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「セキュリティはAIで十分」と言われクビになったエンジニア、異世界で管理者権限を拾う  作者: 田中田田中
Bug 002: OSコマンドインジェクション

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Case 006: history

 検問の門は、思っていたより堅牢だった。


 レイルズ子爵領との境に設けられた門。

 そこに辿り着いた俺たちを待っていたのは、二十人近い私兵の群れだった。


 ……思ったより多いな。

 集めた金で更に雇ったのか?


 門の前に整然と並ぶ男たち。


 揃いの(よろい)、揃いの紋章(もんしょう)

 その中に、詠唱杖(えいしょうづえ)を持った者が数人混じっている。


 魔法使いだ。


「レドマイン男爵家の私兵……」


 ラムダが低く呟く。


「これだけの数を検問に配置しているとは」


 私兵の一人が、俺たちに気付いて声を上げた。


「おい、止まれ! ここは誰も通すなと言われているのでね」


「レイルズ子爵領への報告に向かう者です。 通してください」


 ラムダが毅然と告げる。

 だが、私兵たちは嘲笑っただけだった。


「報告? 何の報告だか知らんが、ダメなものはダメだ」


「これは男爵家の横暴に関する――」


「知らん、知らん! 俺たちはな『誰も通すな』って、命じられてんの!」


 私兵のリーダーらしき男が、手を振って話を打ち切ろうとする。

 その時、別の私兵がラムダに近寄ってきた。


「へぇ……銀髪のエルフか。 いい体してんな」


 その目は、明らかにラムダの体を舐め回していた。


「なぁ、お嬢ちゃん? 夜の相手をしてくれたら、よくしてやるぜ? 男爵様に口利きしてやってもいい」


「……下種が」


 ラムダの声に、氷のような冷たさが宿った。


「それでも貴族家に仕える身ですか」


「あぁん?」


 私兵の顔が(ゆが)む。


「生意気なエルフだな。目ぇ見えねぇんだろ? その割には口だけは達者じゃねぇか」


「口だけではないことを、お見せしましょうか」


 ラムダが腰のレイピアに手をかける。

 俺は黙って成り行きを見守っていた。


 口を挟めば、声で正体がバレるかもしれない。

 ……面倒だ。


「おいおい、やめろやめろ」


 リーダーが呆れたように割って入った。


「そのエルフは後でいい。 まずは――」


 その時、ラムダが口を開いた。


「一つ、お聞きしてもよろしいですか」


「あ?」


「この街に魔導士がほとんどいないのは、どうしてかと思っていました」


 ラムダの声は静かだったが、鋭い刃のような響きがあった。


「あなたたちのせいだったのですね」


 沈黙が落ちた。


 私兵たちの表情が、一瞬固まる。


「……ほら、だって()()()が楽になるだろ?」


 リーダーが、にやりと笑った。


「魔導士がいなければ、俺たちに逆らえる奴もいない」


「だって少なくともお前たちに魔法が使えないことは、わかってるんだからさ」


 別の私兵が続ける。


「そのエルフも、魔力感知に魔力を使い切ってんだろ? 魔法なんて撃てやしねぇ」


 ラムダが奥歯を噛む音が聞こえた。


「さて――おい、始末しろ」


 リーダーが剣を抜いた。

 同時に、後方にいた魔法使いたちが詠唱を開始する。


炎よ(イグニス)我が手に集いてコンウェニーテ・アド・マヌス――」


雷よ(フルグル)天より降りてデシェンデ・デ・カエロ――」


風よ(ウェントゥス)刃と成りてフィアス・グラディウス――」


 三人の魔法使いが、それぞれ異なる魔法を詠唱している。

 詠唱速度から見て、かなりの威力の魔法を準備しているようだ。


「近接部隊、あの二人を足止めしろ! 魔法が完成するまで時間を稼げ!」


 リーダーの号令で、十人以上の私兵が一斉に動いた。


「……っ」


 ラムダがレイピアを抜く。

 俺も腰の剣に手をかけた。


「来ます」


 ラムダの声。

 直後、私兵たちが襲いかかってきた。



 ◆◆◆◆◆



 剣戟の音が響く。


 俺は襲いかかってくる私兵を、次々と捌いていた。

 ステータスをいじった剣は、相手の防具ごと弾き飛ばす。


「ぐあっ!?」


 一人が吹き飛ぶ。


「なっ、こいつ……!」


 二人目も同様に。


 だが、数が多い。

 倒しても倒しても、次が来る。


 隣ではラムダも奮戦していた。

 魔力感知で敵の動きを把握し、最小限の動きで急所を突く。

 目が見えないとは思えない正確さだ。


 だが――


「くっ……」


 彼女も徐々に押され始めていた。


