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××も才能のうち


 更新遅れてしまい、すいません……文章書くのが久しぶりすぎて、元から無い文才がさらに酷いことになってます……。


 本当に、いろいろとすいません……


 特技を見せて、実力を計られバトルに挑む。それは太郎にとって思いもよらぬチャンスだった。


(み、見せ場きたぁぁぁああ!!)

 訳の分からぬ部屋に入って以来味わい続けてきた屈辱。

 漸くそれを晴らせると勘ちが……考えた太郎は、早速頭をフル回転させる。

(何を見せる……身体能力、画力、学力、表現力、魅力…畜生!!選べない!!)


「無いのかな?」

 いつの間にか肘掛け椅子に腰をかけていたティルはやんわりとした口調で問い、紅茶を口に含む。


「そうですねぇ……」

 太郎は、明らかに濃すぎるであろう超絶ブラックコーヒーに口付け(要は飲んだフリ)を施し、即効手の甲で拭うという意味不明な動作により謎の間を挟むと、緩く口角を上げた。

「できないことが無さ過ぎるもので……しかし今漸く決まりました。歴史で勝負させて頂きましょう」

 どうやら太郎の大正デモクラシーに対する憎しみの炎は消えていなかったようだ。

 にしても歴史は“特技”にはいるのだろうか。そもそも“技”ではない。


「歴史…ねぇ……どうやって見せてもらおうか……うーん」

 予想外の特技に、ティルも当惑気味だ。


「あっ!!」

 黙ってティルの脇に直立していたコニーが手を打った。

「筆記試験というのはどうですか?昨年の中学生学力テストなら残ってますよ」

「あぁ!!その手があったか!!流石コニーだ。よし、そうしよう!!」

 ティルが絶賛する中、太郎のみが底知れぬ不安を抱えていた。

(中学生用、だとぉ……それでは容易すぎて僕の実力が存分に発揮されない)

 太郎は異論を唱えるべく口を開くが……


「はい、どうぞ」

 下げられたコーヒーの代わりに置かれた薄い冊子を目に、太郎は脳味噌ごとフリーズした。


「200点満点になってます。制限時間は120分間です。解答用紙は冊子の中ですよ。あ、これ、鉛筆と消しゴムです」

 準備は淡々と進み、そして遂に――



「それでは、よーい始め!!」

 魔法史――見慣れぬ3文字がでかでかと書かれた表紙を、太郎は震える手でめくった。



『問1.魔法界で初めて炎術に成功したと言われる人物と種族の名称を答えなさい。』

(エ、エンジュツって何だ……しゅ、種族?予想外すぎる!!魔法史って何!!だがしかし今更無理ですなんて言えるだろうか、いや言えるはずがない。やるしかない。

と、とりあえずそれっぽく……炎術使えそうな…卑弥呼!!アイツならできそうだ!!よし!!種族は……ネ、ネアンデルタール的な?)

『問2.5世紀末巨大な軍事組織ケクリーンの解散へと追いやった写真アの人物の名を、フルネームで答えなさい』

 アの写真には、馬に跨がり片手を挙げた少女が写っていた。

(黒いニ角帽子、紅いマントを翻し白馬に跨がる騎士……ナポレオン?いや、しかしこの曲線美……脚そして頬……間違いようもなく女性……ジャンヌ・ダルク、か?分からない……ナポレオンのフルネームがわからない……よし、消えた記憶は他で補うこれ鉄則!!…ナポレオン・ダルク、よし!!)


 魔法史以前に、太郎に歴史を語る資格はないだろう。

 その後もウケ狙いを疑わざるを得ない珍答が続出していく訳だが、そこは省略する。執筆を怠慢しているわけではなく、歴史への冒涜を危惧しての決断だ。



 そして遂に、太郎は勘と独断と偏見だけを頼りに最終問題に辿り着いた。

『問150.現在も魔法界全体を脅かす魔法史史上最大の犯罪組織“イーヴィラスリング(ER)”の指導者である可能性が最も高いと言われている人物の名前を答えなさい』

(指導者…ボス……)

 太郎は口元をひくつかせ、一番に思い浮かんだクラスメートの名を書いた。


「終わりました」

 テスト中の慌てようは嘘のように、太郎は余裕げな笑みを浮かべた。あれだけ捨て身の回答をしておいて、どこからその自信は沸いてくるのだろうか。


「早かったね」

 ティルは読んでいた新聞を丁寧に折り畳み、太郎の机に歩み寄る。

「自信のほどは?」

 太郎は小さく肩を竦める。

「まあまあ、ですかね」

 嘘を付け。


 ティルが三枚の解答用紙をつまみ上げ、太郎の向かいに腰を下ろすと、すかさずコニーが歩み寄る。どうやら解答を持ってきたようだ。どうぞ、とティルに渡すとすぐにまた側を離れていった。


 解答を机に置くと、パラパラと太郎の珍答用紙をめくっていく。太郎はアホ面で天井を眺めていた。



「すごいな……」

 ティルの一言で顔を戻す。太郎の驚いた表情からして、やはり先ほどの自信は嘘だったようだ。

「そんなに点数良かったんですか」

 突然現れたコニーが太郎の解答用紙を覗き込む。


「いや、42点だ」

 太郎の頭上に岩石が落下した。

「低っ……」

 コニーの一言がさらに太郎の頭上に隕石を落とす。

「42点のどこがすごいんですか?」

 心に傷を負った太郎を労る者はない。


「40問あった選択問題がほぼ満点だったんだよ」

 太郎の頭にのしかかる隕石と岩石が砕けた。

(満点、だとぉ!!言えない、全部勘とか言えない!!てか運とかってレベルじゃなくない?まじでこれ才能じゃん!!どうしよう、僕千里眼持ってたらどうしよう!!!!)


 勝手に悶える太郎を余所に、ティルはコニーに説明する。

「選択問題以外はさっぱりだった。恐らく魔法史のことは何も理解していない」

「まぐれってレベルじゃないですね……」

「あぁ。俺の憶測に過ぎないが、これこそが彼の才能なんじゃないかと思う」

「といいますと?」

「運だよ。佐江内クンは異常なほどの強運の持ち主なんだ」

 コニーはいまいち腑に落ちない様子で溜め息をついた。

「そんな才能ってありですか?」

「俺も驚いている。異例だよ。でもそれよりもっと気掛かりなことがある」

 ティルの表情が初めて歪む。「室長にも分からないこと、ですか?」

「うん。全く魔法史を理解してないだろう佐江内クンが一問だけ、正確に書けていた」

 ティルの探るような視線が、未だ興奮の冷めない太郎を見据える。

「佐江内クンは、ERの存在……少なくとも指導者の名前を知っていたよ」

 コニーは目を見開いた。

「まさかっ……!!」

 ティルは無言で解答用紙をコニーに差し出す。

 コニーは受け取る前に、一番下の4字に釘付けになった。


「或間常雄(あるまつねお)」 彼女の唇が音もなく読み上げた。


 閲覧ありがとうございました!!


 キャラが安定しなくてすいません……難しいですね、リレー小説……


 いづなさん、こんなところでバトンタッチしてしまってすいませんが、次話をよろしく頼みます……

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