しみ合う状況を作ればいいと考えるはずです。あなたの父はそのことを恐れたのでしょう。だから彼はその部分を隠した、そうだと私は考えています」
蒼真が俯く。
「父はフレロビウムが憎悪のエネルギーで怪獣化することを知っていたと?」
「おそらく。そのことは、君が持っていたノートではっきりしました」
「あのノートで?」
蒼真は赤いペンでバツが書かれたノートを思い出す。
「あのノートには、そんなことは書かれていなかった」
「いや、それはあなたが父の残したメッセージを読み解けなかったからです」
「?」
蒼真は手元のタブレットを取り出し、ノートのコピーを開いた。画面に映る赤い印と文字列を見つめながら、胸の奥で何かが静かに軋んだ。
「三冊目のノート。そこにはバツ印が書かれているページと、そうでないページがあります。バツがあるページの最初の言葉に母音を、ないページはそのまま読むと、“憎悪”という単語が読み解けます。ただし、それはイビル星の言語なので、地球で育ったあなたには読めないのは当然ですが」
黒衣の男の声が倉庫の静寂に染み込むように響いた。
蒼真は手元のタブレットを操作しながら、ノートのコピーをめくっていく。画面に映る最後の四ページには確かに赤いバツ印があるページとないページが混在していた。その印のつけ方はそれ以前のページとは明らかに異質で、何かを訴えかけてくるような不穏さがあった。
蒼真は眉をひそめる。なぜ、これに気づかなかったのか。父が残したメッセージを見落としていた自分を心の中で責めた。
「彼には美しい伴侶がいた。名前はアンネ。彼女は身ごもっていました。お腹にいたのは、言わずと知れた阿久津蒼真、あなたです」
その言葉に蒼真の胸が静かに震えた。柏崎博士から聞いた母の話が記憶の底から浮かび上がる。
「父はあなたの星の学会から迫害を受けたんだろう。なぜ殺されたんだ!」
蒼真の声が怒りと悲しみに揺れる。黒衣の男は一瞬だけ言葉を止め、目を伏せた。
「それは……」
倉庫の空気が、わずかに重くなる。
「それはフレロビウムを活性化する研究が、実は成功していた。そのことが学会に知られてしまったからです」
「知られた?」
黒衣の男が薄笑いを浮かべた。
「そうです。学会に匿名で、オテウが生物兵器を完成させたという密告があったのです」
「だれから?」
「それは分かりません。彼は拘束され、研究内容のすべてを提出するよう命じられました」
蒼真は何か嫌悪のようなものを感じた。
「それで父はどうなったんだ?」
「研究のことを言わなかった」
「言わなかった?」
蒼真の中でさらなる嫌悪感が増していく。
「そうです。彼は研究成果を明かさないまま、命を落としました」
「死んだ?」
蒼真の嫌な予感は当たっていた。
「彼が留置されていた施設が、メルシー星の攻撃を受けて破壊されたのです」
「メルシー星の攻撃?」
「そうです。あなたの父は、我々の星を侵略しようとしたメルシー星によって殺されたのです」
蒼真の脳裏に、母の手紙の文面がよみがえる。
『しかし、お父さんは殺されてしまいました。怪獣を使って地球侵略を狙う宇宙人に』
その言葉が、今になって現実のものとして胸に突き刺さる。
「あなたたちが地球侵略を計画しなければ、父は研究内容を話したのでは?」
蒼真の声には、どこか怒りと疑念が混じっていた。
「我々はメルシー星からの攻撃にさらされていました。最悪の場合、イビル星を捨てて移住するしかないと判断したのです。我々が住める星、それが太陽系第三惑星、地球。この星はイビル星に酷似しており、最も適していました。しかし、地球には先住人類がいる。しかもその人類は自らの星を滅ぼすほどの科学力を持ち、それをいつ行使しても不思議ではない。我々はこの地球という星に住む“人間”という生物を、駆除すべきだと結論づけました」
「人類を駆除?」
蒼真の声が低くなる。その言葉の冷たさに、背筋が凍る。
「そうです。この星の人間という生物は、あまりにも稚拙で、しかも好戦的です。争いの果てに、地球を生命の住めない星にしてしまう可能性がある。だから我々は、人間を駆除することに決めました」