 相手は二十人近い。

 いくら強くても、一人ずつ相手にしていては限界がある。


「そろそろだな」


 リーダーの声が聞こえた。


 後方を見ると、魔法使いたちの詠唱が佳境に入っている。

 空中に巨大な魔法陣が三つ、輝きを増していく。


「あれが完成したら、まずい……!」


 ラムダが焦りを見せる。


 俺は内心で舌打ちした。

 こういう時は、あれを使うしかない。


 コマンド入力画面を開く。


『> tasklist | grep spell』


 実行中の魔法タスクを検索。


『PID: 20451 spell_fire_storm.exe user: baron_mage_01』

『PID: 20452 spell_thunder_bolt.exe user: baron_mage_02』

『PID: 20453 spell_wind_blade.exe user: baron_mage_03』


 三つの魔法が、今まさに実行中。

 こいつらだな。


『> kill 20451』

『> kill 20452』

『> kill 20453』


 三つ連続でエンター。


 瞬間――


「な……!?」


 魔法使いの一人が、驚愕の声を上げた。

 彼らの眼前で、膨れ上がっていた魔法陣が、霧のように消えていく。


「魔法が……消えた!?」


「ば、馬鹿な! 詠唱は完璧だったはずだ!」


 三人の魔法使いが、狼狽える。

 だが、俺に構っている余裕はない。


 私兵たちは、なおも攻撃の手を緩めない。


「魔法がなくても数で押せ!」


 リーダーが叫ぶ。

 確かに、その通りだ。


 俺のステータスなら、一対一では負けない。

 だが、二十人を相手に一人ずつ倒していくのは、体力的にも時間的にも厳しい。


 その時だった。


「ぐっ……!」


 ラムダの呻き声。


 振り返ると、彼女の肩に矢が刺さっていた。


「ラムダ!」


 思わず声が出てしまった。


 後方に、弓を構えた私兵がいた。

 狙撃手がいたのか!


「痺れ矢……っっ!」


 ラムダが声にならない痛みで膝をついた。


 レイピアがカランカランと音を立てて地面に落ちる。

 絶望の音だった。


 麻痺(まひ)の毒が、彼女の体を蝕んでいく。


「よし、女を仕留めたぞ!」


 私兵たちから歓声が上がる。


「あとは一人だ! 囲め!」


 俺の周りを、十人以上の私兵が取り囲んだ。

 後方では、魔法使いたちが再び詠唱を始めている。


「くそ……」


 一人では捌ききれない。

 ラムダを助けに行く余裕もない。


 絶体絶命だ。


 何か手はないか。

 俺は必死に考えた。


 コマンドで魔法を消すことはできる。

 だが、相手の攻撃を防ぐことはできない。


 ……いや待て。


 コマンドで魔法を消せるなら。

 コマンドから魔法も撃てる(・・・)んじゃないか?


 俺はすぐさま管理者ツールを開いた。


 コマンド入力画面で、ある命令を打ち込む。


『> history』


 過去に実行されたコマンドの履歴を表示するコマンドだ。

 すると予想通り目の前の画面に、大量の文字が流れ始めた。


『10245: spell_fire_ball.exe (x=2341, mp=50, dir=north) - user: npc_0023』

『10246: spell_heal.exe (target=self, mp=30) - user: npc_1456』

『10247: spell_light.exe (x=2400, mp=10, dir=up) - user: npc_0089』

『10248: spell_dark_mist.exe (x=1523, mp=100, dir=all) - user: baron_redmine_jr』

『10249: spell_fire_storm.exe (x=3412, mp=500, dir=forward) - user: baron_mage_01』

『……』


「……おっ」


 俺は目を見開いた。


 履歴に残っているのは、魔法の実行ログだ。


 そして、その構造が見える。


『魔法名.exe (座標, 込める魔力量, 向き) 』


 これが、この世界の魔法――いや、関数(メソッド)の構造か。


 座標で発動位置を決め、魔力量で威力を決め、方向で効果範囲を決める。

 相変わらず脆弱性の極みみたいなもんだが、今はそれが助かるという皮肉めいたこの状況に、ただただ感謝する。


「なら……」


 俺は履歴から、先ほど魔法使いが詠唱していた魔法を探した。


 一番強そうなのは……「spell_fire_storm.exe」か?


