表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

5話

 洞窟に戻って来た涼達はさっそく、野営の準備を初めていた。


 ザザザーザザザー


 洞窟の外から雨音が聞こえてくる。


「ん?雨が降ってきたかな。」


  「お兄様、僕は何をすればいいですか?」


 聖が俺に話しかけてくる。


  「ん?そうだなー、じゃあ、火を起こしてもらっていい?」


  「はい!」


 聖が火を起すために準備をしているのを見届けると、俺は夜食の準備を始める。今夜の夜食は簡単なスープとご飯だ。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「「ごちそうさま(です)」」


「片付けたら今日はもう寝ようか。後、二日間あるしなるべく体力を温存しておかないとね」


「……そうですね」


「俺は入り口に感知機をセットしたら少しここの周辺を探索してくるから、先に寝ててくれ」


「僕も一緒に!……いえ、わかりました。お気を付けて…。」




 雨上がりの夜空の中を歩きながら俺は聖の事について考えていた。


(何か、いつもと違う時があるような。。やっぱり修行に緊張してるからなのかな……なら、しっかりと俺が頑張って安心させないとな!)


 聖side


 聖は洞窟の中で1人天井を眺めて寝転がっている。天井を見つめる聖の瞳は狂気に染まっていた。


「くそくそっ!!なんで僕には力が無いんだ!いつもいつも涼涼涼ばかりだ!何故僕は守られてばかりなんだ!全てアイツがいけないんだ!力が力が欲しい…父様も母様も鈴音も全て僕のものに……!」


 小さい頃からずっと自分の遥か前を歩く兄である涼。最初は優しくて強い憧れの兄だった。


 だが、次第に憧れは嫉妬に変わり、今では憎むべき相手。自分の全てを奪う敵である。


 ドクンッ


 突如目に痛みが走る。


「ああああああああああああ」


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 永遠とも一瞬とも感じる時間を得て気を失った。


「っ痛!」


 目を覚ましてまず感じたのが目に走る痛みと違和感だった。


 その、違和感に集中すると頭の中に違和感の正体。そう魔法の使い方が浮かんできた。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!やったやったぞ!これで、やっと全て僕のものに!」


 僕は力を手に入れた。全てを我がものにできるだけの力を。


 特殊系統 魅了の魔眼 level1


 5メートル以内で対象と瞳を3秒以上合わせる事で記憶の改竄や命令を下せる。また相手との信頼関係があればある程効果がある。level1では極端な記憶改竄や命令は下せない。


(これで、アイツの全てを僕のものに!)



 涼side


 グルルル


(魔眼発動!)


 バキッ!


「はぁ。疲れた。やっぱり夜だと照準が合わせずらいな、これからの課題だな。」


 俺の周りには3体の魔獣の死体があった。


(フォレストウルフ ランクE)※主に森や山の中に生息している魔獣。集団で行動している為にランクはEだが、単体の強さはF程度である。


 ああああああああああああ


 洞窟から聖の叫び声が聞こえる。


「っち!まさか魔獣が!?感知機があるからって油断したっ……!」


 洞窟へと走って向かう。ここから急いで向かっても10分はかかってしまう。


「くそっ!」


(俺が絶対守るって言ったのに……)





























 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