蒼真の表情が曇る。目の奥に、怒りと悲しみが交錯する。
「人間との共存はできないのか?」
「無理でしょう。我々の高度な文化と、地球人の稚拙な文化では比べ物になりません。特に人間の持つ好戦的な性質が、我々に危害を加えないとは限らない」
「しかし……」
蒼真は言葉を探す。何か、反論できる理屈を。
「あなた方だって、自分たちに都合の悪い生物は駆除するでしょう? 家畜を荒らす動物、伝染病を運ぶ昆虫。同じことです」
黒衣の男が嗤う。その笑みは冷たく、理屈だけで世界を切り捨てる者のものだった。
「しかし、あなたの父親は違った。どんな邪悪な生物でも、生きていく権利はあると。滅ぼしてしまえば、宇宙全体の生態系に影響が出るかもしれないと。あなたの父は我々と違って非情にはなれなかったようです」
黒衣の男の声は倉庫の冷たい空気に溶けるように静かだった。その言葉はまるで父の背中を遠くから見つめるような、どこか敬意すら滲ませていた。
蒼真は目を伏せ、想像する。父は自らの研究で生み出された生物兵器によって人間を駆除することをきっと躊躇したのだ。
そして、その破壊の連鎖を止めるために、別の対抗手段を模索した。その結果が…… 自分。
「あなたの母は、オテウが自分を人質にして我々の言いなりになることを恐れ、地球へ脱出しました。しかし宇宙空間の移動は身重の体には重荷だったのでしょう。そこからの話はあなた自身が柏崎から聞いた通りです」
蒼真の胸に母の面影が浮かぶ。命を懸けて、自分を守った人。父の意志を継ぐ存在として、自分をこの星に託した、その覚悟が、今も胸を締めつける。
「あなたはオテウが作った最高の生物兵器。だから力を貸してほしい」
「力を貸す?」
蒼真は顔を上げ、男を睨む。その目には、怒りと戸惑いが混ざっていた。
「そうです。我々の星はメルシー星の攻撃を受け、絶滅の危機に瀕しています。だから急いで地球に移住しなければならない。だから、我々を攻撃しないでほしい。そして、あなたの父を殺したメルシー星と戦っていただきたい。あなたの両親の生まれ故郷を守るために」
「僕がお前たちのために戦う?」
蒼真の声が低く響く。この男は自分に関わる人々を死に追いやった張本人だ。その男が、今さらなにを「協力しろ」と言うのか。
「そんなこと、できるわけがないだろう。僕は、お前らを守るために戦う気はない。僕は、あくまで自分の周りの人を守りたい」
黒衣の男が小さくため息を吐いた。
「そうですか。やはり、分かってもらえないようですね」
黒衣の男がゆっくりと手を上げる。その手にはいつの間にか黒光りする銃が握られていた。銃口が蒼真に向けられる。
「今度は気絶では済みませんよ」
蒼真は即座に身構える。男の口元には薄く笑みが浮かんでいた。
その瞬間、倉庫の奥から鋭い光が走った。白い閃光が一直線に放たれ、黒衣の男の銃に命中する。金属音すら残さず、銃はそのまま蒸発するように消えた。
「イビル星人、そこまでです」
声のした方へ蒼真が目を向ける。そこにはいつの間に現れたのか、白いワンピースをまとった女性が立っていた。月明かりを受けて、その姿はまるで幻のように浮かび上がっていた。
「さとみさん!」
蒼真が叫ぶ。
「なぜここに?」
黒衣の男が一歩後ずさりする。その顔に初めてわずかな動揺が走った。蒼真はさとみに駆け寄る。彼女の瞳はまっすぐに黒衣の男を見据えていた。
「イビル星人、ヨミ。ここまでです」
「小癪なメルシー星人め」
「メルシー星人?」
蒼真は思わずさとみから距離を取る。その言葉が、頭の中で何度も反響する。さとみは地球人ではないのか? この男が言う“メルシー星人”それは、イビル星を侵略した好戦的な種族のはず。その星の人間が、さとみ?
「蒼真君、騙されてはだめよ。あなたのお父さんを殺したのは、この男」
「えっ……」
蒼真の思考が一瞬で混乱に沈む。なぜ、さとみはこの男を知っているのか? なぜ、敵同士のように対峙している?
