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第55話 ポーションを卸すための素材である薬草を採取しに・・・2

少し短いですが切りが良いので、ここで投稿します。

 エリカが殴打して気絶させた女性は、しばらくしてから意識を取り戻した。


 「大丈夫ですか?侍のお姉さん。」


 初対面の人間と言う事も有り、敬語で身体の状態を尋ねる俺。

 勿論、また彼女に自害されたら困るので、彼女の刀はエリカが持っている。


 彼女は跳び起き身構え、刀を手にしようとしたのだろうが、自分の手元に刀が無い事に一瞬、困惑した後、直ぐに俺達を見て、正確には俺を見て宇宙猫を見たような表情となった。余程、驚いたのか、構えすらと解いてしまっている。


 「あの、大丈夫ですか侍のお姉さん?」


 まぁ、俺の容姿を見て驚かない方が珍しいよなと内心、思いながらもう一度、声を掛けると彼女はもう一度、宇宙猫を見る表情で俺をガン見した。


 「あの、ホントに大丈夫ですかお侍さん?」


 今度はエリカが訊ねると、彼女はエリカに気付いた様だった。どうやら今まで気付かなかったらしい。

 この侍の娘、実は実力は大した事ないのか?それともそんなに俺の見た目に度肝を抜かれたのか?


 まぁ、抜かれるわな。首から上は絶世の美少女に、それに似あう声をしているのに、首から下は筋肉モリモリの漢の身体で、おまけに服装は某世紀末救世主のようなレザージャケットとズボンだもんなぁ~。


 それはともかくとして、侍の娘はエリカが自分の刀を持っているのに気づき、


 「普通ならば、私はここであなた方に礼を言うべきだとは理解しておりますが、私はこれ以上の生き恥を晒さないためにも自害しようとしましたので、それを善意であろうと止めに入ったあなたが礼は言いません。そして神官殿、私の刀を返してください。」


 睨むと言うほどではないが、鋭い目でエリカを見ながらそういう侍の娘。


 どうやら、俺達が止めに入ったのは彼女にとっては余計なお世話だった様である。とは言え、普通だったら、こういう事を言われてはムッと来るのだが、そういう感情にならないのは目の前の侍の娘の状態が酷いからだろう。


 本人はエリカをキッと鋭い目で見たつもりだろうが、全然眼力ないし、瞳もどんより曇っているし、隈も出来ている。おまけに頬も瘦せており、彼女の全身から力が感じられない。


 どう見ても何か大きなトラブルを抱えているのは間違いないな・・・。


 そう思っていると刀の返却を求められたエリカが、


 「返すのは良いのですけれど、どうして自殺なさろうとしたのですか?こうしてあなたの自殺を止めて、今、話をしているのも神様のお導きだと思うので、ひょっとしたら何かお力になれるかもしれませんので、事情をお聞きしたいのですが・・・。」

 「話す事などありません。気持ちだけで十分ですので私の刀を返してください。」


 取り付く間もない。どうしようかと思ったところで、ぐぅぅぅと言う音が彼女から聞こえてきた。

 どうやら空腹の音の様である。

 先程まで鋭い目でエリカを見ていた侍の娘だったが、今は羞恥で赤面しながら俯いている。


 『・・・・・・』


 俺とエリカは顔を見合わせると、エリカの銃を錬金する素材を手に入れる傍ら、昼食の為にと思って購入した携帯食や干しブドウ、薄く小さなチョコなどを取り出しそれと薬草を2枚取り出し、それを錬成してS〇YJ〇Yのチョコ味とブルーベリー味を造り出し、侍の娘に差し出した。


 「これでもどうぞ。いくらか腹の足しになるでしょうから。」


 侍の娘は俺が差し出した2つのS〇YJ〇Yを見て驚いた表情になったが、最初はプライドのためか受け取ろうとしなかったがガン見しており、またもや腹の音がなり、とうとう空腹には耐えられなかったのかおずおずと2つのS〇YJ〇Yを受け取ると、蚊の鳴くような声で「ありがとうございます。」と礼を述べると遠慮気味にチョコ味から食べ始めた。


 「あ、美味しい。この大陸には、こんな美味しい携帯食があるんですね・・・。」


 さすがはS〇YJ〇Y、大半の人間が食したら美味しいと感じられるように出来ているぜ。


 そんな事を思っている内に彼女はチョコ味を食べ終え、2本目のブルーベリー味を食べている最中だった。

 程なくして2本目のブルーベリー味も食べ終え、水の入った筒を渡してやると、今度は素直に受け取った。


 思いつめていた表情もいくらかマシになったようなので、取り敢えずは落ち着いた様である。これなら詳しい事情を聞けそうだな・・・。




 「食料を恵んでいただいた事、感謝致します。それと先程は自害しようとしたところをお止め頂いたのに礼も述べず申し訳ありませんでした。」


 精神状態がいくらかマシになった様で、素直に礼を述べてくる侍の女性。


 「落ち着いてくれて良かったですよ~。神に仕える者として目の前で自殺をしようとする方をお止めするのは役目の1つですから。」


 安堵した様子でそういうエリカ。


 「あの、それでどうして自殺をしようだなんて考えに至ったのですか?これも神の思し召しなのでしょうから、事情を聞かせて頂けたら、何かの力になれるかもしれませんよ。」


 エリカの言葉に侍の彼女はしばし無言だったが、助けた恩は感じているらしく、ポツポツと自分の身の上を話し始めた。


 「私の名前は秋華あきか桔梗ききょうと言います。こちらの流儀にそうならばキキョウ・アキカと言った方が良いかもしれませんね。東の大陸の果てにあるヤマトから参りました。」

 「エリカ・クリスティーヌです。エリカと呼んでください。」

 「シン・カズサです。名前でも苗字でも好きな方で呼んでください。」

 「・・・シン・カズサ・・・ひょっとしてカズサさんはヤマトの方ですか?」


 互いに自己紹介をすると、キキョウは俺の名前を聞き、そして自分と同じ黒髪から同じ祖国の人間と思った様だが、以前まえにミントに答えた時と同じ返答を返すと、「あ、それはすいませんでした。」と謝った。でもその瞳には罪悪の他に少しばかり落胆の色も含まれている。

 同郷の人間だったら良かったと思うと言う事は、やっぱりメンタルが相当弱っている様である。まぁ、何があったかまだ聞いていないが、自害しようと言うのだから、相当にひどい状態なのは確かだわな。


 俺達はキキョウの話の続きを聞く事にした。

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