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めいとの出会い

かぁちゃんから電話があったのは俺が30になる誕生日の前日だった。

「大助っ!!あんたどーせ当分一人なんでしょ?!部屋空いてるわよねぇ!?」

俺は仕事から帰ってすぐの電話に疲れを感じつつ靴下を脱ぎながらテキトーに返事する。

「んぁ〜?まぁ空いてるけど何?またリョーコが出て来ちゃったんかい?」

かぁちゃんはいきなりさっきまでたた事では無いような声を押さえ、冷静になった。

「それがねぇ…里おじさんが先月亡くなったでしょう?おじさん、一人暮らしだったはずなんだけど…あの歳で彼女いたみたいでねぇ。。。」

「まさかその彼女を俺んちに置いてくれってか?(笑)」

俺は笑いながら自体を把握出来てなかった。

「おじさんの子供がいるのよ…彼女はおじさんを追って…」

「マジかよ…」

俺はやっと自体の恐ろしさを知る

「で…そのコを俺にしばらく預けるっつー話…?」

「ウチは今リョーコの子の世話でいっぱいいっぱいだし…あんたんちの方が近いし環境良いからねぇ。。」

で、3日後にかぁちゃんが俺んちにその子供を連れて来るらしい。ん?俺…なんか忘れてねーか?…………!?オスかメスか何歳か聞いてねぇ〜!!!!

そして目を白くさせながらも約束の日が来るのだった。

「…。」

「めいちゃん、大丈夫よ。おじちゃん顔とか悪いけどきっと優しくしてくれるわよ!」

「顔はしょーがねーだろ!しかもあんたがこんな子供に好かれない顔に産んだんだからな!」

俺の目の前に小さくなって心細そうな目の

「めい」

がいた。どうやら幼稚園の年中らしく5歳で自分の親が死んだ事をわかっていないらしい。

「俺んちでいいのか?」

めいは辺りを見回してから俯きながらコクリと小さく頷いた。

30歳になったばかりの俺は結婚の気配等無いまま、まだ小さな従兄弟との共同生活が始まった。

ビールやタバコ、仕事で使う大工道具のような危ない物、もちろんHな本はめいの目に入らない所に隠した。めいの荷物はこりゃまたお子様サイズでカワイーピンクのキティちゃん柄。

「めい、キティちゃん好きなんか?」

「おじちゃん、キティちゃん知ってるの!?」

「こりゃ!おじさんやめぃ!キティちゃんくらい知ってるわ〜!」

目を丸くしながらこんな事を聞いて来るめいであったが里おじさんはキティちゃん知らなかったのかな…

俺はめいにめいの両親の事を聞けなかった。今はダメだ。こんな小さな子に俺でもしっくりこない話は出来ない。

「…ねぇ」

「おぅ!なんだ?」

「何て呼んだらい〜の…?おじちゃん言うとイヤって…」

「ん〜…リョーコんとこの子も大ちゃんだしな…」

「だいちゃん…?」

「んもー!!大ちゃんで良いやぃ!」

「だいちゃん…トイレ…」

「おっ!あいよ!こっち来いや!」

めいは新しい環境なのか歳のせいなのか自分でトイレに行けないらしい。だからいつも俺が着いててやる。俺は次の日現場が入ってる事をめいの小便の面倒見ながら思い出した。

「あ〜!!俺明日仕事じゃん!!」

「だいちゃん…どっか行っちゃうの…?めい一人になっちゃうの…?」

めいは心細そうに俺を見ながら言った。

「ん〜…でも安心しろ!一人にはさせん!!」

明日は子供好きな頭領のおかげで現場近くの頭領の家で奥さんが仕事が終わるまで面倒見てくれる事になった。

「大助君、めいちゃんいつでも連れて来ていいのよ?おとなしくて良い子じゃないの。ねぇ、あんた。」

「あぁ、大助の従兄弟にあたるんだってなぁ!!じぃちゃんとこいつでも来いよ!」

めいは嬉しそうに手を降ってうちに帰った。

帰り道、奥さんとどんな遊びをしたか等語ってくれた。

「でね、おてだま作ってくれてね、お庭でお花にお水あげてね、幼稚園より楽しかったぁ♪」

…おぃ、まてよ…?

「めいちゃん…?今…よ…幼稚園…?」

「うん♪おばちゃんと遊んだ方が楽しかった!」

俺は幼稚園の事を忘れてたんだ…

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