「あなたのお父さんは、この男たちに拷問を受けて死んだ。研究成果を渡さなかったことで、白状させるために、むごい拷問を受けてあなたのお父さんは命を落としたの」
「えっ、でも、メルシー星人は好戦的で、他の星を侵略すると……」
さとみがキッと黒衣の男を睨みつける。
「それも嘘。本当に好戦的なのはイビル星人。この人たちは他の星を侵略し、その星の資源を略奪する、凶悪な星の住人なの」
さとみの声は静かだった。だが、その静けさの奥に、怒りと悲しみが確かに宿っていた。蒼真は二人の言葉の間で立ち尽くす。真実はどこにあるのか。だれを信じるべきなのか。父の死の真相、母の決断、自分の存在、すべてが、今、音を立てて揺らいでいた。
黒衣の男の瞳がこれまでとはまるで違っていた。理性の仮面を剥ぎ捨て、むき出しの敵意がその目に宿る。その視線は蒼真とさとみを鋭く貫いていた。
「なにを言う。お前たちが我々の星に攻めてきたのは事実ではないか!」
声は低く、だが怒りに震えていた。その言葉に、さとみは一歩も引かず、冷ややかに応じた。
「そう。だからこそ、そんな邪悪な星を宇宙の平和を守るメルシー星が駆除することを決めたの。そして、それは実現したわ」
「駆除? 実現?」
蒼真の眉がわずかに動く。
「駆除」それは、さっきまでヨミが使っていた言葉。その冷たい響きが、今度はさとみの口から発せられたことに、蒼真は言い知れぬ違和感を覚えた。
「まさか、まさかお前……」
ヨミの声が怒りに震え、拳がわななく。
「そう。あなたの同胞が乗った宇宙船は破壊したわ。それに、イビル星ももうこの宇宙には存在しない。私たちの惑星破壊ミサイルで、星ごと粉砕したの」
「なんて…… なんてことを……」
ヨミの膝がわずかに崩れかける。その顔には怒りと絶望が入り混じった表情が浮かんでいた。
「もう、イビル星人の生き残りはあなたと……」
さとみがちらりと蒼真を見やる。その視線に蒼真の背筋が凍る。思わず一歩、後ずさりした。
「許せません…… あなたを」
ヨミの周囲に白い霧が立ち込め始めた。それはまるで、怒りと悲しみが物質化したかのように空気を濁らせていく。その瞬間、蒼真の腰に装着されたフレロビウム検知器がけたたましい警告音を発した。
「危ない! さとみさん、逃げて!」
叫ぶと同時に、蒼真の腕時計が青く光り始める。彼の意思とは無関係に、青い光が全身を包み込んでいく。霧は一気に膨張し、倉庫の天井を突き破った。天井の鉄骨が軋み、月光が差し込む中、霧が晴れる。
そこに現れたのはゴキブリを思わせる、巨大な昆虫型の怪獣だった。その名は、ヘイトラス。怪獣の咆哮が夜空に響く中、蒼真の腕時計が青く脈打ち始めた。その光は瞬く間に全身へと広がり、彼の体を包み込む。地面が震え、空気が軋む。
怪獣の前で青い光の柱が天へと伸びていく。光は空を裂くようにまっすぐに昇り、周囲の瓦礫を浮かせるほどの圧力を放つ。そして光が収束したとき、そこに立っていたのはネイビージャイアントだった。その巨体は静かに呼吸し、青い光が脈動していた。
「同胞同士で殺し合うのは本意ではありませんが仕方ありません」
ヘイトラスが低く唸り、突如としてネイビーの肩を掴む。その動きは獣のように素早く、力強かった。ネイビーの巨体が宙に浮く。一瞬、空気が止まったように感じられた。そして隣の倉庫へと叩きつけられる。鉄骨が悲鳴を上げ、壁が爆ぜる。ネイビーの体は瓦礫の中に仰向けに沈み、地面が陥没するほどの衝撃が走った。すかさずヘイトラスが跳躍し、ネイビーの上に覆いかぶさる。拳が振り下ろされる。
「残念でした。あなたには父親を殺した男への復讐のチャンスがあったのに、ここで父と同じように私に殺されるとは」
「父を殺した……?」
ネイビーの目が揺れる。その言葉が、心の奥に突き刺さる。
「そうです。彼は研究結果を白状しなかった。だから私はあなたと同じようになぶり殺しにしたのです」
拳が執拗にネイビーの胸を打ちつける。体が軋み、火花が散る。