 炎の嵐。

 さっき俺がkillした魔法だ。


「これを……こうして……こうじゃ」


 俺はコマンドを打ち込んだ。


『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』


 座標は現在地。

 魔力量は……とりあえず最大値を入れておく。

 方向は前方。


 エンターを押す。


『実行しますか? [Yes/No]』


「Yes」


 瞬間――



 ◆◆◆◆◆



 世界が、赤く染まった。


「なっ……!?」


 俺自身が驚いた。


 俺の眼前から、巨大な炎の(うず)が噴き出した。


 いや、渦というレベルではない。

 まるで太陽が地上に降りてきたかのような、圧倒的な熱量。


「な、何だこれは……!?」


「無詠唱だと……!?」


 私兵たちの悲鳴が響く。

 魔法使いの一人が、慌てて詠唱を始めた。


盾よ(スクトゥム)我らを守りて(プロテゲ・ノス)――」


 空中に、半透明の障壁が展開される。


 魔法の盾。

 だが――


「馬鹿な……!?」


 障壁が、炎の嵐に触れた瞬間、硝子(ガラス)のように砕け散った。


「私の障壁ごと、破るだとぉっ!?」


「ぎゃあああああ!」


 炎が、私兵たちを呑み込んでいく。

 鎧が溶け、剣が(ゆが)み、地面が焼け(ただ)れる。


 数秒後。

 俺の前に広がっていたのは、焼け野原だった。


「……やりすぎたか」


 私兵たちは全員、地面に倒れ伏していた。


 死んではいない。

 ステータスを確認すると、瀕死だがHPは残っている。

 どうやら、致死量にはならなかったらしい。


「まあ、よかった」


 殺すつもりはなかったからな。


 俺はラムダの元に駆け寄った。

 彼女は地面に倒れたまま、呆然としていた。


「あ、あなた……今の……」


 俺は彼女のステータス欄を開いた。


『状態異常: 麻痺』

『HP: 45/120』


 麻痺を消し、HPを回復させる。


『状態異常: なし』

『HP: 120/120』


 ラムダの体から、力が戻っていく。


「傷が……治った……」


 彼女が呆然と自分の肩を触る。

 矢の傷も、完全に消えていた。


「ありがとう、ございます」


 ラムダが立ち上がる。


 だが、彼女の視線――いや、魔力感知の焦点は、俺に向いたままだった。


「しかしあなた……今の魔法……」


 その時、俺は自分のステータスを確認した。


『MP: 500/500』


 減っていない。

 俺の魔力が、1すら減っていない。


 どういうことだ……?


 あれだけの魔法を放ったのに、魔力消費がゼロ?

 俺は履歴を確認した。


『10250: spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward) - user: SYSTEM』


 SYSTEM。


 俺ではなく、システムが放った扱いになっている。


 なるほど。

 コマンド入力で魔法を発動した場合、俺が放った扱いにならないのか。


 あくまで「システムが実行した魔法」として処理される。

 だから、俺の魔力は消費されない。


 俺は周囲を見回した。


 私兵たちはほとんど戦闘不能だが、まだ動ける者が数人いる。

 遠くでは、援軍らしき姿も見えた。


 消費されないということは、魔法撃ち放題ってことだよな?

 俺は再びコマンドを打ち込んだ。


『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』

『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』

『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』

『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』

『> spell_fire_storm.exe (x=current, mp=99999, dir=forward)』


 五回連続で入力。


 エンターを押す。


「Yes」


 五つの炎の嵐が、同時に発動した。



 ◆◆◆◆◆



 それは、もはや魔法というより、天変地異だった。


 五つの炎の渦が重なり合い、一つの超巨大な炎の(はしら)となって天を()く。


「に、逃げろぉぉぉ!」


 残っていた私兵たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。


 炎の柱は全てを呑み込んでいく。


 地面を。


 木々を。


 そして――門を。


「あ」


 俺はやらかしたと思い、声を漏らした。


 レイルズ子爵領への門が、炎の柱に呑み込まれていた。

 石造りの門柱が溶け、鉄の扉が(ゆが)み、やがて崩れ落ちる。


「……やりすぎた」


 門ごと壊してしまった。

 いや、むしろ門がなくなった分、通りやすくなったか?


