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Kapitel.22
「おっはよー。もう、二人とも酷いなぁ。土曜日、あのまま帰っちゃったでしょ」
翌日、沙紀は元気良く言った。
佑月は不意を突かれた。
「ごめんね。折角だったのに」
真央が驚きもせず答える。
「龍さんもあれから来なかったし。もう、何があったの。何、龍さんとは知り合いなわけ?」
案の定、沙紀訊いてきた。
「うん。まぁ、ちょっとね」
沙紀の質問に、真央はさらりと答える。佑月はつい真央を見た。
「どういう関係なの?」
「どういうって……。大した関係じゃないよ。お姉さんの彼氏でしょ。彼氏さんに直接訊けばいいじゃない」
真央が笑いながら言う。
それを訊いて、佑月は真央の意図に気付く。
「え、あぁ、それもそうなんだけど……」
「本当、大した関係じゃないから。気にしないでよ」
そう言って真央は微笑む。沙紀は渋々引き下がった。それから、沙紀が悠翔について訊いてくることはなかった。