表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

3話

  俺は虫や獣のような鳴き声が森中に響きわたる中を聖と共に進んでいる。


「後、20分くらい歩けば洞窟があるはずだから、そこまで頑張ってくれ」


「……ハァハァ。っすいません。。頑張ります」


 この、無人島は一ノ瀬家が良く実践訓練などで使っている為、ある程度は地形や魔獣の種類は分かっているし、最低限の生活ができるようになっている。島の中心付近に行けば洞窟があり、そこで寝泊まりする事もできる。涼達は一先ずそこを目指して歩いているのだ。


「っ止まれ!」


「……っはい」



(あれは、ランクFのクレイジーボアだな)


  見た目は普通の猪とほとんど変わらないのだが、口元の牙の大きさが明らかに異常発達しており、ただの猪ではない事を示している。あの大きな牙で突かれたらタダではすまないだろう。だが所詮はランクFの魔獣。しっかりと対処すれば何の問題もない。


(クレイジーボア ランクF)※大きな牙が特徴で、動きが早い。だが知能が低く、獲物を見つけると真っ直ぐ突進してくる。


 魔獣は二種類に分けられる。


 自然発生型と魔獣化型である。


 前者の自然発生型は魔力の歪みによって突然発生する。第一次人魔対戦での魔獣は全てこれに当てはまる。竜種や人型等の強力な魔獣が多い。後者の魔獣化型は動物や虫などに長年魔力が当たり一定以上当たって溜まると魔獣に突然変異するのだ。ちなみにクレイジーボアは後者にあたる。


「アイツを倒して今夜の食料にするか。聖、一応隠れておいてくれ」


 涼の言葉に聖は頷いて木の後ろに身を隠す。俺は聖が隠れたのを確認し、身を低くしながらクレイジーボアに近づく。


(さて、ここまで近づけば外さないだろう。………魔眼発動っ!)


 ……バキバキッ


 クレイジーボアの身体から骨が砕ける音がなる。


 そして、クレイジーボアは次の瞬間には音も無く地面に横たわっていた。




  魔眼・・・涼の持つ魔眼は特異系統に分類される。視界内の物を粉砕する能力を持ちlevel2だ。level2の涼の魔眼は距離が10m以内でまた最低でも5秒以上焦点を合わせないと発動する事ができない。それでも充分に強力な事に変わりはないが。


 levelとは国連が定めた、魔法系統ごとの基準によって決まり、能力の強さを示す。また、levelが上がれば能力の制限が無くなったり、既存の能力が強化されたりする。


 level1 初心者魔法師


 level2 一人前の魔法師


 level3 軍人や学者といった専門職の平均の魔法師


 level4軍人や学者といった専門職の中でも優秀な魔法師


 level5 人握りの天才魔法師


  そうlevel2とは一般の魔法師の平均であり魔法学校の高校生レベルなのだ。それを考えると涼の年齢でlevel2にまで能力開発した一ノ瀬家の修行のキツさが分かるだろう。だが、いくら一ノ瀬家の修行がキツく効率が良かったとしても流石にこの年齢でlevel2には普通はなれ無い。そこはやはり涼の才能という面が大きいだろう。間違いなく涼は天才と呼ばれる部類の人間なのだろう。


「聖、もう大丈夫だ。さぁ早いとこアイツを解体して洞窟へ行こう」


「流石、お兄様ですね!クレイジーボアを一瞬で倒すなんて」


「ランクFの魔獣なんて誰でも倒せるさ」


「……そう、、ですよね……。」


「ん?何か言ったか、聖?」


「っあ、いえ、何でもないです!さぁ早く解体しちゃいましょう!」


「お、おう」


 涼は聖に何か違和感を感じたが、修行が始まって過敏になりすぎているだけだと気にしない事にした。





 だが、それが大きな間違いだった。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