第54話 ポーションを卸すための素材である薬草を採取しに・・・1
リアルが忙しい上に、へばったせいか書く気が起こらず、かなり間が空いてしまいました・・・。
次の日、俺は冒険者ギルド前でエリカと合流し、昨日、エリカに言った通り、まずはエリカの銃を造る為に素材を集める事にした。
と言ってもコナタは帝国でも二番目に大きい街なので、素材を集めるのにそんなに手間も時間も金も掛からなかった。
やっぱり、こういう時、大都市の都会は便利だよな~。
そして銃を錬金しようと思ったのだが、こんな人通りの多いところでする訳にも行かないので、仕方が無いのでエリカと共に一通りの少ない路地裏に入った。
「だ、駄目ですよカ、カズサさん、こ、こんな人気のない路地裏に連れ込んでシスターの私を手籠めにしては、そ、それはカズサさんの事は嫌いでありませんし、ちょっとトキメイタのも事実ですが、もう少しお互いを知ってからの方が・・・そ、それにまだ朝でお日様も登り切ってすらいない時間からエッチな事をして愛欲に溺れると言うのも・・・ちょっと背徳的で良いかも・・・。」
何だかエリカが勝手にトリップし、面白おかしい事を垂れ流し始めたが、俺は無視して銃を錬金して彼女に差し出した。
しかし、エリカってこういう面もあるのか・・・。今の妄想を聞いた感じだとエロアマの要素もあるだなんて、何処まで愉快なシスター何だろうか・・・。
トリップしているエリカをよそに俺は銃と弾丸を30発ほど造り出すと、
「エリカ、昨日言った通り、銃は造ったので受け取ってくれ。ついでに弾丸も補充の意味で造っておいたから・・・。」
「え?は!あ、ありがとうございます。でも私銃だけでなく弾丸まで造ってもらって、この場で全額を支払える自信はないんですけど・・・。」
彼女に銃を弾丸を差し出すと、トリップから元に戻り、慌てて銃と弾丸を受け取ったのだが、正気に戻った時、安堵とがっかり感が出ていた。
と言う事は彼女の中では俺の好感度はそれなりに高いと言う事か?まぁ、だからと言ってこのまま直ぐに彼女にモーションを掛けようとは思わないが・・・。
モーションを掛けるとしたら、もう少しエリカと行動を共にして好感度を高めてからにしよう。
心中でそう結論を出しながら、
「ああ、銃の代金は良い。俺もこれはこれで良い錬成の練習になったし、銃を持ったエリカには色々と助けられているのも確かだからな。」
「でも、銃だけでなく弾丸まで造って貰って・・・悪いですよ。」
「そう思うなら、これからも冒険をする時、聖職者としての能力とその2丁拳銃で力を貸してくれ。俺もそうしたら気兼ねなくエリカの力に頼れるし・・・。」
そう言って押し切ると、エリカも済まなさそうな表情をしながらも無料で銃と弾丸を受け取った。
「しかし、エリカに変な勘違いをさせる事になるなら、堂々と広場かどこかで造れば良かったかな・・・。」
「う~ん、この銃の錬成ならば、それでもよかったと思いますが、昨日の造った新型狙撃銃などは誰も見ていない場所で錬成した方が良いでしょうね。」
「そうなのか?」
「はい、と言っても私の知識も教会で見習いをしていた時に、教会を訪れた冒険者の方から聞いた話ですが、錬金術師にとっての大成は現存の物であるならば、例えば回復アイテムの最上級モノであるエリクサーなどを錬成できる技量に至るか、もしくはまだ世に出ていない新しいアイテムを生み出すかになるのですが、新しいアイテムを生み出す場合、駆け出しの錬金術師でも自分の自室で錬成するのが基本なんです。理由はもし完成したとしても、その錬成に必要な素材などを他の錬金術師に知られて、同じ物を造られて先に世に出されたら、先に世に出した方の功績となってしまうからです。」
「ああ、要は自分の研究を盗まれるのを防ぐためか・・・。」
「そうです。だから錬金術師の方はまずは宿住まいから自分の部屋を借りれる様になる事を目指すんですよ・・・。」
そこまで言ってエリカは俺をジッと見つめた。
「カズサさんは、錬金術師としての技能はとても優れているのに、錬金術師としての基本を知らないんですね。」
エリカの言葉に俺は内心、冷や汗をかきながら、この世界に転生させられた時に与えられた知識の中に、この知識はあったか?と思案しながら知識を探っていくと・・・、
「って、ちゃんとあるじゃねーかよ!!俺がしっかり確認していないだけじゃねーか!!」
頭の中の知識にちゃんとある事に対し、俺は思わず叫んでしまった。
それを見てビクッと身体を震わせ、突如、叫んだ俺を何事かと凝視しながら「あの、大丈夫ですかカズサさん?」と問いかけてくるエリカさん。
その大丈夫と言う問いかけは頭がと言うのが声に出さなくともはっきりと聞こえた
だって、その目には若干、あれな人を見る色が混じっているもの・・・。
でもまぁ、客観的に見たらそれもそうか・・・俺だってエリカが突如、意味不明な事を叫んだら、宇宙意志でもキャッチしたか・・・?と頭を心配するモノ・・・。
「い、いや、大丈夫だから、問題ないから。」
「は、はぁ、そうですか・・・。なら、いいのですが・・・」
そう言いつつも俺の事を気遣いつつも、若干、疑いの色が含まれた目で俺を見るエリカ。
う~む、今の俺の行動のせいで、折角、高まっていた好意が減退してしまったかもしれない・・・。
しかし、与えられた知識、もっとしっかりと確認しておくべきだったな・・・。
そもそも、神だろうと何だろうと提供された情報をすぐさま確認するのは社会人として常識じゃねーか!!
