第11話:『決戦、未来を賭けた咆哮』
クリスタルへと辿り着いた俺たちを待ち受けていたのは、秘密組織の首謀者が搭乗する、彼らが完成させた「最終兵器」だった。それは、かつての古代文明の技術を悪用し、ライドロンをも凌駕するほどの力を秘めた、異形の巨大ロボットだった。
「リリィ、お前はもう俺の隣で戦えるほど強くなったんだな。だったら、俺は全力でこの世界を守る!ライドロン、行くぞ!最後の戦いだ!!!!!!!」
俺の言葉に、リリィは強く頷いた。彼女はもはや、守られるだけの少女ではない。成長した彼女は、自分の能力を最大限に引き出し、ライドロンのエネルギーを増幅させる。ライドロンの核融合炉は、リリィの才能と共鳴し、その限界を超えた力を引き出す。全身の装甲が赤く熱を帯び、目からは灼熱の光が放たれた。
「ガアアアアアアッッ!!」
ライドロンが、まるで生き物のように咆哮を上げた。それは、この世界に希望を叫び、未来を掴み取ろうとする、俺たちの魂の叫びだった。
最終兵器との激しい戦闘が始まった。街の廃墟が、二つの巨人の衝突によって、さらに崩壊していく。ライドロンの放つエネルギー砲が、最終兵器の装甲を砕き、最終兵器の放つ強力なビームが、ライドロンのボディを焼く。
肉体と精神が限界を迎える。だが、俺はリリィの笑顔を思い出した。そして、これまで出会った人々、助けた村々の光景が脳裏に浮かぶ。この世界を、希望ある未来へ繋げるために。
「終わらせるぞ、ライドロン!リリィ!」
俺は最後の力を振り絞り、ライドロンに指示を出す。リリィもまた、その才能の全てを解放し、クリスタルの力を味方につける。ライドロンが、その巨体をねじり、最終兵器へと最後の突撃を仕掛けた。
それは、未来を賭けた、壮絶な咆哮だった。
### 次回予告
激しい戦いを終え、世界は再び静寂を取り戻した。
ロストテクノロジーを巡る争いは終わり、この世界は新たな時代へと歩み出す。
そして、彼と、私の旅は、形を変え、まだ続いていた。
次回、最終話。
**第12話:『いつのまにか、家族の風景』**