蒼真の意識が揺らぎ、視界が滲む。そのとき、蒼真の胸に、赤い炎が灯った。それは怒り。今までとは違う、濁った、熱いエネルギー。怪獣に変化した人々が味わった、あの感情。それが、今、蒼真を内側から焼き尽くそうとしていた。
「うっ、気持ち悪い……」
ネイビーが蹲る。ヘイトラスが容赦なく蹴りを叩き込む。巨体が転がり、地面が裂けた。
「あなたも父親と同じように私に殺されるのです」
意識が遠のく中、蒼真の胸の炎がさらに大きく燃え上がる。それは怒りの記憶を呼び起こす。
「父を、父を殺した。もし父が死ななければ、母も…… 母も死なずに済んだ!」
ネイビーの体に異変が起こる。紺色だった体が、徐々に赤く染まっていく。その色は、怒りの象徴。
「お前が、お前がいなければ、芦名さんも、彩さんも、そして美波も、死なずに済んだんだ!」
その叫びとともに、彼の体が変貌していく。体が軋み、関節が膨張し、背中から赤い光が噴き出す。それは怒りに飲み込まれた蒼真自身の心が、形を変えて外に現れたようだった。だれも見たことのない、赤いネイビージャイアントがそこに立っている。その目は炎のように燃えていた。
「なに!」
ヘイトラスが驚愕の声を上げる間もなく、赤く染まったネイビーが彼を掴む。その腕は鋼鉄のように硬く、熱を帯びていた。ネイビーがヘイトラスを逆に持ち上げ、そのまま隣の倉庫へと投げ飛ばす。
ヘイトラスの巨体が空を裂き、倉庫の屋根を突き破って地面に激突する。鉄骨が折れ、火花が散り、爆音が夜空に響く。
ネイビーはふらつきながら立ち上がった。赤い炎がその体を包み、まるで怒りそのものが具現化したようだった。立ち上がったヘイトラスに向かって、ネイビーが突進する。地面が割れ、空気が震える。
「お前なんて、消えてなくなれ!」
赤い炎がネイビーの拳から放たれ、それがヘイトラスの胸を貫いた。怪獣は断末魔の咆哮を上げ、その声は空を裂き、地面を揺らした。そして、崩れるように地面に倒れ込む。
「やられました。仕方ありません。あなたはオテウが開発した最強の生物兵器。負けるのは必然です。だが忘れないでください。あなたはイビル星の人間なのです。神山さとみには…… 気をつけて……」
その言葉を最後に、ヘイトラスの体が膨張する。赤い光が体内から漏れ出し、
次の瞬間、閃光とともに大爆発が起こった。爆風が倉庫の壁を吹き飛ばし、破片が四方に飛び散る。炎が夜空を染め、衝撃波が遠くの街灯を揺らす。
だが、やがてすべてが静まり返り、怪獣の残骸は跡形もなく消え去っていった。ネイビーは赤い炎に包まれたまま、瓦礫の中に立ち尽くしていた。その瞳には怒りの余熱と、深い孤独が宿っていた。
× × ×
蒼真の姿に戻ったあと、彼は瓦礫の中に立ち尽くしていた。倉庫の天井は崩れ、夜空がぽっかりと口を開けている。月明かりがヘイトラスが消えた跡を淡く照らしていた。そこには何も残っていない。
蒼真は呆然とその空間を見つめていた。自分を苦しめてきた宇宙人は死んだ。だが胸の奥には渦巻くものがある。何かが終わったはずなのに、筆舌に尽くしがたい違和感が残っていた。それは怒りでも悲しみでもない。ただ、ぽっかりと空いた穴のような感覚だった。
「終わったわね」
その声に蒼真はゆっくりと振り返る。そこにはいつもの優しい笑顔を浮かべたさとみが立っていた。白いワンピースが月光に照らされ、彼女の輪郭が柔らかく浮かび上がる。
「もう、地球を侵略する宇宙人はいなくなったわ。怪獣も、もう現れない」
さとみが静かに蒼真に近づいてくる。その歩みはまるで何かを終えた者のように穏やかだった。
「さとみさん…… あなたは地球人じゃないんですか?」
蒼真の声はかすかに震えていた。さとみは一瞬だけ目を伏せ、そしてゆっくりと頷いた。
「私はメルシー星から来たの。あなたと同じ、宇宙人よ」
「どうして、それを……」
さとみは真っすぐ蒼真を見つめた。それはすべてを明かす決意のように蒼真には思えた。