しかも、こんな今までの常識も知識も通用しない命の掛かった世界で・・・。
俺って案外、バカなのかもしれない・・・。
今まで気付かなかった自分自身の一面に俺は少しへこんだ。
少しへこみながらも俺は明日、ペパー商会に卸すためのポーションの素材である薬草を手に入れるため、まずは冒険者ギルドで手に入れた薬草を入れておくための籠を借りた。
俺一人なら籠を借りずにそのまま行くが、エリカと二人である以上、まだエリカにアイテムボックスの存在を知らせようと言うだけの信頼は残念ながら出来ていない以上、こういう小細工はどうしても必要となってくるんだよな・・・。
その事に対して何とも言えない気持ちになりながら、籠を背負ってこの世界に転生転移した当日の日が落ちる寸前の夕方時にハイ・オーガとレオンパーティーに遭遇した場所を訪れた。
「この場所って薬草があちこちにあって採りやすいんだよな。」
「確かにパッと見ただけでもたくさんの薬草が生えていますね。あれ?どうやら先客がいるみたいですよ。」
エリカの言葉に俺は前を見ると、位置的に見て奥に当たる場所に一人の女性が正座していた。
コナタでは大きな服屋にでも入らないと見れない桜色の着物と深紫の袴を来た背中ぐらいまであるロングヘヤ―の黒髪の女性で、パッと見た限りエリカよりもちょっと上ぐらいの18~19ぐらいで顔立ちも十分に整っている美女美少女と言える類に入るだろう。
すぐ横に黒鞘に納められた刀と思われるモノが二振り、メインと思われる刀と脇差と思われる幾らか短い物が置かれていた。
だが、そんな侍と思しき彼女だが、一目見ただけでも分かるぐらいに思いつめた表情をしており、今にも自殺しそうな様子だった。
向こうは俺達が気付いていない。
「何だか自殺しそうな雰囲気の方ですね。」
「そうだな。何事もなければ良いんだが・・・。」
でも、どうやら俺はフラグを立ててしまったらしい。次の瞬間、侍の女性は脇差を鞘から引き出し、逆手に持って自分の心臓に刃を向けると、
「ああ、撫子姉様、姉様のお力になるどころか姉様の消息を掴めぬまま先に旅立つ愚かな桔梗をお許しくださいませ。」
泣き声でそう言って刃を突き出そうとする侍の女性を、俺達は慌てて駆け寄り、
「だ、駄目です!!事情は分かりませんが早まってはいけません!!」
「そうだ!!馬鹿な真似はよせ!!」
「?!だ、誰ですかあなた方は!?い、いえ、それよりも自害させてくださいませ!!あまりにも無様な醜態を晒し、この地に訪れた目的も果たせなくなった以上、死んで詫びるしかないのです!!」
二人で身柄を拘束しながら、自害しようとするのを阻止しようとしたのだが、この女性、意外と身体能力が高く、拘束しきれない。
しかも刀を持ったまま暴れるので、俺は勿論の事、エリカもいつ負傷するか分からないので、刀にも注意を向けなければならない。
まさに何とかに刃物である。
「あ~、もう、だから事情はどうあれ、命を粗末にしたら駄目と言ってるでしょうが!!」
しばらく、侍の彼女を拘束しながら、自害しようとするのを阻止しようとしたが、一向に思いとどまる気配がない彼女に、エリカがキレたのか、そう叫びながら持っていた杖で頭を殴打し、「ブゥッ」と女性が出すにはどうかと言いたくなるような短い悲鳴と共に意識を失った。
「ふぅ、手間どまらせられましたが、何とか阻止できました。」
実に良い仕事をしたと言うばかりの表情で言うエリカ。
いや、まぁ、間違ってはいない・・・のか?
何はともあれ、薬草を採取しに来て、予想外のトラブルに遭遇する事になった・・・。
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