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試合開始

そして、試験当日。

順調に勝ち上がってきた俺とあいつは、決勝戦で戦うことになった。


審判が、試合開始の合図を送ると同時に、詠唱を始める。


「雷撃!」


高速詠唱のスキルを使い、ワンアクションで初級の電撃呪文を唱えるが、あいつは涼しい顔でそれを受ける。


電撃は直撃するも、全くの無傷。素の魔法耐性でレジストした。


くそ!俺の初級魔法ではやはりダメージが通らない。

中級、いや、上級魔法でなければダメか!しかしそんな暇を与えてくれるのか?


「火球!」


オリヴィアがお返しとばかりに魔法を唱えてきた。

同じく初級の火炎魔法だがその密度が俺のとは全く違う。


「く、水波!」


迎撃の為に、水の防御魔法で相殺する。なんとか止めれたものの、防御魔法を唱えている隙に、むこうはまた新しい魔法を詠唱している。



…完全に守勢に回った。このままあいつの魔法を防ぎ続け、それが耐えられなくなったら俺の負けだ。


いつもなら、これで終わりだが…


「氷華」「風刃」


再度放ってきたオリヴィアの火球を防ぎつつ、攻撃魔法も唱えて反撃した。


驚いたオリヴィアは風刃を咄嗟に避ける。普段なら自分の高い魔法防御力でレジストできるのに動揺しているようだ。


その隙に、俺はまた二重詠唱を始める。

…デュアルスペルを使っているのは直ぐにバレるだろう。


残された時間はあと少し。このあたりで決めたいところだ。


「大雷撃」「風絶塵」

中級魔法を二つ唱え、オリヴィアを追い詰める。このレベルだと奴も魔法を使って防がなくてはならない。


「土盾」

やはり、魔法を使って防いできた。初級魔法で中級魔法二つを防がれたのは少しショックだが、全てを相殺できなかったのか、ダメージは通った。


「おい、あれって…」

客席が騒がしくなってきた。禁術を使っているのがバレ始めている。


恐らく、次が最後の詠唱になる。どのみち、禁術と高速詠唱の負担で、長くは続かないのだ。


集中し、上級魔法の詠唱を始める。


「焔踊波」


オリヴィアが中級魔法を唱えてきた。これを防ぐと攻撃できないので、敢えて防御魔法を使わずに素で受ける。


…痛い。審判が止めてもおかしく無いレベルのダメージを負ったが、そのおかげで詠唱が完成した。


これが最後の魔法だ…!


「飄雷撃刃」「焔乱舞踏」

二つの上級魔法を俺はオリヴィアに向かって唱えた。


「風星壁砂」


流石のあいつも上級魔法で防いできた。これが通れば俺の勝ち。通らなければ俺の負けだ。


ドォオン!


魔法がぶつかり、土煙が舞う。


…そこから、あいつは姿を表した。


…耐えやがった。俺の二重詠唱した上級魔法を…


俺の負けだ。


そして丁度審判が、禁術を使ったことで俺を反則負けを宣言し。


俺の挑戦は無様な結果で終わった。




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