「地球人にとって、イビル星人もメルシー星人も“宇宙人”に変わりはないわ。自分たちと違う生物を敵とみなすのは当然の反応。だから私は地球人としてここにいるの。それに蒼真君、あなたがイビル星の人間だと伝えるには、あなた自身の心の整理が必要だった。だから今まで黙っていたの。あなたがイビル星人との戦いを通して、その事実に向き合うときを、私は待っていたの」
さとみの笑顔は変わらない。その穏やかな表情は今までと何も変わらないはずなのに、しかし蒼真にはそこに見えない壁があるように感じられた。この女性は自分の過去も正体も知っていた。それを黙って自分に接していた。つまり、嘘をついていたのだ。
「さとみさん。あなたの目的は、なんなんですか?」
蒼真の問いに、さとみの表情にわずかな曇りが走った。月光がその頬に影を落とす。
「それは……」
さとみは一呼吸置いて、静かに言葉を紡いだ。
「私が地球に来た目的は、二つある」
「二つ?」
「ひとつはイビル星人の野望を砕くため。彼らは好戦的で、他の星の資源を略奪し、その星の生命体を滅ぼしてきた。私たちメルシー星人は彼らの所業を“悪”と判断し、滅ぼすことを決めた」
蒼真はその言葉に胸の奥で違和感を覚えた。
「悪だから殲滅してもいい?」
それは本当に正義なのか? イビル星には悪と呼ばれる者しかいなかったのか? もしそうでなければ、自分の父は?
「でも、彼らは私たちの作戦を察知し、地球への移民を計画した。人類を滅ぼし、自分たちが地球の支配者となるべく、あなたが出会った黒衣の男を送り込み、フレロビウムを使った生物兵器による人類撲滅を企てた」
さとみがゆっくり蒼真に近づき、彼の手をそっと握る。その手は温かく、震えていた。
「私は彼が来る以前に地球にやってきた。彼らがフレロビウムを使った兵器を開発するには時間がかかると考えたから。それはあなたの父、オテウから話を聞いていたから」
「さとみさんは父さんを知っているのか?」
蒼真の目が大きく見開かれた。
「ええ。彼は他のイビル星人とは違っていた。憎悪で他人を傷つけるイビル星人の特性ではなく、慈悲の心を持っていたの」
「慈悲……?」
「そう。それが、あなたも持つ“青い光の力”」
さとみが蒼真をそっと抱き寄せた。蒼真は抵抗できず、さとみに抱きしめられる。その腕の中で彼は父の面影を探していた。
「彼は自分の星の所業を憎んでいた。だから、フレロビウムから生まれる生物兵器に対抗するため、自分の持つ青い光の力で対抗する兵器を作った。それがネイビージャイアント」
「父が…… そんなことを……」
蒼真の声は、涙に滲んでいた。
「ええ。でも、彼の手でそれを実現することはできなかった。それは、妻であるアンネへ。そして、あなたに引き継がれたの」
さとみの言葉が、夜の静けさに溶けていく。蒼真はその胸に父の意志と母の覚悟、そして自分の存在の意味を感じていた。それは戦いの果てに残された、静かな光だった。
蒼真は、母が残した手紙の言葉を思い返していた。
『人間が特定の異生物と融合し、怪獣が放つ赤い光を見つけ、そこに分離するための光線を打つ。そのためには、その特定の異生物に負けない体質と心が必要です。お父さんは自分の体質を考えその特定の異生物を作り、自らがその兵器で怪獣を退治するつもりでした。しかし、彼は殺されてしまいました』
月明かりが差し込む倉庫の隅で蒼真はその言葉を胸の奥で反芻していた。父が自らの体質をもとに兵器を設計し、怪獣と戦う覚悟を持っていたこと。その意志が、今、自分に託されていること。
さとみの声が静かに響いた。
「私は彼らに先んじて地球に来て、アメリカで人体実験に失敗して死んだ“北條さとみ”の体を借りたの。そしてオテウの知識を引き継いだと思われる柏崎博士に関係する人物を追った。やがて神山に出会い、彼に近づいた。いずれ彼のもとにオテウとアンネの子供の情報が入ると確信していたから。そうして蒼真君、あなたが現れた」
さとみが蒼真を抱きしめる腕に力がこもる。その抱擁はまるで過去と現在を繋ぎ止めるようだった。
