第7話:『成長する絆、戦う理由』
秘密組織に追われながらの旅は、幾年もの月日を費やした。リリィはもう、あの頃のあどけない少女ではなかった。背丈は俺の肩を越え、その瞳には強い意志の光が宿っている。多感な時期を迎え、自分の未来や、なぜ地球に帰ることができないのかという問いに、静かに思いを馳せるようになった。俺は、彼女の成長を間近で見守るたびに、この子を守り抜くという覚悟を新たにした。もはや、彼女は俺にとって「守るべき存在」であると同時に、「共に歩む相棒」となっていた。
秘密組織は、ライドロンの核融合炉の情報を得て、その追跡をさらに激化させていた。彼らの襲撃はますます巧妙になり、俺たちは常に命の危険に晒されていた。
「これ以上は、もう逃げられない……!」
そう悟った時、俺たちはとある古びた都市の廃墟に追い詰められた。四方を黒衣の兵士たちに囲まれ、彼らが操る光の武器がライドロンを狙う。
「お兄ちゃん!」
リリィが叫んだ。その声は、かつての怯えを含んでいなかった。彼女の体から、微弱だが、これまで感じたことのない異様なエネルギーが発せられているのを感じた。
「お前ら!リリィには指一本触れさせねえぞ!」
俺はライドロンを変形させ、最後の戦いに挑む覚悟を決めた。核融合炉の出力を限界まで引き上げる。全身から放たれる青白い光が、廃墟の闇を照らし出す。
その時、リリィの体が淡く発光した。彼女の瞳が、青く輝き、廃墟に散らばるロストテクノロジーの残骸が共鳴するように光り出す。それは、彼女の中に秘められた「異世界的な才能」が、覚醒し始めた証だった。彼女は、ロストテクノロジーに宿る力を、無意識に引き出していたのだ。
「リリィ……お前にはこの世界の未来を見せてやりたい。そのためなら、俺はどんな敵だってぶっ潰す。ライドロン、最後の出撃だ!」
俺とリリィ、そしてライドロン。三位一体となり、秘密組織との激しい攻防が始まった。
### 次回予告
激しい戦いの中、俺たちは秘密組織の拠点へと潜入する。
そこで目にするのは、ロストテクノロジーの恐るべき真実。
そして、かつてこの世界を滅ぼした「古き文明」の残響が、俺たちの目の前に広がる。
ライドロンに秘められた、希望の物語が明かされる。
次回、ライドロンと紡ぐ家族の物語。
**第8話:『失われた文明の残響』**
「こんなところで足止め食らってるわけにはいかねえ!」
お楽しみに!