 炎が収まった後、そこには焼け跡と、逃げ去った私兵たちの姿だけがあった。


「……」


 俺は呆然と立ち尽くしていた。

 自分でやっておいて何だが、とんでもないことをしてしまった気がする。

 あんな民を閉じ込めるための門なんてクソ食らえとは……まぁ少しばかり思っていたが、これでは景観が台無しだ。


「あの……」


 背後から、ラムダの声。

 振り返ると、彼女は俺を見上げて――いや、魔力感知で俺を「視て」いた。


「あの量を……存在しない無詠唱で放つなんて……」


 彼女の声は、震えていた。


「きっと、貴方様は貴族の中でも特に高名な魔導士様なのですね」


「……」


 貴方様。


 なんだそのこそばゆい呼び方は。

 さっきまで「あなた」だったのが、「貴方様」に変わっていた。


 無詠唱というか、俺は単に詠唱の仕方を知らないだけだ。


 コマンド入力で魔法を放つ方法しか知らん。

 いうなれば俺は、裏口の入学方法しか履修しとらんのだ。


 だが、そんなことを言えるはずもない。


「きっと貴方様も、私と同じで貴族がらみで嫌なことがあって、ここにいらっしゃるのでしょう?」


 ラムダが、優しい声で言う。


「……」


 貴族であるという以外は、あながち間違っていない。

 俺は無言を貫いた。


「いいんです、何も仰らなくて」


 なんか勝手に納得しやがったよ、こいつ。

 ラムダは微笑んだ。


「ですがきっといつか。貴方様が言葉を交わしても良いと思ったその時には」


 彼女は深く頭を下げた。


「ぜひともお礼をさせていただきたく存じます」


「……」


 なんだか、こそばゆくなってきた。


 俺は彼女から視線を逸らし、門があった方向を指差した。

 早く行け、という意味を込めて。


「……はい」


 ラムダは頷くと、焼け跡の向こうへ歩き始めた。


「貴方様の御蔭で、この街の人々は救われます」


 振り返らずに、彼女は言った。


「必ず、レイルズ子爵家に報告して参ります」


 その背中が、焼け跡の向こうに消えていく。


 俺はしばらくその場に立ち尽くしていた。


「……さて」


 俺も戻るか。


 この姿のまま街にいるわけにもいかない。

 俺は座標を書き換え、宿屋へと瞬間移動した。



 ◆◆◆◆◆



 それから数日後。


 レドマイン男爵は、レイルズ子爵家を通じてその悪事を王家に報告され、捕縛されたという。


 法外な増税、民衆への弾圧、そして魔導士の排斥。

 全ての罪が明るみに出て、男爵家は取り潰し。


 領地はレイルズ子爵家の管轄下に置かれることになった。


「――そして、その時現れたのが、あのお方なのです!」


 ここは『静寂の杯(サイレント・カップ)』のカウンター席。


 俺の隣で、ラムダが興奮気味に語っていた。


「無詠唱で、五連続の大魔法! あれほどの魔力を、涼しい顔で放っておられました!」


 彼女の周りには、バーの常連客が集まっている。


「へぇ、すげぇな」


「無詠唱って、伝説級の魔導士しか使えないって聞いたことあるぞ」


「一体何者なんだ、そいつは……」


 客たちが口々に感心している。

 俺は黙ってエールを飲んでいた。


「きっと、どこかの大貴族に仕える高名な魔導士様に違いありません!」


 ラムダの声は、どんどん熱を帯びていく。


「いつか必ず、もう一度お会いして、お礼を申し上げたいのです!」


「いい話だなぁ」


「その人、きっとカッコいいんだろうな」


「しかし、こんなに強いラムダちゃんの命の恩人かぁ……」


 常連客たちが、しみじみと頷く。


 その様子は、まるで英雄譚でも語るかのようだった。

 段々と祭り上げられていくような雰囲気に、俺は居心地が悪くなってきた。


「……」


 というか、当の本人が真横にいるんだが。


 知らずに盛り上がってるお前ら、いつか覚えとけよ。

 俺は酒の肴じゃねぇ。


「本当に素晴らしいお方なのです! 皆さんも、もし金髪碧眼の黒い外套の男を見かけたら、教えてくださいね!」


「おう、分かった分かった」


「見つけたら教えてやるよ」


 常連客たちが気軽に請け合う。


 ……勘弁してくれ。

 俺は立ち上がった。


「ここは酒屋じゃねぇんだ。 うるさいのはよそでやってくれ」


 カウンターに金を置き、出口に向かう。


「なっ!? あなた……!」


 ラムダが俺を呼び止めた。


「何を言うのですか! あなたが今こうしてお酒を飲んでいられるのも、そのお方のおかげなのですよ!」


 彼女は頬を膨らませて、可愛らしく怒っている。


「もう少し、感謝の気持ちを持つべきではないのですか!」


「……」


 いや、だからそれ、俺のことだからな?


 俺は何も言わず、バーを後にした。

 背後から、ラムダの「もう、あの人は……!」という声が聞こえてくる。


 夜風が、火照った頬を冷やしていく。


「はぁ……面倒なことになった」


 呟いた言葉は、いつもと同じ。

 だが、その声には、少しだけ違う響きが混じっていた。


 俺は苦笑して、酔い覚ましに夜の街を歩き始めた。

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