「やがてフレロビウムを兵器として、イビル星人が地球にやってくることは分かっていた。そして九州に怪獣が現れた。この先、蒼真君が怪獣と戦うことになるのは容易に想像できたわ。でも、あなたはまだ戦うには未熟、私はそう思ったの。だから防衛隊きっての戦闘力を持つ芦名雄介に“赤い力”を与えたの」
「芦名さんに?」
蒼真の声が震える。
さとみは頷きながら、過去の選択を語った。
「そう。彼は怪獣との戦いで機体が墜落した。だから彼を助け、蒼真君を守るために、彼に宿った怒りの力を利用したの。そしてあなたがピンチに陥ったとき、彼があなたと一体になって戦えるように、その力を彼に与えたの」
蒼真は今まで自分の周囲で起こった不可解な出来事である芦名の変化、赤い力の発現、それらがすべて、さとみの手によるものだったことを今理解した。しかし、それは……
「さとみさん…… どうして僕を助けたんですか。いや、どうして戦わせたんですか。メルシー星の科学力があれば、怪獣なんて容易に倒せたんじゃないんですか?」
さとみの腕がぎゅっと力が入れる。その表情に迷いと決意が交錯する。
「私が地球へ来たもうひとつの理由、それは地球に潜伏するイビル星人の殲滅」
「殲滅……?」
蒼真はさとみの手を振りほどき距離を取る。その一歩一歩が、さとみに対する恐怖と疑念の深さを物語っていた。
「それは、もしかして……」
「そう。地球に来るイビル星人を排除すること。そのためには黒衣の男かネイビージャイアント、つまりあなたが倒れるか。同胞同士で戦わせて、残った方を私が倒せばいい」
蒼真はさらに後退する。さとみに対する信頼が、音を立てて崩れていく。
「さとみさんは…… 僕を……」
さとみは静かに首を横に振った。その瞳はかつて神山研究室で自分を見つめてくれていた、あの優しい目だった。
「私は本星にこう報告するつもりなの。“イビル星人ヨミはネイビージャイアントとの一騎打ちの末、共倒れで死亡。ネイビージャイアントはヨミの攻撃で負傷し、そのまま死亡した”、と」
「どうしてそんな……」
さとみが蒼真に近づく。その足取りは決意と祈りが混ざったように静かだった。
「私は、蒼真君に生きていてほしい」
そして、さとみは再び蒼真を力いっぱい抱きしめた。その感触は今までと何も変わらなかった。とても自分の同胞を滅ぼした宇宙人とは思えない。彼女の温かさはひとりの地球人、そのものだった。
「それだけ。私は、私は蒼真君を守りたいの」
「守りたい?」
蒼真の違和感は胸の奥でじわじわと広がっていく。
「でも、さとみさんの任務はイビル星人を殲滅すること」
「そう、それが私の任務」
さとみがさらに蒼真を抱く腕に力を込める。その力はまるで自分の揺らぎを押し留めるようだった。
「でも、ヨミや怪獣たちからあなたを守ることに、私はいつか心地よさを覚えたの。それは今まで経験したことのない温かさ」
蒼真はさとみに抱かれながら、その心地よさに、このまま時間が止まってしまえばいいとさえ思った。だが……
「私は、自分の任務よりも自分の気持ちに正直でありたいと思ったの。たとえ母性から制裁を受けても」
さとみの言葉は夜の静けさに溶けるように温かかった。だが蒼真はその言葉を信じていいのか分からなくなっていた。
自分を殺すことが任務のさとみ。自分を守ろうとしているさとみ。どちらが本当のさとみなのか。
蒼真はそっと、さとみの腕から身を離した。その動きは、決意というより、祈りのようだった。
「僕は…… 僕は…… 一人にさせてください」
そう言うと、蒼真はさとみから離れ、振り返ることなく走り出した。
さとみはその背を追おうとはしなかった。ただその口がかすかに動く。
「蒼真君、私はあなたのこと……」
夜風だけが、彼女の声にならない言葉を蒼真の背中へと運ぼうとしていた。
《予告》
蒼真は母の墓の前でさとみと対決することを決意、それをアキに告げる。その後、神山研究室の廃墟でさとみと対峙する蒼真、過去を語るさとみに蒼真は話の嘘を見抜く。。次回ネイビージャイアント最終回「命を継ぐもの、明日へ」お楽しみに。




