表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Frontier Online -PK・強盗・仮想通貨のVRMMOで遊んでいたらTSした件-  作者: 東山スバル
おめでとう! 少年は少女に進化した!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/8

4 きれいなピンク色

 我が父ながら薄情だな、と感じつつも、通話を切られてしまった。真希は途方に暮れ、意味もなく部屋の中を歩き回る。


「きょうからおれは黒髪ロングヘアの少女、か……とりあえず、お風呂入ろうかな」


 5分ほど部屋をトボトボ歩いて出た答えがそれなので、もう真希の人生は暗転しかかっているのかもしれない。

 ともかく、風呂場へと向かおう。


「あれ? お兄ちゃんの彼女さん? こんばんは」


 意気消沈しながら廊下を歩いていると、妹の佐野真由(まゆ)とすれ違った。まぁ恋人と間違えるのもせん方ないが、なにか負けた気がするのも間違いない。ここは馬鹿正直に伝えてしまうか。


「いや、おれはお兄ちゃんだよ」

「は?」

「そうなるよね。でも、おれは佐野真希だ」

「なんの冗談?」

「こっちが聞きたいよ。VRMMOやってたら、こんな姿になってしまった」

「VRMMOってなに?」


 真由はゲームにあまり詳しくない。詳しい分野は主に、真希自身もよく分からない韓国系のアイドルである。


「要するに、仮想現実の世界に入り込めるゲームってこと」

「意味分かんない」真由はその大きな目で真希を覗き込む。「ねぇ、貴方が本当に私のお兄ちゃなら、私の好きなアイドル全員言えるよね?」

「言えるわけないじゃん。興味ないもん」

「あー、それは完全にお兄ちゃんだわ。イマドキ、アイドルの名前も知らないヒトなんてお兄ちゃんくらいだしね」


 それで良いのか、我が妹。とは思いつつも、真由が納得したのは間違いないようだった。


「で、なんで女の子になっちゃったの?」

「だからこっちが聞きたいんだよ。なにが悲しくて、黒髪ロングヘアの少女にならなきゃいけないのさ。いくら夏休みとはいえ」

「良いじゃん。この際、女の子ライフ楽しんだら?」

「真由はいつでも楽観的だね……」

「大丈夫だよ、どうせお父さんがなんとかしてくれる。創麗グループの最高幹部なんだから、下手な政治家より権力あるし」

「権力で黙らせても、周りが納得してくれるものか」

「こんな可愛い女の子がお願いしたら、みんな納得するでしょ。んじゃ、私はもう寝るから」

「うん、おやすみ。マイペースな真由」


 真由が立ち去っていき、真希は風呂場へと再び歩みを進める。


(……考えてみれば、同い年くらいの女体を見たことがないんだよな)


 未使用品のままいなくなったリトル真希に思いを馳せつつ、彼女は服をおもむろに脱ぎ始めた。男子用の服だが、身長自体はさほど縮んでいないためブカブカというわけではない。


「うわ、きれいなピンク色」


 風呂場に入り、鏡を見ると、そこには色素の抜けた乳首。さほど乳房は大きくないが、それも相まって神秘的にすら感じてしまう。


 されど、性欲が湧かないのも事実。深夜2時15分ともなれば、もう疲れていて性欲云々の話ではない。


 お湯に顔半分を入れて、ぶくぶくと泡を吹きながら真希は不満げな表情をあらわにする。


「なんでおれが女子に……」


 髪の毛が湯船に浸かることも気にせず、真希は今まさに出来上がった不満に苛立つのだった。


 *


 風呂から出て、真希はスマホを確認する。宮崎からメッセージが大量に送られてきていた。正直もうあのゲームにログインしたくないが、いかんせん〝ザ・ミラクル〟を取っ払う方法もあのゲームの中にしかなさそうなので、真希も腹積もりを決める。


「きょうはもう寝るから、あしたやろう、と……」


 真希はドライヤーで乱雑に髪を乾かす。サラサラヘア? そんなもの、知ったことか。とにかく眠たい人間に、いちいち見た目を気にする余裕はない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